【2023年版】30代のマンションリノベーション ライフステージに合った間取り変更の考え⽅とは|住まいのヒント

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住まいのヒント

【2023年版】30代のマンションリノベーション
ライフステージに合った間取り変更の考え⽅とは

目 次
  1. 1多様化する30代の暮らし方
  2. 2目的別でみる間取り変更事例
  3. 330代のマンションリノベーションで取り入れたい間取り変更のポイント
  4. 4住まいのこだわりは人それぞれ。人生設計に合わせて柔軟なつくりに

生活スタイルが確立したり新たに家族が増えたり、30代は人生において大きな変化が訪れる時期です。趣味や仕事、家族など、人生設計や価値観も人によって異なり、住まいの形を改めて考えるには良いタイミングではないでしょうか。
今回は30代でのマンションリノベーションにおける間取り変更について、実際の事例を交えながらポイントを見ていきます。

多様化する30代の暮らし方

30代は、学生生活から社会人生活への大きな変化を迎える10代から20代と比べて、私生活も仕事も落ち着きを見せ、自分らしさを引き出せるステージです。仕事や趣味に情熱を注いだり、結婚や出産などの大きなイベントに立ち会ったり、人それぞれ変化が訪れる年代でもあります。

それゆえ、今後の生き方や働き方を左右する決断をする機会も訪れるでしょう。住居の選択もそのひとつ。今日における住まいのスタイルや間取りに、正解や不正解はありません。個性が十人十色あるように、住まいにも様々な形や作り方があります。まずは自分自身が憧れる暮らし方を想像し、情報収集をしながらよく考え、ベストな答えを導くことが大切です。

目的別でみる間取り変更事例

趣味に没頭したり、子育てに邁進したり、より仕事に熱を上げたり、30代の過ごし方は人によってさまざま。ライフスタイルに応じて間取りを変更していく必要が起こることも、ごく自然なことではないでしょうか。既存のLDKといった考え方に縛られず自由な発想でリノベーションした事例を、①趣味、②子育て、③職住融合という3つの観点から見ていきましょう。

①趣味に囲まれる—見せ方の工夫

好きなものを収集したり、作り上げたり、ひとつのものにこだわったり。30代はこれまで以上に生活にも余裕が生まれて、趣味に熱中しやすい年代でもあります。ここでの間取り変更のポイントは、自身のこだわりに優先順位を付けることと、収納にメリハリを付けることの2点です。

例えばこちらは「植欲を満たす、健やかな癒場所」をコンセプトにしたリノベーション事例です。植物を育てるという趣味を第一に、育てやすい環境と心地良く囲まれる住空間を大切にリノベーションされました。

お宅拝見「面積以上の価値をシームレスに住みこなす」より

日当たりの良い物件を選び、植物専用のLEDライトを設置。白色で統一された壁・天井・床は、部屋に入った光を反射させて明るさを増幅させます。また天井のステンレスの格子に植物をハンギングできるようにしたり、LDKの床には水濡れに強い素材を採用したり、植物のお世話のしやすさに重点を置きました。

都心のコンパクトな住まい方に憧れ、36㎡のマンションを自分仕様に住みこなした間取りです。壁などで空間を遮断することなく、ワンルームのように広々と使えます。
収納は少々少なめですが、物の増減に応じてレンタルボックスやトランクルームといった街の機能を活用すれば、四季に応じた柔軟な暮らしを楽しめます。

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<リノベーションデータ>
所在地:東京都港区
居住者構成:シングル
専有面積:36.66㎡
間取り:1LDK
既存建物竣工年:1983年
リノベーション竣工年:2021年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/12849
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好きな物を飾って生活したい人は、収納にひと工夫すると良いでしょう。こちらは夫婦で幅広い趣味を楽しまれているご家族のリノベーション事例です。

