植物のある豊かな暮らしリノベーションとインテリアのポイント|住まいのヒント

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暮らし再発見マガジン のくらし by ReBITA
住まいのヒント

植物のある豊かな暮らし
リノベーションとインテリアのポイント

目 次
  1. 1植物のある豊かな暮らしとは
  2. 2植物のある暮らしのメリット
  3. 3植物で部屋を彩る配置のポイント
  4. 4インテリアに合う植物の選び方
  5. 5植物のある暮らしを叶えたリノベーション事例
  6. 6植物のある暮らしでリラクシングな時間を

植物は空間を彩り、見る人の心をリラックスさせ、暮らしを豊かにする効果があります。リビングルームにキッチンに、寝室に、どんな空間でもしなやかに溶け込む植物たち。今回は植物のある暮らしを軸にリノベーションされた事例とともに、植物を取り入れるメリットから上手に空間へ落とし込むポイントまでご紹介します。

植物のある豊かな暮らしとは

テレワークの普及で在宅時間が増えた今、住まいの中におしゃれな植物を取り入れる方が増えています。植物は誰にとっても身近で、癒しとなるもの。インテリアを彩るだけでなく、眺めているだけでリラックスした気分をもたらしてくれる存在です。
また水をあげたり、土を変えたりといった植物とのコミュニケーションもたのしみのひとつ。植物の原産地を知って適した環境を整えることも大切です。植物とじっくり向き合うことが丁寧な暮らしへとつながり、心にゆとりが生まれ、日常が豊かな時間に包まれていきます。

植物のある暮らしのメリット

植物のある暮らしには「インテリア」と「室内環境」の面でさまざまなメリットがあります。

・インテリア性アップ
植物をインテリアとして取り入れるメリットは、おしゃれでリズムのある空間づくりができることにあります。葉っぱのカラーやかたち、高さを意識して選べば、どのようなインテリアにもなじみます。インテリアに合う鉢を選んでテイストを統一すれば、より素敵な雰囲気に。

・加湿効果
植物の葉には「蒸散」の働きがあり、根から吸い上げた水を水蒸気として放出します。それによって植物の周りは適度な湿度がキープされ、人にとっても快適な環境に。大きな葉を持つ植物ほど大きな加湿効果が期待できます。

・空気浄化効果
植物は光合成をすることで酸素を生成しています。つまり室内に植物があれば、いつでもクリーンな酸素を感じられるということ。さらに空気中のホルムアルデヒドやトルエン、キシレン、アセトンなどの有害物質を吸収分解し、カビの胞子やバクテリアも抑制すると言われています。植物はとても優秀な空気清浄機能まで果たしてくれる存在なのです。

・マイナスイオン効果
植物があるとリラックスできるのは、マイナスイオンが発生しているから。マイナイスイオンには副交感神経の働きをサポートし、血圧を下げたり心拍を安定させたりする効果があります。テレビやパソコンなどデジタル製品が多い部屋こそ、植物をたっぷりと取り入れるのがおすすめです。

植物で部屋を彩る配置のポイント

植物の育成環境としては「風通しと日当たりがよい場所」が基本ですが、インテリアとしてはどのような配置がよいのか 迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。ぜひ以下のポイントを参考にしてみてください。

・シンボルツリーは大空間に
シンボルツリーとなるような大きな観葉植物は、リビングのような大きな空間にぴったりです。大きすぎると空間を圧迫してしまうため、天井や周囲の家具と余白を設けて置きましょう。スタンダードな配置は、動線を邪魔しない隅や窓際です。シンボルツリーがひとつあるだけでお部屋の空気ががらりと変わります。

・小さな鉢植えを並べてみる
窓際やテーブルに小さな鉢植えをたくさん並べるのもおすすめです。多肉植物でまとめれば整然としたイメージに、大きさが異なるタイプをランダムに並べると賑やかな雰囲気を演出できます。鉢植えのデザインを統一することを忘れないようにしましょう。

・上から吊して部屋に立体感を
植物を壁やレールなどに吊るす「ハンキング」なら、空間に立体感が生まれます。アイビーやポトスなど小さな葉が垂れ下がるものや、コウモリランなど立体的な形状のものがハンキング向きです。空いたスペースを活用しながら空間をおしゃれに飾り、いつもとは違った角度から植物をたのしめる点もポイント。ただしハンキングの植物は乾燥しやすいため水やりには気をつけましょう。

