美しい収納と色選びのコツ
- 所在地:
- 東京都新宿区
- 居住者構成:
- 夫婦+子ども2人
- 専有面積:
- 95㎡
- 間取り:
- 3LDK
- 既存建物竣工年:
- 2002年
- リノベーション竣工年:
- 2015年
玄関の正面のドアは、22帖のLDKへとつながる。LDKの奥には通路があり、寝室、娘さん、息子さんの個室が並ぶ。玄関の右手には洗面室・浴室、寝室へと続く通路があり、壁面にはご主人のウォークインクローゼットが設えられている。洗面室・浴室は2つの回遊動線が交わる重要な動線の一つになっており、LDKを通らずに、個室から洗面室・浴室、玄関へとアクセスできるプランとなっている。
ライフオーガナイザーの瑞穂まきさんは、ご主人と20代の娘さん、息子さんとの4人家族。15年前に購入した新築一戸建てから、一棟まるごとリノベーションの物件に住み替えました。設計者とゼロからつくるフルリノベーションにより、ご自身の理想とするシックでエレガントな空間と、色彩・収納計画を実現。暮らしを最適化するプロフェッショナルでもある瑞穂さんの経験と知識、センスあふれる住まいづくりについて聞きました。
来客時も家族がストレスフリーに
暮らせる3本の動線
ーー明るく広くすっきりとした玄関の先にはクラシカルなデザインのドア。開けると驚きの広さのLDKが広がります。LDKの面積は、22帖以上あるんですね。
瑞穂さん:リビングの先に広いルーフバルコニーがあるので、より広く感じるのだと思います。我が家は4人家族で、20代の娘と息子がいて、それぞれの個室が必要。100㎡以上で探していました。この物件は100㎡には少し足りないのですが、リビングとバルコニーがつながっているような一体感があることで、面積以上の広がりを感じられると思います。プランについては、個室はミニマムに、リビングを最大限に広くし、家族が自然に集まり、リラックスできる雰囲気にすることにこだわりました。キッチンはアイランド型で、生活感が出ないようにパントリーを設け、冷蔵庫もその中に収めています。
ーー玄関からの動線が2つに分かれていますね。一つは先ほどのLDKへと続く動線。もう一つはどこにつながっていますか?
瑞穂さん:洗面室・浴室や寝室へとつながる通路であり、夫が使っているウォークインクローゼットもあります。また、リビングからも、洗面室・浴室や各個室にアクセスする通路があり、洗面室自体が2つの通路をつなぐ動線になっています。3本の動線があるので、リビングを通らずに洗面室・浴室を使ったり、玄関から出入りできるんです。実は今、息子がシャワーを使っているのですが、現状のような来客時でも、お客さまと顔を合わせずに、身支度や外出ができます。このように回遊性があり、家族のライフスタイルに合った動線をつくることも希望していました。
瑞穂さん:というのも、私はライフオーガナイザーという仕事をしていて、自宅にクライアントをお迎えすることも多いので、いつでも来客に対応できる心地よい空間をつくることも大切だと考えていたんです。複数の動線を持つこのプランなら、来客が多くても家族もストレスなく生活できます。
ーーライフオーガナイザーとはどんなお仕事ですか?
瑞穂さん:家の片付けなどをコンサルティングしながら、暮らしを心地よく最適化するお手伝いをします。まず思考の整理からはじめ、その人にとって使いやすい収納や整理の仕方を提案するのです。我が家のケースを見ても、夫と私では使いやすい収納が違います。整理整頓が苦手な夫のためには、動線に合わせ、玄関からつながるオープンなウォークインクローゼットをつくりました。帰宅したらすぐに着替え、うがいと手洗いをしてからリビングに入るので、物がリビングに持ち込まれず、片付いた状態がキープされるんです。
一方、私のクローゼットは寝室にあり、扉も造作しました。私は物を定位置にしまうことが苦にならないタイプですし、たくさんの色が混在しているのが視界に入ると落ち着かないんです。クローゼットの中は、パンツ、シャツ、セーター、ジャケット、アウターなどカテゴリーごとに分けて、さらに色別に分け、ほとんどの衣類をハンガーに吊り下げて収納しています。パンツから先に選ぶので、一番出し入れしやすい場所にしまうなど、使い方に合わせて収納計画を考えました。
赤みのあるグレーに、
グリーンやタイル、壁紙でアクセント
ーー空間全体のテイストやトーンも統一されていて、とても居心地がよく感じます。
瑞穂さん:「シックでエレガントだけど、ちょっとナチュラル」というテーマで空間をつくりたいと考えました。そのテーマに沿ってカラーを選んでいます。ベースとなっているのはグレーです。以前の住まいはベースが白だったのですが、ややカジュアルすぎると感じていて、大人っぽいテイストにしたかったのです。でもエレガントすぎると緊張感がある空間になってしまうため、居心地をよくするためにナチュラルな雰囲気も加えたいと思いました。
ーー瑞穂さんはカラーコンサルティングの仕事もされているそうですね。仕上げの色の選び方について、こだわったところはありますか?