お宅拝見「多趣味なご夫婦の好きなものに囲まれた暮らし」より

玄関からLDKに続く廊下をギャラリーのように仕立て、マンガやフィギュア、アートなどを飾るスペースに。いつも眺められる場所に漫画を収納したいという要望を叶えるため、奥行き10㎝の棚を造作しました。見せる収納を廊下に配置することで、省スペース化と遊び心を同時に満たす空間となっています。

LDKやキッチンにも快適に過ごすひと工夫が。LDKの一角に設けられたワークスペースは、リノベーション前には押し入れだった場所を活用したもの。引き戸をガラスにすることで開放感はそのままに、趣味のアイテムを飾るスペースにも活用できます。
キッチン奥のパントリーには器を収集するのが趣味だという奥様のワークスペースが。好きなものに囲まれながら仕事や趣味に打ち込めます。

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<リノベーションデータ>
所在地:神奈川県横浜市
居住者構成:ご夫婦+子ども1人
専有面積:79.69㎡
間取り:2LDK
既存建物竣工年:2003年
リノベーション竣工年:2022年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/12487
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②子育てがしやすい—子どもとの距離や、子ども部屋の有無

30代で結婚・出産を経て家族が増える人も多いでしょう。お子さんとの生活を踏まえた間取りでは、家族の距離感と将来を見越したフレキシブルさに注目するのがポイントです。

60㎡台のマンションにご夫婦と3人兄弟の計5人で住まうこちらのお宅は、寝台特急のような子ども部屋が特徴的です。

お宅拝見「3人兄弟と60㎡台のマンション暮らし」より

袖壁でふたつに分けられている子ども部屋は、作りつけのロフトや2段ベッドで立体的な構造に。家族での共有スペースを大切にしたいという考え方のもと、子ども部屋は勉強ができるデスクと寝る場所、教材を置くスペース程度と最小限に留めました。ドアはないもののロールスクリーンで仕切れるようにすることで、子どもたちの独立後には趣味のスペースとして活用できるようリノベーションされています。

家族の生活動線にもひと工夫が。洗面台を脱衣室の中ではなく、通路上に配置することで渋滞が発生せず、兄弟げんかの種を取り除くよう工夫しています。さらに伸びやかに作られた廊下は、子どもたちが紙飛行機を飛ばして遊べるくらいの広さに。家中が遊び場というコンセプトのもと、遊び心たっぷりの間取りとなっています。

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<リノベーションデータ>
所在地:東京都荒川区
居住者構成:夫婦+子ども3人
専有面積:66.9㎡
間取り:2LDK
既存建物竣工年:1997年
リノベーション竣工年:2016年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/1410
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子どもたちの成長に合わせて、計画的に二度リノベーションするアイデアもあります。こちらのお宅は、子ども達が生まれた段階で1回目のリノベーションを、小学校に入学した段階で2回目をリノベーションされた事例です。

お宅拝見「家族とともに成長する家と「あとリノ」」より

最初のリノベーションではこれから子育てをしていく時期だったため、壁で仕切る個室は最小限に、できるだけ広く空間を使える間取りにしました。子どもたちが小学校に入学したタイミングで再度リノベーションを実施。玄関ホールを壁で仕切り、個室を増設しました。当初より計画していたリノベーションだったことから、スイッチやコンセントなどの配線やエアコンの配管なども工事が済んでおり、スムーズにリノベーションが進められました。

当初より、住まいは暮らしとともに変化していくという考えのもと、余白を残してリノベーションすることでフレキシブルに間取りを変更できる仕様にしていました。2回目のリノベーションは住みながらの施工だったため、暮らしながら工事の過程を見ることができて、自分たちで暮らしを作っていく感覚が身近に感じられたそうです。家族全員で住まいの価値観を共有していくかけがえのない時間となりました。

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<リノベーションデータ>
所在地:東京都練馬区
居住者構成:ご夫婦+子ども2人
専有面積:72㎡
間取り:3LDK
既存建物竣工年:1980年
リノベーション竣工年:2020年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/330
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③職住融合—オンオフの切り替え方

