憧れの肉団子カレー
本記事は、BUKATSUDO “つきいちカレー部!”の講師もつとめるスパイス料理の伝道師 メタ・バラッツさんが教える、絶品スパイスカレーのレシピコラムです。読んで楽しむだけでなく、自分で作って味わえる、おいしいコラム。
つくねに、ハンバーグに、ミートボール。昔から好きなものである。
インドにも古くからみんなに愛されてきたミートボールがある。
「コフタ」である。
ミートボール好きは世の中にたくさんいるらしく、インド以外にもウズベキスタン、カザフスタン、トルコにヨルダン、アラブ諸国、パキスタンにモンゴルなど名前は違えどコフタみたいな名前で親しまれている料理はたくさんある。
宗教や地理的な関係で使われている食材は異なったりするが、基本的に何かしらの肉をミンチにしてスパイスやハーブ、ニンニク、生姜などと混ぜてこねて作られたものである。
私のコフタカレーのレシピは肉団子にもしっかりと味をつけ、グレービーは玉ねぎの甘さを活かしながらブラックペッパーをしっかりと効かせている。玉ねぎを蒸し炒めにしヨーグルトをしっかりと炒め、酸味のある香りから旨味っぽい香りになるまで炒め合わせるのが大事である。ここをしっかりと作ると出来上がりのカレーの味が変わってくるのである。
あとは分量通り作っていけば、美味しい肉団子カレー「コフタカレー」の完成である。
ちょっとした集まりや祝い事に…… いや、日々の食卓にぜひ作って欲しい一品である。
先日、イノシシ肉でも試してみたが、これも美味しかった。
コフタカレー(肉団子のカレー)
[材料]
◆肉団子用
・合挽肉…500g
・玉ねぎ(みじん切り)…1個
・おろしニンニク・生姜…各大さじ1
・青唐辛子(みじん切り)…1本
・塩…小さじ1
・小麦粉…大さじ1
・ガラムマサラ…大さじ1
・レッドペッパー…小さじ1/2
・ブラックペッパー(粗挽き)…大さじ1
◆グレービー用
・玉ねぎ(くし切り)…1個
・おろしニンニク・生姜…各大さじ1
・ヨーグルト(よくといておく)…100g
・水(蒸し炒め用)…100ml
・水(ソース用)…300ml
・ホールトマト缶…200ml
・砂糖…小さじ1
・塩…小さじ1
・ギー(またはバター)…大さじ2
・生クリーム(お好みで)…100ml
・ホールスパイス
・シナモンスティック…1/2本
・ローリエ(またベイリーフ)…1枚
・パウダースパイス
・ターメリック…小さじ1
・コリアンダー…大さじ1
・クミン…大さじ1
・レッドペッパー…小さじ1
・ガラムマサラ…小さじ1
・パプリカ…小さじ1
・ブラックペッパー(粗挽き)…小さじ1
[作り方]
1.肉団子用の材料を全てボウルにいれよくこねておく、なるべく空気が入らないようにして少し寝かしておく。(できれば2、3時間)
2.直径2センチほどの肉団子を作る。
3.温めたフライパンに油をいれ、ホールスパイスを加え香りがたってきたら、玉ねぎを加え軽く炒める。水(100ml)を加えグツグツとしてきたら蓋をして蒸し焼きにする。
4.玉ねぎが透明になってきたら、蓋をあけ水分を飛ばし、にんにく、生姜を加え香りがたってきたら、ヨーグルトを加えしっかりと炒める。
5.パウダースパイスと塩を加え、炒め合わせる。
6.ホールトマトを加え潰しながらなじませる。
7.水(300ml)を少しずつ加えなじませていく。
8.グツグツとしてきたら弱火にかえ用意しおいた肉団子を加えていき全て加えたら蓋をして約30分煮込む。(時々肉団子の向きを変えてあげる)
9.仕上げに生クリームを加える。(食べる前に加えると良い)
1984年、鎌倉生まれ。南インド・ニルギリの高校GSIS(Good Shephered Int’l School)を卒業し、スイス・ジュネーブのCollege du Lemanにてケンブリッジ大学のA Levelを獲得。その後、スペインに留学して経営学と料理を学び、帰国。アナン㈱にて新商品開発やネーミング・新規事業の改革等に携わりながら、北インド・グジャラート出身である父アナン・メタの元で、アーユルヴェーダを基にした料理を実践している。旬の野菜をテーマにしたカフェ「移動チャイ屋」を立ち上げ、出張料理を精力的に展開中。また、2011年震災後より宮城県女川町に仲間たちと炊き出しに赴いたのをきっかけに現地の雇用、観光資源創出に向け「女川カレーProject」を仲間と共に始める。スパイスのオンラインストア「インターネットオブスパイス」を運営。