コの字の壁と土間と植物との暮らし|お宅拝見

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コの字の壁と土間と植物との暮らし

目 次
  1. 1最低限の間仕切りで暮らす。20代のリノベーション
  2. 2南側の広いバルコニーや土間で、増え続ける植物を愛でる暮らし
  3. 3将来のための余白を活かし、より今の暮らしを楽しむ

「たくさんの植物と暮らしたい」という希望を叶えるため、南向きで広いバルコニーのある物件を選んだAさんご夫妻。築10年の築浅物件を選び、リノベーションをしました。ワンルームにコの字の間仕切り壁を配したミニマムでシンプルなプランに、3辺を土間で囲んだり、天井にハンガーパイプをつくり付けたりといった、植物を楽しむための工夫が光ります。そんなAさんご夫妻の家づくりについてお聞きしました。

コの字の壁と土間と植物との暮らし

最低限の間仕切りで暮らす。
20代のリノベーション

——ワンルームの空間に、コの字の壁で仕切った寝室があるのみ。とてもシンプルで思い切ったプランですね。このプランはどのように決めていったのですか?

ご主人 夫婦ともにまだ20代で、これから家族が増えたり、ライフスタイルが変わったりしていくことを考え、部屋の目的をきっちり決めないで、最小限の間仕切りでまずは暮らしてみたいと思いました。寝室だけは個室にするという案もあったのですが、全体をゆるやかにつないで、オープンにしたほうが普段は広さを感じられるので、閉じなくて良かったと感じています。これも、間取りを自由にできるリノベーションならではの暮らし方ですね。

——コの字の壁には2カ所に窓が設けられていますね。この窓でさらに全体がつながっているような印象になっていると感じます。

コの字の壁と土間と植物との暮らし

奥さま 窓は半透明のポリカーボネートです。リビング側はフィックスにして、視線は通さず光を通すようにしています。キッチン側は開閉できるようにして、開ければ視線や空気も抜けるように。キッチンに立った時に、目の前が壁だと圧迫感がありそうだったので、開放感が出るようにしたいと思い、この窓をリクエストしました。

——この家のもう一つの大きな特徴が、3辺をぐるりと囲んだ土間です。その土間に沿うように鉄製のハンガーパイプが連なっています。このアイデアはどこから出てきたのですか?

コの字の壁と土間と植物との暮らし

ご主人 コンクリート打ち放しの質感が好きで、玄関のある北側に広めの土間をつくりたいと思っていたところ、設計を担当してくれたアラキササキアーキテクツさんが「せっかくだからぐるりと囲みましょう」と提案してくれたのです。日本家屋の内外の中間のような土間空間が好きだったので、それが再現できたようで気に入っています。

奥さま 「植物をたくさん育てたい」と強く希望していました。土間とハンガーパイプによって、植物のための空間がたっぷりできたことは、嬉しかったです。ハンガーパイプは植物を引っかけて育てることはもちろん、洋服を収納するスペースにもなっています。部屋干しもできるし、ドライフラワーをつくる時も便利。なんでもサッと掛けられてとても使いやすいです。

コの字の壁と土間と植物との暮らし

ご主人 ハンガーパイプは、断熱材などが入っていて天井が低くなっているところを上手く活用して、配置されています。僕たちが出したちょっとした希望から、アイデアをどんどん膨らませ、この物件だからできるプランを提案してくれたアラキササキアーキテクツさんは、さすがプロだなと思いました。

奥さま ハンガーパイプの下に、低めの棚を提案してくれたのも嬉しかったです。私は背が低く、高い棚は届かないから。キッチンもこだわったポイントなのですが、吊り戸棚はつくらず、すっきりと開放的な空間になっています。

コの字の壁と土間と植物との暮らし
コの字の壁と土間と植物との暮らし

南側の広いバルコニーや土間で、
増え続ける植物を愛でる暮らし

——コンクリート打ち放しの質感がお好きだったとのことですが、仕上げはどのように決めましたか?

ご主人 質感のある素地のままのテクスチャーが好きで、モルタル、無垢材、鉄などを使いたいと希望。ピンタレストなどで好きなテイストの写真を集めて、アラキササキアーキテクツさんに伝えました。あとはほとんどお任せで、僕たちが求めていた通りのものを具体的に提案してくれました。寝室の間仕切り壁はモルタル塗装なのですが、テクスチャーの残し具合なども、絶妙な感じで仕上がっていて、すごく細かいところまでバランスを計算してくれていると感じます。モルタルに無垢材の床や合板の家具が入ることで、少し温かみが加わり、居心地が良い空間になったと思います。

