10年越しのリノベで、理想の上をいく住まい
- マンション
- 所在地:
- 東京都品川区
- 居住者構成:
- 夫妻+子ども1人
- 専有面積:
- 82.26㎡
- 間取り:
- 3LDK
- 既存建物竣工年:
- 1997年
- リノベーション竣工年:
- 2023年
13歳の長男と暮らすKさん夫妻。15年前にリビタが手掛けた一棟まるごとリノベーションのモデルルームとなっていた物件に衝撃を受けて購入。とても気に入って住んでいたものの転勤により売却することに。数年後に東京へ戻り、賃貸に住みながら、転勤前に住んでいた一棟まるごとリノベーションの設計を手掛けた建築家とのリノベーションを計画して、以前の住まいのよさを引き継ぎながら、さらに魅力的にアップデートした住まいをつくり上げました。10年以上におよぶKさん家族の住まいづくりストーリーをお届けます。
過去に住んでいたリビタの住まいを
もう一度自分たちで再現したい
――15年前にリビタの一棟まるごとリノベーションのモデルルームを購入されて暮らしていたとのこと。気に入っていたポイントなどはありましたか?
夫 家を買おうと考えていた当時、リノベーションのことはほとんど知らず、新築マンションを検討していたのですが、たまたま一棟まるごとリノベーションのモデルルームの情報を知って見学してみると、「何ここ!?」という驚きの連続で、衝撃を受けました。新築マンションとはまったく違い、間取りや仕上げにオリジナリティがあって、すごく暮らしやすそうだと感じて、ここに住みたいと思ったんです。実際に暮らし始めてからも、丁寧に考えられてつくられていることを日々実感して、とても気に入っていたのですが、残念ながら2年ほど住んだ頃に名古屋へ転勤になって、売却することになりました。
――今回、新たに物件を購入して、ご自身でリノベーションをすることにした経緯を教えてください。
夫 2年ほどしか住めなかった一棟まるごとリノベーションのモデルルームが好き過ぎて、そのまま移設したいと思っていたほどでした。名古屋から東京へ戻ることになって、もう一度あの住まいを再現するために自分たちでリノベーションをしようと決意したんです。とりあえず賃貸で暮らしていましたが、心はすでにリノベーションに向かっていて、モデルルームを手掛けたアトリエエツコさんに設計を依頼することも決めていました。それを前提にリビタにも相談して物件を探していたのですが、長男の学区の都合でエリアを限定していたため、なかなかいい物件に出会えず、数年かけてこの物件と出会ってようやく実現したのです。物件探しに時間がかかってしまったのですが、リビタのコンサルタントの山田笑子さんにその間サポートいただき、相談に乗っていただけたことがとても心強かったです。また、物件を探している間に見学会などのイベントにも誘っていただき、リビタの住まいづくりに触れる機会を継続して持てたことも、リノベーションへのモチベーションにつながりました。
――この物件を選んだ決め手などはありますか?
妻 バルコニー側の窓から桜の木が見えることが魅力でした。キッチンに立ったときにちょうど目線の高さに緑が広がって、森の中にいるような気分になるのがいいなと。角部屋で3方向に窓があり、全体的に明るくて、個室に自然光が入ることもメリットだと感じました。
夫 少しだけ懸念したのは、この物件が壁式構造で撤去できない壁があり、間取りを劇的に変えることができなかったことです。アトリエエツコさんの設計の素晴らしさを最大限に発揮していただけないのではと気になりました。でも、そんな心配は不要で、壁をものともせず、制約のあるなかでさまざまな可能性を模索して、何通りものプランを提案していただき、期待していた通りワクワクした気持ちでリノベーションを進めることができました。
長男が中学生になるタイミングで、
家族それぞれの個室を設ける
――アトリエエツコとの打ち合わせでは、どのように希望やリクエストを伝えましたか?
