次の暮らしのスタンダードをつくる手間ひまかけて不動産の価値を高めるアセットソリューション部|住まいのヒント

Housing Tips
暮らし再発見マガジン のくらし by ReBITA
住まいのヒント

次の暮らしのスタンダードをつくる
手間ひまかけて不動産の価値を高める
アセットソリューション部

目 次
  1. 1リビタが行う「アセットソリューション」とは
  2. 2多角的に捉えて、事業へ繋げる
  3. 3それは、リビタがやるべき物件なのか
  4. 4時代の大局を見据えながら課題を解決する
  5. 5あとがき

マンションや戸建てをはじめ、シェアハウスからライフスタイルホテル、シェアオフィスなど、幅広くリノベーション事業を手掛けるリビタ。不動産に関するさまざまな相談が寄せられる窓口であると同時に、いち早く不動産情報を収集し、社内の各部署と連携しながら ハードとソフトの両面における課題解決策を提案するのが「アセットソリューション部」です。リビタが大切にしている価値観や行動指針に沿いながらもクライアントの期待に応えるこの部署で、リビタの「顔」としても活躍する、梶田和輝さんにお話を伺いました。

リビタが行う「アセットソリューション」とは

-梶田さんはアセットソリューション部で主にアクイジション(※)の業務をされているそうですね。そもそもアセットソリューション部とは、どういった役割を担う部署なのでしょうか。

アセットソリューション部とは、リビタ全体での事業の窓口となって、川上で不動産情報を集めることをしています。「アクイジショングループ」と「マネジメントグループ」の2つに分かれており、事業企画を立てたり取得や活用という方法でリビタの事業に繋げていくことが、私の所属するアクイジショングループの主な役割となっていますね。一方、マネジメントグループは、設計・施工パートナーと協働しながら、リノベーション等により不動産の価値を高め、収益性を向上させる推進役を担っています。

運営が紐づくような事業となれば、企画・運営を行う他部署と連携を図ることが必要になってきます。シェアオフィス「12」のオフィス事業部、ライフスタイルホテル「THE SHARE HOTELS」のホテル事業部、シェア型賃貸住宅「シェアプレイス」のプロパティマネジメント部、マンション一棟を共用部までリノベーションして提供する「一棟まるごとリノベーション」のレジデンシャル事業部、まちのシェアスペースの地域連携事業部など、リビタの各ブランドそれぞれの担当者と関わりながら推進していきます。
※アクイジション:事業用不動産の取得、仕入れのこと

―アセットソリューション部が発足した経緯をお聞かせください。

2016年にできた法人営業部という部署がはじまりとなります。当時、不動産活用提案は運営部門、不動産取得は分譲部門と、相談内容に応じて担当する部門が異なっていました。そんななか、不動産取得チームが扱う物件の中で、取得を伴わないが活用に活かせる情報があったり、またその逆もあったりと部門横断で考えるべき情報が増えていました。情報の見逃しが起きないよう、せっかくリビタに期待して相談いただいた不動産オーナー様などからの情報に対して、しっかりと課題解決できる体制づくりを図ろうとしたことが始まりです。

リビタが不動産を買ったあるいは借りた後、将来的に売却するいわゆる「収益物件」と呼ばれるような不動産も多く扱うようになってきたことで、スピード感を上げるためにも、プロジェクトマネジメントを行う部隊が併設されていた方がよいという話になり、2022年4月からアセットソリューション部という組織になったんです。

PATH 日本橋人形町

-リビタで行う「アセットソリューション」とは、つまりどのようなことなのでしょうか。

リビタが「企画」することで価値を高めていくことです。まず、この部署では「きちんと考え込んで、手間ひまをかけて不動産の価値を伸ばす」ということが使命であると考えています。企画時は、我々がこれまで提供してきた場の運営経験なども元に、ターゲットを想像して「この人にこういう暮らしをしていただきたい」ということを徹底的に考え、ソリューションを提案します。なぜなら、不動産の価値を高めるためには、建物を管理する会社など外部ともうまく連携しながら、資産としての魅力をきちんとキープ、もしくは上げていくことが必要だと考えているからです。実際に、不動産情報を取り扱っている会社や不動産オーナー様からは、リビタのそういった価値観に期待していただけていると感じています。