インテリアに合う植物の選び方

・ 植物の「カラー」で選ぶ
インテリアに合わせた植物を選ぶなら、「カラー」に注意しましょう。緑・黄緑・深緑、赤味がかった緑やグレーがかった緑まで、ひとくちに緑といってもさまざまです。優しい雰囲気にしたいなら明るい緑のウンベラータやエバーフレッシュ、シックな雰囲気にしたいならワインレッドのフィカス・バーガンディといったように「どのような雰囲気にしたいか?」からセレクトすることがポイントです。違う種類の植物を並べるときも、できるだけカラーを揃えるとインテリアに統一感が出てきます。

・植物の「かたち」で選ぶ
家具もかたちで選ぶように、植物もかたちで選んでみましょう。たとえば北欧ヴィンテージの家具や小物があるあたたかな空間には、ベンガレンシスのようなふっくらとした丸い葉を持つ植物が似合います。モノトーンのモダンな空間なら、尖った個性的な葉を持つユッカなどもおすすめです。また、幹や枝のうねり・太さで印象が変わるもの。葉のかたちと、全体のシルエットを意識しながらセレクトすることも大切です。

・ 植物の「高さ」で選ぶ
大きな植物はインパクトがある反面、圧迫感が出て部屋が狭く感じてしまうことも。天井や梁と植物の間に50cm以上は余白をつくるようにすれば、圧迫感は避けられます。窓辺に置く場合はサッシの上部ラインを超えないようにすれば空間にフィットしやすくなるでしょう。また、ソファやローテーブルのあるリビングや、ベッドのある寝室も視線が低くなるため、それに合わせて低めの植物を選ぶほうが違和感なくインテリアに溶け込みます。

植物のある暮らしを叶えたリノベーション事例

①植物がすくすくと育つサンルーム

お宅拝見「面積以上の価値をシームレスに住みこなす」より

Nさんが購入したのは、「植物に囲まれた暮らし」をコンセプトにしたリノベーション済みマンション。段差やカーテンでゆるやかにゾーニングされたニュートラルな空間に、Nさんお気に入りの植物たちがセンスよくレイアウトされています。リモートワーク中もリフレッシュできるよう、シンボルツリーのアレカヤシは窓辺のデスクの近くに。

真っ白な床・壁・天井によって自然光が拡散し、サンルームのように明るい雰囲気です。さらに植物育成用のLEDライトによって、窓から離れた植物たちもすくすくと育っているのだそう。土汚れを掃除しやすい耐久性のある床や、植物をハンギングできる天井のステンレスの格子、水やりをスムーズにするオープンの洗面台など、植物を育てるためにさまざまな工夫が施された空間を、自分らしく住みこなしているお部屋でした。

間取り図(before→after)

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<リノベーションデータ>
所在地:東京都港区
居住者構成:シングル
専有面積:36.66㎡
間取り:1LDK
既存建物竣工年:1983年
リノベーション竣工年:2021年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/12849
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②3辺ぐるりの日当たりの良い土間

お宅拝見「コの字の壁と土間と植物との暮らし」より

広いバルコニーのある南向きの物件を購入し、リノベーションされたAさん夫婦。植物を扱うフリーペーパーの編集者をしている奥さまの「たくさんの植物を育てたい」というご希望から、窓際の3辺を土間でぐるりと囲んだユニークな間取りが生まれました。「少しクセのある植物が好き」という奥さまと「繊細な雰囲気のものが好き」というご主人。タイプの違う植物でも、窓辺にランダムに置くだけですてきな雰囲気が生まれています。

上部には植物のハンギングやドライフラワー作り、洗濯物干し、収納と、さまざまな使い方ができるハンガーパイプを設置しました。
毎朝ふたりで早起きして、植物に水をあげることから1日がはじまります。毎日変化する成長過程を見つけながら、植物を育てるたのしさをいっそう感じさせる空間となっているようです。

間取り図(before→after)

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<リノベーションデータ>
所在地:東京都足立区
居住者構成:夫婦
専有面積:75.45㎡
間取り:ワンルーム
既存建物竣工年:2009年
リノベーション竣工年:2018年
お宅拝見:https://nokurashi.com/ownersvoice/1924
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③窓に映るグリーンのさわやかな開放感