夫 以前住んでいた一棟まるごとリノベーションの住まいを、できるだけ踏襲したいというのが最大の希望。象徴的なアイデアは、収納や個室の扉を木で造作して、取っ手などをつけずに一枚の壁のようにフラットに仕上げ、個室を隠し部屋のように収めていたところです。以前の住まいで最も気に入っていた点であり、「何ここ!?」と思った衝撃ポイントでした。テイストも以前の住まいをベースに、そのまま持ってきたいとリクエスト。トーンとしてホテルライクのような高級感に振り切らないように、木を使ったりしてリラックスした雰囲気も感じたいという希望はお伝えしました。
妻 家族それぞれが服やスニーカー、雑貨、漫画などを好きで、ものが多いため、収納は必要な場所にたっぷりつくって欲しいこともお伝えしました。必要なもの以外はできるだけ隠して、普段目に入る場所はすっきりさせておきたいんです。収納量の見極めは重要なポイントだったと思います。
――完成した間取りは、バルコニー側に広くLDKを取って、玄関からLDKに続く通路に家族3人分の個室が並んでいます。
夫 長男の部屋をつくることも、今回のリノベーションの目的でした。直前に住んでいた賃貸は2LDKで、個室は寝室とリモートワークのための書斎で、書斎は私の部屋として使っていました。夜遅くまで家で仕事をすることも多く、私だけ生活リズムがずれているんです。
妻 夫は書斎に自分のベッドを置いて、寝室は私と長男で使っていました。長男が中学生になるタイミングで、自分専用の空間を持ちたくなる時期だったので、一人ずつ個室があったほうがいいという結論に。でも個室にこもりすぎないように、リビングの窓辺にもワークスペースをつくってもらいました。長男も気に入っていて勉強はそこでしていますし、ソファも含めて自分のスペースのように使っています。
建築家の作風の変化も取り入れて、
再現以上にアップデートされた住まい
――玄関側にあるご主人の部屋のドアは、木を使って一枚の壁のような仕上げを採用されています。一方で長男の部屋と奥さまの部屋の入口は少し奥まっていますね。
妻 向い合わせにドアが並び、LDKとのつながりも感じる造りになっています。長男の個室はLDKを通ってアクセスできるようにという希望に合わせ、ゆるやかなつながりをつくっていただきました。ちょっとした余白があることで、ドアを開け放していても部屋の中が丸見えにならないのも気に入っています。
――ご主人の部屋にはデスクがあって、家具は北欧テイストで揃えられていますね。
夫 私は個室にいる時間が長いので、居心地にこだわって家具は気に入ったもので揃えています。このデスクは、以前住んでいた一棟まるごとリノベーションのモデルルームにディスプレイされていたものをそのまま購入したもので、シェルフはデスクに合わせて同じシリーズを選びました。モデルルームの家具もアトリエエツコさんのセレクトで、LDKのダイニングテーブル、チェア、ローテーブル、ソファなどもそのまま購入したものをずっと使っています。今回のリノベーションでも、愛用の家具をそのまま使うことを決めていたので、床や壁の素材もそれに合わせて選んでいきました。
――以前住んでいた一棟まるごとリノベーションの住まいと比較して、変化したことなどはありますか?
夫 LDKと廊下の壁の一部は素材感のあるグレージュの塗装仕上げになっています。これは近年のアトリエエツコさんが手掛けた物件を拝見して、取り入れたいと希望しました。ダイニングの壁面収納の扉にもグレージュを使っていて、この辺りは以前の住まいからアップデートされた仕上がりになっていると感じます。
――キッチンは吊戸棚などに木をアクセントとして使い、黒をベースとして統一されていますね。締め色としてしっかり効いている印象です。
妻 家電はほとんど黒を選んでいて、取っ手に木を使っているデザインのものもあったので、それに合わせた仕上げとなっています。キッチンはクリナップのシステムキッチンです。落ち着いた色が好きで、グレージュの壁にも合う色にしたくて、白か黒で迷いましたが黒を選びました。既製品の黒は光沢があるものやラメが入っているものが多く、選定は難しかったですが、良いものを見つけられてよかったです。まわりの色も、それに合わせてとても素敵に選んでいただきました。
――リノベーションを体験してみて、印象に残っていることや感じたことを教えてください。
夫 以前の住まいは、モデルルームとして完成したものを購入したので、それと比較すると今回のリノベーションは、イメージができているとはいえ、期限がある中で多くの決断が必要で、大変さはありました。でも、ずっと続いて欲しいと思うような楽しい時間でもあり、完成後はリビタのコンサルタントの山田笑子さんとアトリエエツコさんとの日々のメールのやり取りがなくなって寂しさを感じたほど。一つひとつの仕上げやパーツ、梁や柱はどこまでを塗装するかなど、とても細かいことまで一緒に考えてくれたことが印象に残っています。山田笑子さんがチーム全体をまとめながら、私たちに寄り添ってサポートしてくれたことで、リノベーションがスムーズに進み、満足度の高いものになったことは間違いありません。工務店の選定についても、さまざまな角度から情報や助言をいただき、安心感と納得感を持って決めることができました。リノベーションのすべての工程で繊細な配慮をいただいたことで、アトリエエツコさんと工務店の連携も細部までスムーズに進み、施工面もとても丁寧につくっていただきました。10年以上にわたりアトリエエツコさんとリビタのファンとしてウォッチし続けて、長年の夢が形になったことがとても嬉しいです。リビタはリノベーションの素晴らしい世界を最初に教えてくれた存在。住まいづくりのパートナーとしてリビタと出会えたことに感謝しています。