多角的に捉えて、事業へ繋げる

-リビタでは不動産を所有するケースもあれば、企画だけするというケースもあるんですか。

買う、借りる、企画提案だけする、あるいは借りて運営まで行うなど、本当にいろいろですね。企画提案だけの場合は他の部署へ繋ぎますが、複数の部署連携が必要であったり、投資が発生するような案件などは我々の事業部で扱っていくことが多いかも知れません。

-具体的にどういったお客様がいらっしゃるんでしょうか。

普段やり取りしているのは不動産仲介業者や信託銀行が多いですが、課題感をもったお客様となると本当にまちまちでして。我々のような不動産会社もいますし、鉄道会社なども含みます。

案件でいうと、大手デベロッパーが取得した物件や、個人資産管理会社と呼ばれるような富裕層の方々が持っている物件、他には事業法人といって不動産業が本業ではないメーカーや商社、インフラ通信系の官民の間にあるような会社が持っている土地をどう活用したらよいかといった相談をいただくケースも多いですね。

-さまざまな相談をいただくなかで、どのような流れから事業になっていくのでしょうか。

まずご相談いただいた内容をもとに、実際に現地を見に行き、最適なソリューションを考えると同時に、推進体制を考えることが多いです。大抵の場合は、初めにある程度どこの部署と一緒にやっていくか、我々の部内だけで完結できそうか、といった判断もしています。

例えば、シェアオフィスに転用することが適切だと考えれば、早いタイミングでオフィス事業部に声をかけ、意見を聞きながら進めていくなど、初期段階で並走していきます。
賃貸マンションをそのまま価値を高めていくケースや、区分登記のうえリノベーションを行って一戸ずつ分譲していく方が価値が伸びそうなケースは、事業期間が長いこともあり、最後まで各部署と一緒に推進するケースもあります。

-そのためには、自分の部署のことはもちろん、リビタの事業全体を細かい部分まで把握しておく必要がありますね。

はい。「シェアオフィスの入居状況って今どうですか」とか「シェアスペースの人の入り具合はどうですか」とか「ホテルの稼働はどうですか」みたいなことも当たり前に聞かれるので、それを常に把握していることが信頼に繋がると考えています。我々はリビタが行う事業全体の窓口でもありますから、全事業をきちんと知っておくことはこの部署に入ったときから大きな役割だと思っていました。そのひとつとしてリビタのオウンドメディアである「のくらし」をきちんと読んだり、物件に実際に足を運ぶといったことも欠かさず行っていますね。

最近では、どういった方が利用しているのかを知るために「BUKATSUDO」で仕事をしたり、新宿三丁目にあるシェアオフィス「12 SHINJUKU3CHOME」でリモートワークをしたりしています。また、レジデンシャル事業部が作る区分再販物件の内覧会や各部署が行っているイベントなどにも足を運んで、プロジェクト推進担当者に直接話を聞き、「こういう思いでやっているんだ」という情緒的な部分を理解することも、非常に大事にしています。

不動産ありきの部署ですが、リビタを知ってもらい、その窓口として情報を仕入れ、事業に繋げていく。そういう意味では、広報業務とも似ている部分はあるかもしれないですね。

BUKATSUDO
12 SHINJUKU3CHOME

それは、リビタがやるべき物件なのか

-リビタにはRSS(ReBITA Sustainability Standard-くらしのスタンダード-)という価値観が事業推進の軸にあるということですが、窓口として判断するにあたってどのくらい重視しているのでしょうか。

RSSもそうですし、リビタが大事にしているミッション・ビジョン・バリューといった軸は会議の場でも常に出てきます。「なぜリビタがやるのか」「リビタがやる意味はあるか」と話し合われるシーンは多くて、それはえり好みしているわけではなく、やらないことを決めるのも大事だと思っていて。自分たちが集める不動産情報だけでも、年間に部署全体で数千件あるなかで、そういった行動指針に沿っているかどうかは非常に重視しています。

不動産取得のシーンでは、特にリビタならではのイノベーションを生むことに重きを置いているので、「我々がきちんと手間ひまをかけて作っていくことによって価値を伸ばしていけるか」、「それを評価してもらえるようなマーケットがあるのか」ということも重視していますね。

提案する案件の中でも、街と地域に貢献する仕組みや、暮らしを楽しむといったリビタが大切にしている価値観を盛り込んだ企画にすることで、不動産オーナー様や入居いただくお客様がそこに共感してくださり、経済的な価値としても評価してくださっています。根本的な満足感をつくることは、建物を持続させますし、お互いにとってより良い循環が生まれる物件になると考えています。

