明るいアトリエと開放的な居室空間
- 所在地:
- 東京都大田区
- 居住者構成:
- 夫婦
- 専有面積:
- 72.73㎡
- 間取り:
- 3LDK
- 既存建物竣工年:
- 1977年
- リノベーション竣工年:
- 2017年
玄関を入ると左側にガラスの間仕切りがあり、オタニさんのアトリエがある。右側は水まわり。ガラスの扉の先にはLDK。キッチンとリビングダイニングの間には袖壁と梁があり、ゆるやかに分かれている。LDKに隣接して個室が2つあるが、引戸で開け閉めすることができ、普段は開け放してワンルームのように使っている。
アートディレクター、イラストレーターとして活躍するオタニじゅんさん。奥さまと暮らしているのは、築40年の中古マンションをリノベーションした住まい。ガラスの間仕切りで分けた絵を描くためのアトリエ、引戸で開閉できる一体感のあるLDKと居室など、壁式構造の物件の間取りを活かしながら、仕事と暮らしが心地よく混ざり合う家をつくり上げました。
ガラスの間仕切りで光を伝える
絵を描くためのアトリエ
——玄関を入ると大判のタイルの床が続き、木製フレームのガラスの間仕切りで分けられたアトリエがあります。ここはオタニさんの仕事場ですね。窓辺にはデスクがつくり付けられ、共用部の植栽が眺められる心地よい空間です。
オタニさん:このマンションは壁式構造で、壊せない壁が多かったのですが、アトリエと玄関を仕切る壁は撤去することができたので、ガラスに変えて、窓からの光をできるだけ奥まで引き込むようにしました。既存の間取りでは、玄関は暗い印象だったのですが、リノベーションで光と風が家全体に通る家になったと感じています。
事務所は別の場所にあり、パソコンを使うアートディレクションやデザインの仕事はそちらでやります。アトリエはイラストレーターとして絵を描く場所。ずっと家を買おうと思って物件を探していて、新居には専用のアトリエが欲しいと思っていました。この物件を最初に見学に来た時、この窓からの風景を見て、ここで絵が描けたらいいなと思ったんです。
——アトリエの使い心地はいかがですか?
オタニさん:樹木の緑が目に入り、鳥の声も聞こえてきて、避暑地にいるような居心地だと感じています。アトリエに入るととても集中して作業を進めることができるんです。生活の場のすぐ隣にアトリエがあることで、思い立った時にすぐに絵に向かえる環境も気に入っています。
家を買う前から、好きなインテリアの写真をスクラップしていて、床の大判タイルや木製フレームのガラスの間仕切りなどの雰囲気はそこから導きました。タイルは絵の具などで汚れても気にならないので、アトリエの床にはちょうどいい素材でもあります。
——玄関の先にはガラスのドアがあって、その先にはリビングダイニングが広がっています。壁式構造の既存の間取りを活かした個室が2つありますが、それぞれ引戸で仕切られているのですね。
奥さま:撤去できない壁が多かったのですが、できるだけ一体感を出したいと思っていたので、引戸にしてもらいました。普段は引戸を開けてワンルームのようにして暮らしています。引戸は壁と同じ色で、閉めた時にはできるだけ壁に馴染むようなシンプルなデザインになっています。引手も掘り込みで存在感がないように工夫されています。
——この物件はどのようにして見つけたのですか?
奥さま:SNSでリビタをフォローしていて、販売中の中古物件としてインフォメーションをたまたま見つけました。まだ本格的に探し出していたわけではなかったのですが、写真を見て良さそうだったので、勉強のつもりで見学してみようということになったんです。
オタニさん:最初に見に来た時に、タイル張りの外観の印象が気に入りました。1970年代に建てられた低層のマンションの雰囲気が好きなんです。丘の上に建っていて周囲に高い建物がなく、抜けがいいところも良かった。WEBではいろいろ見ていたのですが、実際に見学したのはこの物件だけです。1件目で気に入って決めてしまいました。
多彩な表情を見せるグレーと
アクセントの真鍮パーツ
——リノベーションの設計はどのように進めていったのですか?
オタニさん:この家が販売されていた時に、モデルプランが一緒に提案されていました。そのプランがすごくいいと思ったので、それをベースにしています。そのプランを見て、限られた面積の中でアトリエとプライベートを無理なく分けることができそうだとイメージできました。まったく基準がないと考えるのが大変だと思うのですが、この物件の場合は、壁式構造で壊せない壁と、モデルプランがあったので、それを糸口にしてスムーズに進めることができました。
——全体的にシンプルで静かな雰囲気の空間だと感じますが、仕上げの素材やテイストなどは、どのように決めていったのですか?
