いつも一緒、ときどきひとり
くつろぎのリビングのつくり方
「くつろげるリビングってどんなのだろう?」と問いかけると、返ってくる返事はひとりひとり違います。「家族みんなでゆったりしたい」という人もいれば「ひとりで静かに本を読みたい」という人も。「どんなリビングが正解?」と悩んだら、まずはリビングに対する考えをフラットにしましょう。間仕切りのないリビングや、寝室のプライベートリビング、趣味を楽しむセカンドリビング。さまざまなタイプのルームをご紹介します。
リビングの境界線を曖昧に
大きなルーフバルコニーのあるマンションに、ふたり暮らしのご夫婦。まるでワンルームのような住まいにリノベーションしています。
LDKとベッドルームをゆるやかに仕切り、リビングの境界線を曖昧に。実面積以上に伸びやかで、開放的に過ごせるようにしています。邸内の中心にはコーナーラウンジをレイアウト。L字型のソファや羽目板張りの壁で、リラックスできる雰囲気をつくっています。お互いに話したくなったら、なんとなくここに集まるハブ的な役割です。
それまでの時間を思い思いに過ごしていたふたりの距離がぐっと近ずくように、コンパクトにまとめたこともポイントです。
ベッドルームには「自分だけ」のプライベートリビング
ベッドルームは「寝る場所」じゃなく、「ひとりの時間を過ごす場所」。そんな視点から、ご夫婦それぞれにベッドルームを設けました。どちらも南向きの日当たりのよい場所。窓の外には緑が広がり、開放感も抜群です。
ベッドルームは、ベッドだけでなくソファセットやデスクを置ける贅沢な広さにしています。ひとりで音楽を聴いたり、仕事をしたり、日記を書いたり。静かに集中できるけれど、隣のリビングで過ごす家族の気配を感じられるため、一緒に過ごしているような安心感に包まれます。
「プライベートな時間を大切にしたい」という大人のご夫婦にオススメしたいリビングです。
2つのリビング
「リビングでは静かに音楽を聴きたい」「いやいや、大きな音で映画を観たい」と家族で意見が別れることはありませんか? ときどき「やりたいこと」が違ってくるご夫婦なら、リビングを2つ設けてはいかがでしょう。
こちらのお住まいは寝室を中心に、左右にリビングを配置しました。メインのLDKはリラックスする空間、もうひとつのリビングは趣味をたのしむ空間です。玄関とひと続きの土間だから、自転車のメンテナンスや書道などで汚れても気にしない。多趣味なご夫婦にぴったりなアクティブなリビングです。
モルタルの床や板張りの壁、コンクリート打ち放しの天井など、あえてメインのリビングとは違ったインテリアに。「絶対にマスト」な空間ではないけれど、暮らしにとっておきのアクセントを添えてくれます。
お宅拝見「有機と無機の心地よいリズム」より
▶︎ https://nokurashi.com/ownersvoice/2635
土間のセカンドリビング
ひとり暮らしだとしても、メリハリをつけるためにセカンドリビングをつくってみてもよいでしょう。こちらのお住まいはオープンキッチンを中心に、左右に2つのリビングをレイアウトしました。
土間のセカンドリビングには、靴や自転車やプロジェクタスクリーンを置いています。コンクリート打放しの躯体はラフで無骨でくつろいだイメージ。玄関のような、あるいは趣味をたのしむ秘密のベースメントのような、多様性のあるリビングです。
ポイントは、それぞれをあえて壁で仕切らなかったこと。55㎡のコンパクトな空間でも伸びやかに過ごせるように工夫しました。「好きなものに囲まれて暮らしたい」という願いを叶えたセカンドリビングです。
リビングを邪魔しない生活動線
100㎡のマンションに4人で暮らすご一家。グレーを基調とした明るいリビングには、いつも笑い声が響きます。家族やゲストが集まる居心地のよいリビングです。
リビングの心地よさをキープするには、「邪魔しない」生活動線が大切。そこでリノベーションでは、メインの玄関~LDK~個室という動線に加え、玄関~WIC(ウォークインクローゼット)~個室というプライベートな動線を設けました。通路を兼ねた洗面室は、その2つの動線をつないでいます。
20代のお子さま達は、ご夫婦とは暮らしのリズムが少し違っているようです。回遊できる間取りは、そうしたライフスタイルの違いをカバー。たとえばリビングにゲストがいるときは、お子さまたちは気兼ねせずシャワーを浴びたり、外出したりできるようになります。
リビングの心地よさを守るためには、かならず生活動線も見直しましょう。
お宅拝見「美しい収納と色選びのコツ」より
▶︎ https://nokurashi.com/ownersvoice/2569
リビングのつくり方のまとめ
「静かに過ごしたいな」と思うときもあれば、「大きな音で音楽を聴きたい」と思う時もあるでしょう。「くつろげるリビング」は人それぞれ違っているし、そのときの気分でも変わってしまいます。
だからこそ、「ちょうどよい距離感」を保てるリビングづくりが大切なのです。
リビングにコーナーラウンジをつくってみたり、寝室にリビングをつくってみたり。メインのリビングの他にもうひとつ、セカンドリビングをつくる方法も。「どのように過ごしたいか」によって、理想のリビングのかたちは違います。
いずれにしても気分によって使い分けられるリビングは、家で過ごす時間をもっとたのしく、ほっとさせてくれるはず。これからリノベーションをするなら、私たちと一緒に「自分にとって本当に心地よいリビング」を考えてみませんか?