2024年に最もよく見られた
5つの「お宅拝見」
のくらしでは今年も、個性豊かなリノベーション事例の数々をご紹介してきました。 2024年は在宅ワークの日常化や、出社勤務とのハイブリッドワークなど、働き方の多様性が定着した1年といえるでしょう。ライフスタイルが落ち着きを見せる中で、家族やパートナーと心地良く生活を営むための空間づくりや、趣味や好みをつめこんだインテリアや家具へのこだわりを感じるような事例が多く見られました。 今回は2024年で最も見られた「お宅拝見」記事の5つをご紹介します。
家族全員分の個室があるシェアハウス的住まい
「楽しく快適なシェアハウス」をコンセプトに家族全員分の個室をつくり、プライベート空間とパブリックな空間を両立させた事例です。Mさん夫婦にとって2回目となるこのリノベーションでは、子どもたちの成長を踏まえた上で、プライバシーを守りつつも、みんなで集まって豊かな時間を過ごせるような空間づくりを目指しました。
リビングダイニングからオープンな洗面エリアを通過すると、ガラスドアの向こうにプライベートなスペースが延びています。ガラスの建具で仕切った個室は、シェアハウスを彷彿とさせます。
各個室は3.4帖ほどでコンパクトながら、ガラスの建具によって窮屈感もなく開放的な印象です。子どもたちの部屋の通路にはデスクと収納があり、緩やかに繋がりながらそれぞれ工夫をして快適に過ごしているそうです。
料理が趣味ということもあり、休日にはホームパーティーをひらくことも多いMさん夫婦。人が集まったときのことも考え、オープンキッチンにしたいという希望もありましたが、マンションの構造による制約でセミオープンスタイルになったといいます。結果的にリビングダイニングの開放感を生かしながら、キッチンとしての使いやすさも叶え、満足のいく空間となりました。
▶https://nokurashi.com/ownersvoice/17258
10年越しのリノベで、理想の上をいく住まい
15年前にリビタが手がけた「一棟まるごとリノベーション」のモデルルームとなっていた物件を購入したKさん夫婦。転勤によって手放すことになってしまいましたが、かつての住まいの快適さを忘れられず、もう一度再現するためにリノベーションに挑戦しました。
特にこだわったのは、収納や個室の扉を木で造作するアイデアでした。これは前の住まいでも衝撃を受け、気に入っていたというポイントだそうです。取っ手などつけずに1枚の壁のようにフラットに仕上げることで、個室を隠し部屋のように収めたものです。
家族みんなが服やスニーカー、雑貨、マンガが好きで、ものが多いことから、十分な収納スペースを希望していたというKさん。収納扉を壁のように見せることで、ものの多さを感じさせることもありません。扉材には木材を使用し、ホテルライクな高級感に振り切らず、リラックスした雰囲気を演出しています。
お子さんが中学に進学するタイミングで個室を設けることもこのリノベーションの目的のひとつでした。ただ、各自が個室に籠もりすぎないように、リビングの窓辺にもワークスペースを設置し、家族でシェアしながら心地良く使っています。
個室は玄関からLDKに続く通路に家族3人分の部屋が並ぶような構造に。個室にいる時間が長いという旦那さまは、居心地にこだわってお気に入りの家具で揃えています。長年愛用している家具に合わせて、床材や壁材をチョイスしたのもこだわりポイントです。
▶https://nokurashi.com/ownersvoice/18345
好きなものに囲まれて、自分たちらしく緩やかに過ごす
緑が多く広々とした住環境を求め、都市部から引っ越したというSさん夫婦は、南東2面に大きく開けたリノベーション済みマンションを購入しました。
日当たりと風通しの良さに加え、余計なものをそぎ落としたデザインに心惹かれたというおふたり。壁・天井にホワイトのクロス、床はオーク材でシンプルに仕上がっています。そこに夫婦で好きな家具や雑貨を付け足して理想のインテリアを目指しました。
もともと4LDKだった2部屋をLDKに取り込んでいることもあり、広々とした空間が広がっているのもポイントのひとつ。LDKの一角にシェルフを置くことで、緩やかにゾーニングし、開放的ながら使いやすいスペースに仕上げています。