時代の大局を見据えながら課題を解決する

-リビタでこそやる意味があると感じられた事例を教えていただけますか。

直近では、高輪台と新富町でサービスアパートメント(※)を賃貸住宅にコンバージョンして販売した物件がありました。元々、サービスアパートメントは一般の賃貸住宅に比べると、高付加価値で利回りも高いビジネスモデルなんですが、それは市況が良い時の話であって、コロナが流行し、人の動きがなくなった状況においては、稼働が非常に厳しくなってしまいました。オーナー様からすれば、収入ゼロに近い状況となっているなかで「売りたい」「活用したい」という想いを当時ご相談いただいたんです。

都心のマーケットに精通しているリビタだからこそ、この物件を取得して、きちんとバリューアップさせることでお客様にご入居いただくことができると考え、賃貸住宅にすることを提案しました。最終的に、リノベーションすることによって賃貸住宅としてきちんと再生された状態にできたことが、リビタでこそやる意味を表しており、リビタとしては「新しいビジネスモデルにチャレンジできた」とも感じています。私個人の感覚としては、やはり社会の大局、時代の大局をきちんと見ながら不動産屋として課題解決をしていく「軸」が必要だと思っています。
※サービスアパートメント:ホテルのように短期から滞在することができる家具家電の揃った住居

PATH 白金台2丁目

-「時代を読む」というのは、梶田さん個人として、どのようなことを意識していますか。

インプットを増やすしかないと思って、いろんな人と会話するようにしています。もちろん、新聞や経済誌も読みますけど、銀行員の方や、不動産仲介会社の方とか、不動産オーナー様と話すシチュエーションの中で、インプットを蓄積していくことの延長にしかイノベーションはないと思います。ただ一方で、これまでの文脈や自分たちが蓄積してきたノウハウや実績の中にもヒントがあるとも思っています。誰も思いつかないような奇抜なアイディアを発信していくというよりは、19年目になったリビタがこれまでずっと蓄積してきたことをリバイスしたり、アレンジしたりすることで、新しい事業になっていくとも思いますし、そういう考え方をこれからも大事にしたいですね。

-時代のちょっと先を読んで、これまでの経験や実績に上乗せすることで、今の事業が成り立っているんですね。梶田さんが考える、今後の展望についてお聞かせください。

リビタに期待いただいていることと、実際に自分たちができることって、乖離してるところがあるなと感じます。できることの方が少ないんですが、この期待をきちんと拾っていけるような組織になりたいなと思っています。

やはりリビタの価値は、プロセスやコミュニケーションを惜しまない人が多いことだと思うんです。我々がやってきていることって、経済的なリターンとしてはまだ適切な形になっていないと思っていて。これを形にしていく意味でも、例えば、運営事業を伴った物件取得にしてみるなどアレンジさせることで、新しい事業も生み出していきたいと思っています。手間ひまかけない方法じゃなくて、「手間ひまをかける方法」で、みんなにとって嬉しい仕組みを作っていきたいですね。

あとがき

リビタがこれまでに培ってきたノウハウや実績を時代に合わせてアレンジし、物件ごとに最適な提案をし続けてきたことが、梶田さんのお話しから分かりました。この考え方は、梶田さん自身の考えであると同時に、アセットソリューション部であり、リビタそのものなんだろうとも感じました。またインタビュー中にあった「手間ひま」について、梶田さんはこのように話します。

「効率化していく上では、運営を切り離した方がよい場面は多いと思います。しかし我々は、ソリューション事例となりうる運営物件はほとんどを自社で内包しているんです。そこで得た知見を企画に活かし、お客様の声をきちんと拾って、経済的価値に変換することが我々の仕事だと思っています。それが『手間ひま』なのではないでしょうか」

あえて効率化だけに進まず、手間ひまをかけ、同時に収益化も図りたい――。この想いは、これからも引き継がれていくものなのでしょう。

related SERVICE
関連のサービス
EVENT & NEWS
イベント&ニュース

ReBITA SERVICE
リビタのサービス

▲ 次の暮らしのスタンダードをつくる手間ひまかけて不動産の価値を高めるアセットソリューション部|住まいのヒント