フェイバリット・ビュー 私のくらし#13 カメラ|住まいのヒント

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住まいのヒント

フェイバリット・ビュー 私のくらし
#13 カメラ

目 次
  1. 1気がつけば、その手に
  2. 2カメラを持たないカメラマン
  3. 3ファインダー越しの暮らし
  4. 4人とつながるツール
  5. 5お気に入りを切り取って

気づいたら集めているもの。見かけると、ついつい手が出てしまうもの。
どんなに忙しくても、大事にしたい時間。自分らしくいるために、欠かせない瞬間。
そんな、日々を彩る「もの」やホットな「こと」がつくりだす、お気にいりの景色=favorite view。
くらしにフェイバリット・ビューをもたらす「もの」や「こと」を、くらしをリノベーションする、リビタの社員がご紹介します。

気がつけば、その手に

今回リビタ社員・南がご紹介するのは「カメラ」です。

出会いは中学生のとき。伯父が亡くなり、形見分けでFUJIFILMのカメラを受け継ぎました。親族の集まりで写真を撮っていた伯父の姿が記憶にあって、自然とカメラを選んでいたんです。
伯父のカメラはいわゆるコンパクトデジタルカメラと呼ばれる、操作がシンプルなもの。その当時も、家族のスナップをたまに撮ったりはしていましたが、大人になってさらに本格的なカメラにのめりこむとは思っていませんでした。

その後、大学生になりマーケティング留学のためカンボジアへ。
「初めての海外を記録に残そう!」と、買ったばかりの最新型iPhoneとジンバル(手ブレ補正機能を持つ機材)を活用し、とにかく動画を撮って。撮影素材は編集して1本の作品に仕上げました。
その様子を見ていた留学仲間から「カメラマンとして手伝ってほしい」と彼のプロジェクトに誘われて、本腰を入れてカメラを手にすることになります。

カメラを持たないカメラマン

カメラマン活動を始めた当初の屋号は「No camera cameraman」。カメラは持たず、仕事道具はSDカードのみ。毎回知人のカメラを借りて撮影していました。

当時は学生で、上等のカメラを買う余裕がなかったのも理由ですが、借りることで「活かし、貢献する」という感覚もありました。周囲に「親譲りのカメラが使いこなせない」「買ったけど上手に撮れない」という人も多く、貸してくれた相手に「こんな風に撮れるんだ」と喜ばれることにも意義を感じていたんです。おこがましいですが、眠っているカメラの魅力を引き出せたらいいな、と。

南さん撮影の写真
南さん撮影した写真
南さん撮影の写真

もちろん、自分だけのカメラを持ちたい気持ちはあって。だから「No camera cameraman」の最終目標は、活動の利益でカメラを買うことでした。そして、ついに購入したのがFUJIFILMのX-S10。多様な機種のカメラを使うなかで、FUJIFILMが写す色合いが一番好きだったんです。
後になって、伯父から受け継いだカメラと同じメーカーだと気づきました。無意識に影響を受けていたのかもしれません。

ファインダー越しの暮らし

休日、近所を散歩するときもカメラと一緒です。
目線を上げたり腰を低くしたり、あちこちに目をむけるから、普段は見過ごす電柱の落書きや公園の鳩、路地の雰囲気に気づけるんですよね。いつも通勤中に見る風景がファインダー越しだとまた違って、社会人として頑張る毎日から、等身大の自分に戻る感覚があります。

南さん提供写真
南さん提供写真

写真家の友人と小豆島を旅したときも、お互いに写真を撮り合うのがとても楽しくて。きれいな景色を見るだけでも素晴らしいけれど、カメラがあればより楽しくなると実感しました。なにげなく通り過ぎる場所も、シャッターを切ると思い出のシーンとして深く心に残る。喜びの濃度が濃くなる気がします。

毎朝のコーヒーも、レンズを通すと素敵に見えてきたりして。きっと、一家に一台カメラがあると暮らしに彩りが増えるはず。手軽に楽しめる「写ルンです」などもおすすめです。

人とつながるツール

被写体の方が喜んでくださることも、カメラを持つ喜びのひとつ。
撮影した方から「もう一度撮ってください」とリピートしてもらえるのもうれしいし、そこからのご縁で、お子様の記念写真や結婚式のカメラマンを依頼されることも。成長の記録や人生のワンシーン、貴重な瞬間を託されたと思うと誇らしく、カメラによって生まれたつながりを感じます。

ありのままの姿を写したいから、よくあるカメラを持つと人が変わって「いいっすね~!」と、カメラマンモードになることはしません。素顔の魅力を引き出して、被写体そのものを肯定するような写真が撮りたい。だから、まず自分が普段どおりでいるようにしています。
「あなたは写真を撮るとき、空気や風みたいだね」と言われたことがあって、それは本当にうれしい言葉でした。

お気に入りを切り取って

カメラに夢中になったのは、やはり人との関わりが大きいと思います。
最初の出会いも伯父との思い出があったからですし、深く携わることになったのも、友人の誘いを受けたから。撮影でも、目の前に相手がいて、心が動くからシャッターを切る。自分1人では、ここまでカメラに魅かれなかったかもしれません。

ファインダーをのぞき、素敵な瞬間を切り取れたときが最も幸せです。
特に気に入っているのは、友人が笑い合っているのを後ろから撮った写真。空の色や2人の雰囲気、すべてがこのタイミングでしか撮れなかったと思います。

思いを言葉にするのが苦手なのですが、カメラを通してなら「この瞬間が素晴らしい」という気持ちを表現することができます。そしてその写真が、撮った相手や、誰かのお気に入りの景色になったとしたら、そんなうれしいことはありません。

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