お宅拝見「絵や植物が彩る空間、可能性がふくらむ専用庭」より

広い専用庭のあるリノベーション済みマンションを購入したTさん。庭のグリーンと室内の植物がリンクし、内と外がボーダレスにつながります。専用庭があることで、室内の開放感がぐっと高まりました。

入居前の追加リノベでは、植物のハンキング用のハンガーパイプを設置しています。窓際の床の一部は掃除がしやすいフロアタイルなので、植物に水をあげたり、手入れをする時にとても便利。土間のような使い方ができているそうです。専用庭と室内を合わせれば、植物を置けるスペースがたくさんあります。緑の多いこちらの住まいに引っ越してからは、気持ちの余裕が生まれ「生活の質をもっと上げたい」と思うようになったそうです。

間取り図(before→after)

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<リノベーションデータ>
所在地:東京都杉並区
居住者構成:シングル
専有面積:37.23㎡
間取り:1LDK
既存建物竣工年:1979年
リノベーション竣工年:2022年
お宅拝見:https://nokurashi.com/ownersvoice/16486
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④たっぷりと自然光が降り注ぐアトリエ

お宅拝見「アトリエと住まい」より

おじいさまから引き継いだ、築47年の木造2階建てをリノベーションしたOさん夫婦。フラワーアーティストとして活躍する奥さまのために、玄関続きの土間を広くとってアトリエにしました。上部の吹き抜けからは自然光がたっぷりと降り注ぎ、植物にとって申し分のない環境です。上部に露出した梁には、船舶用の滑車を使って大きなコウモリランをハンギングするといったOさんらしいアイデアも。

LDKとの間の引き戸を開ければ、ひとつながりの大きな空間に。あたたかい季節は引き戸をすべて開け放して過ごすことが多いのだそう。階段から、吹き抜けからと、室内を移動するたびに溢れるほどの植物が視界に入り、Oさん一家の暮らしを豊かにしています。

間取り図(before→after)

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<リノベーションデータ>
所在地:東京都文京区
居住者構成:夫婦+子ども1人
専有面積:144.64㎡
既存建物竣工年:1969年
リノベーション竣工年:2015年
お宅拝見:https://nokurashi.com/ownersvoice/3033
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⑤バスタイムもグリーンに癒される

お宅拝見「陽だまりと団らん」より

リノベーション済みの戸建てを購入したSさん夫婦。「陽だまり階段の家」という物件名の通り、スケルトン階段を囲むような大きな窓が特徴的です。まわりには植物を飾って、少し特別なスペースに。たっぷりと日差しを浴びてすくすくと育っています。

バスルームには大きな窓。そこから見えるテラスにも植物をレイアウトしました。やわらかな朝日を浴びる植物を眺めながらのバスタイムは、まるでリゾートに訪れたような開放的な気分になるそうです。これ以外にもリビングや寝室、階段を上がってすぐのホールなど、たくさんの植物が室内を鮮やかに彩ります。

間取り図(before→after)

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<リノベーションデータ>
所在地:神奈川県横浜市港北区
居住者構成:夫婦+子ども1人
専有面積:128.67㎡
間取り:3LDK
既存建物竣工年:1988年
お宅拝見:https://nokurashi.com/ownersvoice/2788
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植物のある暮らしでリラクシングな時間を

植物を買うときは、部屋のインテリアとのマッチングはもちろんですが、純粋に「好きだな」と思える植物であることも大切です。葉っぱのかたちや色、光が当たったときに壁に映る影。眺めていて「心地いい」と思う植物を選んで、コミュニケーションをとりながらゆっくりと育っていく姿をたのしむ。そうすることで心にゆとりが生まれ、日常のささやかな瞬間が豊かなものになっていきます。
住まいをセンスアップしてくれるだけではなく、加湿効果やマイナスイオン効果で心身ともにリラックスさせてくれる植物たち。気軽に取り入れやすいことが最大のメリットです。もしこれからリノベーションをお考えなら、「植物を育てやすい空間」「植物が映える空間」を意識してプランニングするのもおすすめです。植物のあるリラクシングな暮らしを、考えてみてはいかがでしょうか。

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