現在のところ個室は不要だと話すSさんですが、もしも将来的に個室が必要になっても、既に壁や天井に下地があるため増設も容易だと話します。
南側のバルコニーに面した寝室には、毎朝たっぷりの朝日が差し込みます。一般的には北側が寝室に向いているという考え方もありますが、Sさん夫婦のライフスタイルや生活動線を踏まえて、南側に設置しました。
リノベーションをする上で間取りや配置、インテリアなど、さまざまなコツはありますが「家族の暮らし方にフィットしているか」という観点も非常に重要です。このSさんのお宅では、随所にこだわりの小物や家具のセレクトが見られ、自分たちらしく緩やかに過ごしている様子が感じられます。
▶https://nokurashi.com/ownersvoice/19148
シンプルな素地の空間を、アートで飾る暮らし
ヴィンテージマンションが好きだというOさん夫婦は、お子さんの出産を機にリノベーション済みマンションと巡り合いました。最も目を惹くのは、壁に飾られた数々のアート作品。というのも、奥さまはアートイベントの総合ディレクターも務めており、公私ともにアートに囲まれた暮らしを送っているのだそうです。
ギャラリーでは作品の見せ方など考慮をしながら飾るそうですが、自分の住まいではとにかく好きな作品をできるだけ沢山飾るというのがOさんの方針。26帖以上の広々としたLDKに好きな作品が並んでいることで、日々作家の存在を近くに感じられ、心地良い空間となっているそうです。
造作した収納には扉をつけずにオープンな棚として使用しているのもポイントです。扉は後からでも付けられるということでこのような形にしましたが、何がどこにしまわれているかが一目で分かるため、非常に使いやすいと好評です。
バルコニー側のスペースはサンルームのような温かな空間に。現在は、洗濯物を室内干ししたり、子どものおもちゃなどを置いたりするスペースとして活用しています。将来的には子ども部屋のような空間になるかもしれないと、暮らしの中で模索している最中だと話します。
▶https://nokurashi.com/ownersvoice/17047
1人から2人へ。結婚を経てより楽しい住まいに
「リノベーション済みマンションは暮らし方のイメージが描きやすい」と、港区の中古マンションを購入したKさん。希望していた住環境であることに加え、南向きで日当たりが良好である点や使いやすい間取り、シックなテイストの仕上げなど多くの魅力があったと話します。
購入当初は一人暮らしだったものの、結婚を経て二人暮らしへとライフスタイルが変化しましたが、十分な面積と間取りを見込んで購入したため、ギャップを感じることなくスムーズに対応できたそうです。
現在は夫婦ともに週の半分はリモートワーク。旦那様は寝室にスタンディングデスクを置いて、奥様はダイニングテーブルで仕事をしています。一方、終業後は間接照明やスポットライトで部屋全体を暗めにして、バーのように落ち着いた雰囲気へ。日中は仕事に集中し、夜はリラックスできるメリハリある暮らしを叶えています。
料理が好きだというKさんにとって、広々としたキッチンスペースや収納は嬉しいものでした。機能的にも使いやすく、ストレスなく料理を楽しんでいると話します。カウンターの下にゴミ箱やキッチンツールを収納しているため、リビングダイニング側から見えないのもポイントです。
▶https://nokurashi.com/ownersvoice/19913
5つのお宅拝見のまとめ
コロナ禍を経て、働き方や暮らし方が多様化し、新たなフェーズを辿り始めた2024年。
ライフスタイルが確立されたことによって、より自分らしい衣食住を模索する方も増えたのではないでしょうか。今年の「お宅拝見」では、家族やパートナーと緩く繋がりながらも、自分と向き合う時間を大切にする間取りが多く見られました。パブリックとプライベートを心地良く繋げながら、それぞれ理想の住まいを叶えているようです。
さて、2025年はどのようなお宅と出合えるのでしょうか。どうぞお楽しみに。