瑞穂さん:グレーといってもものすごくたくさんの種類があるんです。空間の基調となるグレーは、私のパーソナルカラーに合わせて選んでいます。一人一人の肌や瞳、髪の色などによって、似合う色があるので、空間もパーソナルカラーにマッチしているほうが、居心地がよくなります。まずベースはイエロー系とブルー系に分かれるのですが、私はブルー系で赤みを加えた色のほうが合うので、壁紙の色などは少し赤みのあるグレーを選びました。キッチンの天板やドアの塗装、床なども少しだけ赤の要素が入っている色に統一しています。クールな印象があるグレーですが、赤みが入っていると温かみのある感じになり、居心地がよくなるんです。
ーーリビングの壁の一面は石質タイル、寝室の壁の一面はボタニカル柄の壁紙が貼られ、効果的なアクセントになっていますね。
瑞穂さん:ディテールの仕上げは、雑誌などから好きな空間の写真を集め、スクラップをつくっていたので、その中にあったイメージを参考にしています。石質タイルは柔らかさのある有機的な質感で、ピッチもランダムなものを選びました。リビングが整いすぎるとモダンになりすぎるので、遊びの要素を入れてバランスを取れればと思いました。
寝室は最小限の面積でサイドテーブルなどは置けないので、壁の厚みを利用し、携帯電話や読みかけの本が置けるようなニッチをつくってもらいました。ボタニカル柄の壁紙はそのニッチの枠の色に合わせて選びました。
雑誌の切り抜きのスクラップブックは、住み替え前から趣味的につくっていました。スクラップブックのおかげで、理想とするイメージや色を明確に伝えることができ、素材選びがスムーズに進んだと思います。
思考の整理からはじめるリノベは、
ライフオーガナイズと似ている
ーー以前は、都内の一戸建てにお住まいだったとのこと。なぜ、中古マンションリノベーションによる住み替えをしようと思われたのですか?
瑞穂さん:15年前に新築で購入した一戸建てに住んでいて、とても気に入っていました。数年前にリフォームも経験。住み替えるつもりはなかったのですが、周辺で道路拡張の工事がはじまって、振動と騒音に困っていました。今後も数年間は工事が続くし、住み替えるのもありかなと、軽い気持ちでマンションを探しはじめたのです。しかし、100㎡以上となると選択肢は少なく、タワーマンションもしくは、ヴィンテージマンションになってしまう。揺れや振動などに過敏になっていたため、耐震性が高い低層のマンションという条件も譲れません。
諦めかけていた時に、夫がたまたまこの物件の前を通りかかり、置いてあったチラシを家に持ち帰ってくれました。そのチラシのデザインや写真などが素敵だったので見学したくなり、一目で気に入って即決。一棟まるごとリノベーションで、エントランスや共用部が美しく整えられていたことや、フルリノベーションできることも魅力でした。ライフオーガナイザー・カラーコンサルタントとして、心地よい空間づくり、色彩計画、収納計画などを、自分の理想通りに形にできたことは、貴重な経験となりました。また、この空間を拠点としてライフスタイルを発信していくことも、今後の活動につながっていくと感じています。
ーーリビタのサービスを利用してみていかがでしたか?
瑞穂さん:最近ではリノベーションは一般的になってきていますが、コンサルタントがサポートしてくれる住まいづくりは新しいサービスのあり方だと感じました。設計者のコーディネイトをはじめ、プロフェッショナルの目線によるさまざまな提案、知識の集積による恩恵などを受けることができたと思います。
最初に希望をすべてお伝えし、そこからプランを提案していただき、私たち家族がどんな空間でどんな暮らしを希望しているか、思考を整理することができました。そのプロセスは、ライフオーガナイズと似ていて、私にはフィットしましたね。分からないことはすぐに相談できましたし、私の希望を実現する方法をともに考えていただいた場面も多かったです。リビタのコンサルタントの森本さんと設計者の山田悦子さんは、家づくりのパートナーとして心強い存在だったなと感じています。
”こんな暮らしがしたい”というお客様の頭の中の憧れをカタチにする、リノベーションワンストップサービス。専属のコンサルタントが、資金計画からローンのご相談、物件探し、設計、施工、アクター対応まで一括サポート。理想の暮らしを叶える住まいを提案、具現化しています。
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