30代は理想の働き方を具現化するのにも良い時期です。さらに近年ではリモートワークが定着し、プライベートとワークスペースの両立に頭を悩ませる人も多いことでしょう。職住融合を上手に図るコツとして 、個室と共有スペースを丁度良い距離感で仕切る方法が挙げられます。

アートディレクター兼イラストレーターとして活躍されているご主人がお住まいのこちらのお宅は、ガラスの間仕切りでのびやかに広がるアトリエが印象的です。

お宅拝見「明るいアトリエと開放的な居室空間」より

玄関を入るとすぐにアトリエがあります。窓辺にはデスクが作りつけられ、植栽の木々を心地良く感じられます。

壁式構造のマンションだったこともあり壊せない壁が多くありましたが、アトリエと玄関を仕切る壁は撤去できたため、ガラスに変更して光を奥まで引き込む間取りへと変更しました。
リビングダイニングもできる限り一体感を出したいという想いのもと、撤去できない壁を考慮しながら可能な限り引き戸へ変更。普段は空間を広く使うため、引き戸を開けてワンルームのように暮らしているそうです。

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<リノベーションデータ>
所在地:東京都大田区
居住者構成:夫婦
専有面積:72.73㎡
間取り:3LDK
既存建物竣工年:1977年
リノベーション竣工年:2017年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/2434
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こちらは家族全員が作業スペースを必要としていたことから、「昔の小学校のような家」をコンセプトに間取りを考えたユニークな事例です。

お宅拝見「渡り廊下と並ぶ教室」より

ご夫婦の作業スペースは腰高のパーテーションで仕切られLDKや渡り廊下と繋がるオープンな空間へ。子ども部屋にも共有スペースと接する面に室内窓を設け、お互いの気配が伝わるような間取りにしました。

マンションの最上階の角部屋という立地を活かして、リビングダイニングからキッチン、浴室、玄関へとつながる回遊性も確保し風が抜けるつくりに。プライベートとパブリックをゆるやかに区切る仕掛けとして、廊下を一段高くする工夫も。段差が緩衝帯となり程よい距離感を実現しています。

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<リノベーションデータ>
所在地:東京都杉並区
居住者構成:夫婦+子ども2人
専有面積:96.55㎡
間取り:3LDK
既存建物竣工年:2003年
リノベーション竣工年:2013年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/3657
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30代のマンションリノベーションで
取り入れたい間取り変更のポイント

個性豊かに考え尽くされた間取りをご紹介してきました。その中でも30代における間取りの考え方で共通するポイントは3点です。

・ライフステージに応じた形を
かつては家の形に合わせて生活を営むのが前提でしたが、今日ではライフステージに合わせて間取りを変更するという考え方も一般的になっています。自身のこだわりや生活スタイルを大切に、優先順位をつけて間取りを考えていきましょう。

・既存のLDKにとらわれない
これまではLDKで区切られた家が多くありましたが、家族の形や働き方が多様化する中で、新しいスタイルがいくつも確立されています。既存の枠にとらわれず柔軟な発想で間取りを考えてみると良いでしょう。

・将来を見越したフレキシブルな間取り
特にお子さんがいる場合は、成長後や独立後についても考えてみましょう。予めリノベーションを二度行う方法や、子ども部屋を別の用途で使えるように設計するなど、長く使える間取りも重要です。

住まいのこだわりは人それぞれ。
人生設計に合わせて柔軟なつくりに

人生において大きな転換時を迎える30代は、住まいを見直すステージでもあります。その際に選択肢のひとつとして考えたいのが、中古マンションのリノベーションです。「この間取りは可能なのか」 「どのような物件が良いか」など、リノベーションに関する悩み事があれば、住まいづくりのプロに相談するのも手です。
まずは自由な発想でこだわりを詰め込み、理想の間取りを検討してみてください。

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