内外をつなぐ土間と戸建て暮らし
- 所在地:
- 神奈川県川崎市
- 居住者構成:
- ご夫婦+猫
- 専有面積:
- 104.61㎡
- 間取り:
- 2LDK
- 既存建物竣工年:
- 1989年
- リノベーション竣工年:
- 2019年
玄関を入ると広い土間とそこから連続するフリースペース。本棚や下足棚など必要な収納は、追加リノベーションで造作した。1階には個室が2つあり、寝室とウォークインクローゼットとして使っている。ウォークインクローゼットはゲストルームとしても活用できる。2階は全体が連続する一室空間のLDKと水まわり。
Nさんご夫妻が暮らす「東有馬の家」は、HOWS Renovationで販売されていた戸建てリノベーション。前面道路から3mほど高い敷地に建ち、玄関から続く土間から、気持ちよく視線が抜けます。ミュージアムの設計などを手掛ける建築家のご主人とグラフィックデザイナーの奥さま。こだわりが強いからこそ、リノベーション済の物件を選んだというお二人に、この家の魅力や暮らしぶりについてお聞きしました。
将来への可能性を感じさせる 中間領域のような土間
――Nさんご夫妻は、「東有馬の家」のどんなところが気に入って購入を決めたのですか?
奥さま 最初に見学したときに、窓からふんだんに入る自然光と風の抜け、2階の天井の開放感などに感激して、気持ちよく暮らせるイメージがわきました。夫婦ともに同じくらいのエネルギーで仕事をしていて、土日も家で仕事をすることが多いのですが、この家なら空間としても仕事がしやすそうです。アイデアや発想などにもよい影響を与えてくれて、いいデザインができそうだなと思いました。
ご主人 私はもともとミニマムなデザインが好きで、ラフな雰囲気はそれほど興味がなかったんです。この家はラフさをもちながらも清潔感があり、すごく居心地がよかった。住みながら手を加えられそうな余白があるのもいいなと思いました。過剰なデザインはされていないのですが、天井の面を部分的に白くするなど、絶妙なバランスで構成されています。排気ダクトや配管などが隠されているなど、細かいところに配慮されたデザインです。ラーチ合板などの木目を活かした仕上げはあまり馴染みがなかった分、新しい発見であり、新鮮で面白いなと感じました。
――とくに好きな場所や空間などはありますか?
奥さま 一階のダイナミックな土間とコンクリートのベンチ、そこから連続するフリースペース、2階へつながる吹き抜けですね。窓が大きく開放感があるのに、外からの目線は気になりません。2階のソファに座ったときに、屋外と室内が心地よくつながり、景色が遠くのほうまで見える感じもすごく気に入っています。居場所によって光、居心地、景色の見え方に変化があって、暮らしていて飽きないです。2階の小さな土間は猫のご飯スペースになっています。陽だまりがたくさんあるからか、猫ものんびりと幸せそうにしています。
ご主人 私も1階の土間が気に入っています。初めて見たときに、植物を飾って楽しむ場所にしたいなとイメージが浮かんできました。コロナ禍が落ち着いたら、バーベキューなどもやりたいなと思っています。1階の土間は、内と外をつなぐ中間領域のような場所で、オープンな雰囲気に可能性を感じますね。具体的にはなっていませんが、将来的にこの土間を活用して、何かできそうだなという予感もあります。
奥さま 休暇中に1階の土間にポスターのための撮影セットをつくって、休み明けに写真家の方に来てもらって、ここで撮影したこともあるんですよ。今後も仕事にも活かしながら、いろいろな使い方ができそうだと感じています。
追加リノベーションでつくる 暮らし方にフィットする収納
――入居前の追加リノベーションについて、手を加えたところを教えてください。
ご主人 主に収納の造作になります。1階のフリースペースの本棚、下足棚、ウォークインクローゼットの棚、キッチンの壁側の食器棚とカウンター、洗濯機の上の棚は、自分で設計して造作してもらいました。所有している本が多いので、できるだけ収納量は欲しかったのですが、圧迫感が出るかもしれないと感じ、3Dでパースをつくってシミュレーション。ボリューム感などにも気をつけながら、高さを決めました。結果的に天井に届く高さの本棚になりましたが、全部の棚が本で埋まらない程度に余白もあり、よいバランスで仕上がったと思います。縦の仕切りは手前にスペースを設け、使いやすく見た目も軽やかなデザインを意識しました。素材や仕上げ、色などは、もともとつくり付けられていたキッチンに合わせて、できるだけシンプルに、空間に馴染むように考えました。
奥さま キッチンの収納は上部がオープンな棚で、カウンター下は引き出し式になっています。収納については、使い勝手などを考え、私からボリュームや段数などをリクエストしました。ウォークインクローゼットは、壁2面を使ってL字につくり付け、カーテンで仕切るスタイルです。この個室をゲストルームとして使う可能性も考え、壁側に集約してできるだけ空間は空けておくことにしました。
――自宅で仕事をされることも多いとのことですが、1階のワークスペースで作業されるのですか?