コの字の壁と土間と植物との暮らし

——キッチンの壁には2種類のタイルが使われていますね。

奥さま 全体的にとてもシンプルなのですが、キッチンだけは少しテンションが上がるような、かわいいものを取り入れたいと思い、一部に紋様を組み合わせたような柄のタイルを選びました。派手過ぎず、よいアクセントになっていると思います。キッチンはとても快適で使いやすく、お気に入りの場所ですね。

コの字の壁と土間と植物との暮らし

——「植物をたくさん育てたい」という希望があったとのことですが、詳しく教えてください。

奥さま 植物が好きで、仕事でも植物を扱うフリーペーパーの編集者をしています。新居は植物でいっぱいにしたいと思っていたので、日当たりがよく、南側に大きなバルコニーがあることが、物件選びの条件でした。

ご主人 この物件は条件にぴったりだった上に、3面採光というアドバンテージもありました。妻の影響で僕もすっかり植物にはまってしまいました。夫婦で好みの植物のタイプが少し違うのも面白くて、それぞれに好きな植物を集め続けており、今も数が増えています。

コの字の壁と土間と植物との暮らし

——ご夫婦それぞれ、どのような植物がお好きなのですか?

奥さま 私は塊根植物でも多肉植物でもぽってりした形のもの、少しクセのある植物が好きです。ビルベルギアという植物も好きで大切にしています。株の中心が筒状になっていて、そこに水を溜めるのですが、とても神秘的な色合いで美しいと感じます。

ご主人 僕はラインが細めで、繊細な雰囲気のものがタイプです。シダ植物のリュウビンタイが気に入っています。あまり見たことないような珍しいフォルムのものも好きですね。毎朝二人で水やりをしているのですが、植物のために早起きするようになりました。成長期は毎日変化があるし、大切に育てているので愛着がありますね。

コの字の壁と土間と植物との暮らし
低い棚の上にもグリーンのコレクションが。左から2番目は、ご主人がお好きだというリュウビンタイ。

奥さま バルコニーにある植物の棚は、DIYでつくったんです。水やりした時に、水が下に落ちるように、棚板が網になった棚が欲しいと相談し、アラキササキアーキテクツの工房で、道具を借りて、教えてもらいながらつくりました。難しいところもありましたけど、面白かった。何より、思い描いた通りの棚が完成し、毎朝の水やりが快適で楽しいです。

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将来のための余白を活かし、
より今の暮らしを楽しむ

——将来的に家族やライフスタイルの変化に合わせ、手を加えていくことも考えていますか?

ご主人 玄関側に余白があるので、家族が増えたら、必要に応じて子どものためのスペースをつくっていけたらと思っています。壁で仕切って個室をつくることも可能ですが、どのようにアレンジするかはまだ見えていません。でも今はオープンなままの、余白のある暮らしを楽しめています。チェアを置いてリビングとはちょっと違った気分で読書をするとか、いろいろな使い方ができますから。友人が集まった時は、玄関側にソファを置けば、リビングに加え、もう一つ人が集まる場所をつくることができます。多い時には10人くらい集まるのですが、リビングと玄関側に分かれて、人の居場所が自然にできます。

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——リノベーションのパートナーとして、リビタのリノサポを選んだ理由を教えてください。

ご主人 知人がリビタのスタッフだったので、軽い気持ちで相談したことがきっかけです。当初は本気で家を買うことは考えていませんでした。しかし、話を聞くうちに、キャッシュフローの面でも、賃貸で家賃を払い続けるより、固定支出が抑えられそうだということがわかり、資産運用的な視点で早めに購入するという考え方があることも知りました。しかも、リノベーションなら、新築マンションを買うよりはハードルも低く、間取りや仕上げを好きにできるというメリットもあります。将来どうなるか未確定な部分もありますが、何かあれば売却したり賃貸に出したりすることもできる。そういった基本的な知識も教えてもらい、リノサポのサポートでリノベーションをしたいと思い、現実的に家を買うことを考えるようになりました。

コの字の壁と土間と植物との暮らし

奥さま 物件選びの段階からサポートしてもらって、資金面やスケジュールの段取りなど、よくわからない細かいところまで、気にかけてくれたのはありがたかったです。自分たちだけで進めていたら、何倍もいろいろなことをやる必要があっただろうと思います。

ご主人 実務的な手続きなどサポートも助かったのですが、常に自分たちにはない目線でのアドバイスをもらえたことが嬉しかったです。以前は家を買うなら30年、40年先まで見据えてと思い込んでいたけど、もっと柔軟に考えていいんだと価値観が変わりました。20代の今、自由な発想で、家づくりやその後の暮らしを楽しむことができ、よい経験になっていると思います。

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文:村田保子/撮影:古末拓也
取材・撮影:2018年10月
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