オタニさん:建物の雰囲気に合わせて、少しヴィンテージ感のある落ち着いたテイストを希望していました。あまりやりすぎない感じがよかったんです。過去に事務所をDIYでリノベーションした経験があるのですが、その時に色について考えて、真っ白では落ち着かないし、黒だと重いので、グレーにすると面白いのではないかという感覚がありました。アトリエのタイルの床やガラスの木製フレームの色をはじめ、バーチの積層合板で造作した下足棚やキッチンなどもグレーを選んでいます。これらの造作家具は、グレーの水性塗料を塗布し、木目が透けるような仕上がりにしました。合板の種類や仕上げ方は、設計を担当していただいたアラキササキアーキテクツ(以下、A+Sa)の提案によるものです。造作家具の塗装は、A+Saの工房に行って、私も参加してDIYで行いました。
壁と天井は暗くなりすぎないように、白の塗装風クロスにしましたが、少しグレーがかった白をセレクト。床はオークのフローリングで木の質感をプラスしました。いろいろなトーンのグレー、素材が組み合わさり、多彩な表情が楽しめるグラデーションのある空間に仕上がったと思っています。グレーだけど冷たい感じではなく、温かみややわらかな印象もあり、居心地もとても良いと感じています。
奥さま:キッチンの壁はタイルにしたいとリクエストして、白い横長のタイプを選び、目地がまっすぐになるシンプルな張り方に。目地の色もグレーにしました。
——把手などのパーツには真鍮のものが使われていて、良いアクセントになっていますね。
オタニさん:真鍮も好きなマテリアルの一つです。その他の素材との相性も良いので、シンプルなデザインのものを探してコーディネートしました。玄関から続く廊下とLDKの間にあるガラスのドアの把手は、真鍮のフックを逆向きにして転用しています。タオルハンガーは「FUTAGAMI」というブランドのものや、A+Saのオリジナルデザインのものなどをセレクトしました。
家づくりのすべての場面をサポート。
安心感のある家づくりができた
——お住まいは東急東横線の多摩川駅から徒歩10分強のところにありますが、周辺の環境について住んでみて感じていることを教えてください。
オタニさん:緑が多くてとてものんびりしています。昔から住んでいる人も多く、庶民的な印象もあります。多摩川沿いは散歩にもいいですね。夫婦ともに通勤にも便利な場所で、都会過ぎず、田舎過ぎず、私たちにとってはちょうど良いバランスです。仕事と生活をきちんと分けたいと思っていて、生活のほうは静かで落ち着いた環境を希望していたので、とても良いエリアに家をもつことができたと考えています。
奥さま:休日は家でゆっくり過ごすことが多いのですが、多摩川沿いの店などへランチを食べに行ったりすることもあります。周辺には店は少ないのですが、買い物や食事は近隣駅に行けば事足ります。電車に乗ればすぐに出られるので、とても便利だと感じています。
——この家で暮らし始めて変わったことなどはありますか?
オタニさん:引っ越しの時に、かなり断捨離してものを減らしました。必要なものだけを厳選したので、これ以上は増えすぎないように気をつけています。ものを買う時も一つ一つ吟味して、本当に気に入ったもの、長く使えるいいものを選ぶようになりました。主な収納はウォークインクローゼットで、衣類や普段使わないものはほとんどここにしまっています。ウォークインクローゼットはリビングとつながっていて、扉などもないオープンな造り。常に見えているので、詰め込まないように気をつけています。
——最後に、リビタのサービスを利用してみていかがでしたか?
オタニさん:物件の購入から、設計者のコーディネート、リノベーションの設計や施工はもちろんですが、家をつくること以外の住宅ローンや金融機関の選び方、契約などもサポートしてもらうことができ、助かりました。家づくりの流れが最初から最後までわかりやすく想定でき、すべての場面で的確にナビゲーションをしていただき、安心感のある家づくりができました。イレギュラーなことにも細かく対応していただき、多くの場面でたくさんの選択肢を準備してもらえたように感じています。
”こんな暮らしがしたい”というお客様の頭の中の憧れをカタチにする、リノベーションワンストップサービス。専属のコンサルタントが、資金計画からローンのご相談、物件探し、設計、施工、アクター対応まで一括サポート。理想の暮らしを叶える住まいを提案、具現化しています。
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