ご主人 昨年3月末からしばらくは、二人ともほとんど家で仕事をしていたのですが、私が1階で、妻が2階で作業することが多かったです。私はオンライン会議が多くて、上下で分かれて使っていましたね。物理的な距離感も取れるし、1階でも2階でも気分によっていろいろな場所で仕事ができて気に入っています。
奥さま 普段は家にいる時間があまりないのですが、リモートワーク中は、じっくりとこの家と向き合うよい機会になったと感じています。朝昼晩と料理をつくって、ゆったりと流れる時間を味わうことができました。
ご主人 1階はオフィスのように使うこともできるので、年齢を重ねた将来に、自宅兼オフィスとしてここで仕事をしているかもしれないねとも話しています。リモートワーク中は、そのシミュレーションになったかなと思います。
理想の住まいとの出会い、 戸建てリノベーションという選択
――最初からリノベーション済の戸建てを希望されて、物件を探していたのですか?
ご主人 実は家を買うことは全く考えていなかったのです。前に住んでいた賃貸マンションを退去することになり、新居を探していたのですが、賃貸だとなかなか良いところが見つからず、購入するという選択肢が出てきて、たまたま見つけたのがこの物件でした。
奥さま 二人とも都心に事務所を構え、かなり多忙なので、最初は都内に住むことが優先事項でした。WEBで物件を検索しているときに、「東有馬の家」の写真がふと目に止まって、気になるので見学することに。都心からは少し距離があり、現実的には難しいかなと感じていたのですが、その条件を覆すほど魅力的で、ここに住みたいと思いました。
――ご自身で設計して、中古物件をリノベーションするということも選択肢としてはあったのでしょうか?
ご主人 ゼロからリノベーションをするのも面白いと思います。でも私たちは二人ともこだわりが強いので、すごく時間と労力がかかってしまうのではという気持ちがありました。
奥さま 仕事が忙しいので、果たしてその合間に取り組めるかなという懸念もありましたね。家を買う計画があって、準備をしてきていれば違ったのでしょうが、私たちは購入することは全く考えていなかったので、話し合いもしていません。それらを飛び越えて、時間も労力もかけずに好きな空間に住めるというのはありがたいですね。
ご主人 「東有馬の家」を設計したアラキ+ササキアーキテクツは、よく知っていました。さまざまな建築家とコラボレーションして、家づくりのプロジェクトを進めている、リビタの実績やデザインへの信頼感も大きかったです。構造や耐震についても調査され、規準が満たされているという安心感もありました。
――これから手を加えていきたいところはありますか?
奥さま 庭や外構、ガレージなどの外まわりです。庭のある家に住んだのは初めてで、最初の1年は、夏に雑草が茂ったり、秋に落ち葉が積もったりすることに対応するのに精一杯。これも戸建ての暮らしならではですね。今後は、低木やハーブなどを自然な感じで植えていければと思っています。急ぐことなく、じっくりと味わいながら楽しみたいですね。
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