断熱・省エネを学んで、これからを快適に賢く暮らす|住まいのヒント

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暮らし再発見マガジン のくらし by ReBITA
住まいのヒント

断熱・省エネを学んで、
これからを快適に賢く暮らす

目 次
  1. 1断熱性能が住宅の快適さを左右する
  2. 2住宅ローン控除を賢く活用する
  3. 3補助金制度を活用した省エネリノベーション
  4. 4日常生活での省エネ意識を高める
  5. 5あとがき

さまざまな専門家にお話を聞いて、「リノベーション」や「住まい選びのコツ」をわかりやすく身につけていくための「学ぶシリーズ」。第1回目は「断熱」、第2回目は「省エネ」について建築・省エネコンサルタントの黒田大志さんをお迎えしてお聞きしました。今回は、前2回のまとめと賢く暮らすために知っておくべきことをご経験や知識にもとづいて、初心者にもプロの方にもわかりやすく解説いただきました。

断熱性能が住宅の快適さを左右する

断熱性能の重要性

住宅の断熱性能は、快適な住まいを実現する上で不可欠です。特に、日本の四季は気温差が激しいので、夏の暑さや冬の寒さに対して適切に対応するためには、高い断熱性能が求められます。断熱性能が低い住宅では、室温が安定しにくく冷房や暖房の使用が増え、光熱費の負担が増加するだけでなく、エネルギー効率も低下してしまいます。

断熱性能の高い住宅は、外部の気温変化に影響されにくく、室内温度を安定して保つことができます。これによって、冷暖房機器の使用が減り、光熱費の削減とエネルギー効率の向上が期待できます。しかも、室内温度が安定していることで、生活の快適さも向上します。

窓リノベーションの効果

住宅の中で最も熱が逃げやすい部分は「窓」です。窓の断熱性能を改善することで、室内の温度変化を抑え、エアコンや暖房の効率を大幅に向上させることが可能です。特に、断熱性の高い窓に交換することで、年間を通して安定した温度環境が保ちやすくなり、光熱費の削減効果が期待できます。

窓リノベーションには即効性があり、夏は外からの熱を防ぎ、冬は室内の暖かさを保つことができます。結果として、エアコンの稼働時間が減り、年間を通して光熱費を削減できる点が大きなメリットです。また、窓周りの結露・カビの抑制やコールドドラフトも抑えられるので一石二鳥です。

補助金を活用した窓リノベーション

窓の断熱リノベーションを行う際には、国や自治体が提供する補助金制度を活用することが推奨されています。特に「先進的窓リノベ2024事業」は、窓の断熱性能向上に対する工事費用の50%程度を補助する制度で、初期費用の負担を軽減しながら快適な住宅環境を手に入れることができます。

但し補助金を利用するには、窓の性能や工事内容が補助金適用条件を満たしているか、申請のタイミングに間に合うかなど事前に確認する必要があります。補助金を活用することで、コストを抑えながら断熱性能を高めることができ、エネルギー効率の向上に貢献してくれますので、一度考えてみてはいかがでしょうか。

住宅ローン控除を賢く活用する

住宅ローン控除の概要

次に、省エネ住宅を購入する際には、「住宅ローン控除」という制度を活用することが推奨されます。この制度は、住宅ローンの借入残高に応じて所得税から一定額が控除されるもので、省エネ基準を満たした住宅の方が対象枠が大きくなります。特に、夫婦でペアローンを組むことで借入残高を合算できるので、節税効果を最大化することも可能です。

住宅ローン控除の具体例

たとえば、9000万円の住宅ローンを組んだ場合、毎年0.7%の税額控除を新築は13年間、中古住宅は10年間にわたって受けることができるんです。これは中古住宅の場合、年間約63万円、10年間で約630万円の控除を受けられることを意味します。この大きな控除額は、住宅購入時の費用負担を大幅に軽減し、長期的なキャッシュフローの改善にもつながります。

住宅ローン控除を最大化するためのポイント

住宅ローン控除を賢く活用するためには、購入予定の住宅が省エネ基準を満たしているか確認することも重要です。住宅を購入した後に省エネリノベーションを行う場合でも、条件を満たせば控除の対象となることはあります。購入前に住宅の基準を確認し、適切なファイナンス計画を立てることで、税額控除の恩恵を最大限に活用していきましょう。

補助金制度を活用した省エネリノベーション

補助金制度の概要

住宅の省エネリノベーションを実施する際にも、補助金制度を活用することで、工事費用の負担を大幅に軽減することが可能です。窓や外壁の断熱改修、エコキュートの導入などは補助金の対象となることが多く、工事費用の50%まで補助される場合があります。これにより、初期費用を抑えながら効果的な省エネリノベーションが実現します。

参照元:性能向上リノベの会(2023年補助金一覧)

効果的なリノベーションと補助金申請のタイミング

補助金を効果的に活用するためには、リノベーション計画をしっかり立てて、申請のタイミングを見極めることが重要です。補助金申請には期限があり、必要書類も多いため、事前の準備が鍵となります。計画を早めに進め、補助金を受け取れるように準備することが成功へのポイントです。

また、補助金を活用したリノベーションには、長期的な省エネ効果を見据えた設計にすることが重要です。断熱性能を高めることで、エネルギー消費を大幅に抑えながら住宅の資産価値を高めることができます。

日常生活での省エネ意識を高める

エアコンの効率的な使用

住宅の断熱性能を高めた後でも、日常生活において省エネ意識を持ち続けることは大切です。たとえば高断熱な住宅のエアコンは、頻繁にオンオフを繰り返すよりも、弱運転で一定の温度を保つ方がエネルギー効率は良いです。これにより、エアコンの消費電力を抑え、快適な室温を保ちながら光熱費を削減することができます。

湿度管理の重要性

湿度管理も省エネを実現するための重要な要素です。湿度が適切に保たれることで、エアコンの使用を最適化でき、エネルギー消費の削減につながります。ちなみに、観葉植物を室内に置くことで自然な湿度調整が可能になり、エネルギーを消費せずに快適な住環境を整えることもできますね。

省エネ家電とLED照明の導入

省エネ家電やLED照明の導入だって、日常生活での省エネを推進するための効果的な手段です。これらの設備は長期間にわたってエネルギー効率を高め、光熱費の削減に貢献します。家庭全体でのエネルギー使用を意識的にコントロールし、省エネ機器を導入することで、持続可能な暮らしが実現できます。

あとがき

断熱性能向上と省エネ対策を行うことで、快適で経済的な暮らしは実現できます。窓や外壁の断熱リノベーションをするだけでも、エネルギー効率を大幅に改善し、光熱費の削減を図ることができます。また、住宅ローン控除や補助金制度を賢く活用することで、初期費用の負担を軽減し、長期的なメリットを得ることだって可能です。
日常生活の中で省エネ意識を持ちながら、効率的なエネルギー使用を心掛けることで、持続可能な暮らしは実現していけるということです。これらの取り組みを通じて、経済的かつ環境に優しい住まい作りを目指していきましょう。

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