フェイバリット・ビュー 私のくらし
#14 夜のオフタイム
気づいたら集めているもの。見かけると、ついつい手が出てしまうもの。
どんなに忙しくても、大事にしたい時間。自分らしくいるために、欠かせない瞬間。
そんな、日々を彩る「もの」やホットな「こと」がつくりだす、お気にいりの景色=favorite view。
くらしにフェイバリット・ビューをもたらす「もの」や「こと」を、くらしをリノベーションする、リビタの社員がご紹介します。
眠れぬ夜のひととき
今回リビタ社員・茄子川がご紹介するのは「夜のオフタイム」です。
夜の過ごしかたを意識したきっかけは、コロナ禍以降、在宅ワークが増えて、家の中でオンとオフを分ける必要性を感じたことでした。
特に繁忙期は、頭がフル回転したままベッドに入ってもリラックスできず、なかなか眠れない状態が続いていたんです。昔から寝つきは良くないほう。学生時代は無理してもなんとかなりましたが、社会人として、心身の健康のためにも昼と夜でオンとオフを分け、仕事とプライベートを区切ったほうがいいと思うようになりました。そこで始めたのが、寝る前に好きなことをして過ごす「夜のオフタイム」です。
ルールはノー・ルーティン
最初は香りでリラックスしようと、キャンドルやお香を暮らしに取り入れました。よく使うお香は、金木犀の香りがナチュラルで気にいっています。
部屋で焚くお香へのこだわりは、長さ。よくある細長い型ではなく、比較的短めなものを選びます。燃焼時間が長いと「寝落ちして、火事にならないかな?」と心配してしまい、さらに眠れなくなってしまう気がして。キャンドルも小さいものを集めています。
ほかには、チャイやお茶、ココアなどの温かい飲み物でホッとしたり、音楽を聴きながら散歩をすることで、気持ちの整理をしたり。
心地よく過ごしてマインドを整えることが目的なので、「これをやらないと眠れない!」と強迫観念を持たないよう、ルーティンにはしていません。その日その日に、やりたいことをやる。むしろ、それが唯一のルールかもしれません。
一日の終わりには「いいこと」を見つけて
母から勧められたのは、1日を振り返って、よかった出来事だけをノートに書き出す習慣。
コロナ禍で人と会う機会が減り、落ちこみがちだと電話で話したとき、
「いいことが見つからなかったり、何も書けなかったりした日はシールを貼ればいいから、気楽にやってごらん」
と言われ、その後すぐに母からシールも送られてきました。
書けなければシールを貼ればいい、というのが気楽で、言われるがままに始めてみたんです。
続けていくうちに「いいことだけ振り返って寝よう」と、気持ちがポジティブな方向に変化していきました。
「今日の自分」を受け入れる
もともと1つのことを考え込むタイプでしたが、夜をゆっくり過ごすようになって、少しずつ変化を感じています。以前よりは前向きになれた気がして、結論が出ない悩みには「まあいいか、今日は終わり!」と切り替えをしやすくなりました。
ただ、悩むこと自体を悪いものとも思っていないんです。昔はくよくよしがちな自分を「嫌だな」と思ったこともありましたが、そんな性格を受け入れられるようになってきたことも、変化の一つ。悩みも含めて「今日1日ちゃんと過ごせたね」と肯定することが、自分自身を受け入れることにつながっている気がしています。
モヤが晴れていくように
夜のオフタイムをつくることは、もやもやした視界が晴れるような感覚があります。
私にとってこの時間は、今日1日を「いい日だったな」と思うための儀式。どんな日でも、心配ごとがあったとしても、一旦ここで終わり、と区切りをつける。明日のことは考えず、今日を心地良く終わらせることにフォーカスしています。
忙しい生活のなかで起こる漠然とした心配や悩みが、好きなことをして過ごす時間によって、ほどけて見えやすくなる。ネガティブな感情も受けとめつつ、囚われすぎないために、この時間が必要なのだと思います。
仕事モードからパチっとスイッチを切るのではなく、ゆっくり自分自身に向きあっていく夜の時間。たとえ何もできなかった日でも、1日の終わりには「よかったな」と思える景色を自分でつくる。それが毎晩の、私のお気に入りのひとときとなっています。