暮らしのリテラシーを育てる日常にある学びと、分かち合う楽しさ|住まいのヒント

Housing Tips
暮らし再発見マガジン のくらし by ReBITA
住まいのヒント

暮らしのリテラシーを育てる
日常にある学びと、分かち合う楽しさ

目 次
  1. 1暮らすことって、学びの場にもなる?
  2. 2暮らしのリテラシーは、どう育つ?
  3. 3ひとりでも、みんなでも。体験をわかちあう暮らし
  4. 4知ることや学ぶこと、それらを共有することの先に喜びがある

一歩先の当たり前を「くらしのスタンダード―RSS(ReBITA Sustainability Standard)」として、価値づくりの基準にしてきたリビタ。そのRSSの視点は、日々の暮らしの中に、新たな価値を見いだすヒントをもたらしてくれるかもしれません。今回は「暮らしを主体的に楽しむ力」と「人とのつながり」をテーマに、日常にある学びの楽しみや暮らしのリテラシー、価値や経験を分かち合うことで育まれるコミュニティについて考えていきます。

暮らすことって、学びの場にもなる?

私たちが日々選んでいるもの、そして使っている時間。その積み重ねが「暮らし」をつくっています。日々の選択のひとつひとつの中にある、自分なりの理由や新しい発見。それこそが、一番身近で贅沢な「学び」のかたちではないでしょうか。

住まいや暮らしの選択肢を広げることは、毎日をより楽しむことに直結します。だからこそ、あふれる情報にアンテナを張り、ときには自ら学ぶ。そうやって「暮らしのリテラシー」を育んでいくことは、誰かの真似ではない、自分らしい住まいを叶えるための大切な一歩になるはずです。

住まいや暮らしのリテラシーは、決まった正解を求めるのではなく、自分にとっての心地よさを知り、暮らしの中で小さな実験や発見を繰り返したり、誰かと知識を共有したりすることでこそ身につけることができる。そして、自分で考えて選択できる力にもなっていくものだと思います。
暮らしの中でコツコツと実践を重ね、誰かと価値や体験、時間をシェアすることで、リテラシーは広がり、そこからさらなる学びや喜びが育まれていくのではないでしょうか。

暮らしのリテラシーは、どう育つ?

・正解を決めないことが、小さな実験の出発点

小物、道具、収納、空間など、住まいにかかわる「もの」や「こと」に、こうしなければならないというルールや正解はありません。たとえば、部屋に飾る小物の選び方や飾り方には、その人の個性が表れるものです。
最初から完成形を目指すのではなく、使いながら用途や役割を試すことを楽しみ、日々の生活の中で自分らしい暮らしをつくっていく。その積み重ねが暮らしに関わる知恵を育んでいくことにつながります。
最初は、何を選べばいいか難しいと感じる方も多いかもしれません。そこで、インテリアのプロフェッショナルが実践している、暮らしのリテラシーに結びつくヒントをいくつかご紹介します。

インテリアスタイリストの岩佐知布由さん

「小物選びのポイントは、自分の暮らしや経験に根付いたものを選ぶこと。日々の暮らしや経験を振り返ってみると、自分の好みも少しずつ見えてくるはず。また、ちょっと見方を変えて、本来の用途とは少し離れて、モノそのもののかたちに注目してみると、小物づかいの幅が、グッと広がると思います。散歩中に見かけた小枝や、海で拾った小石や貝殻も、見方次第では立派な小物になるんです。自然のなかにある美しさを、ちょっとお裾分けしてもらうような感覚ですね」と教えてくれるのは、インテリアスタイリストの岩佐知布由さん。

かたちが気に入ったキーリングをオブジェに。小石なども小物として飾って楽しむ

「たとえば、棚に小物を並べるときも、トレイやお皿などを使って、それぞれの高さに違いを出すと、それだけで雰囲気がガラリと変わります。ちょうどいいトレイやお皿がなければ、ホームセンターで売っている端材の上に小物を乗せるだけでもいいんです。厚みのある洋書などを使ってみても、おしゃれになりそうですね。安定感のあるフラットなものであれば、工夫次第で何でも“台座”として活用できます」と岩佐さん。

専用のものを揃えるだけでなく、本来の用途から少し枠を広げて、自由な発想でものと向き合ってみたり、自然のものを取り入れたり、日々の暮らしの中で感じる小さな問いや気づきを丁寧に拾い上げていくと、自分でも驚くような発見に出会えることも。住まいを心地よく豊かにする知恵は、そんなところから育っていくのではないでしょうか。

同じ素材のものをまとめて、台座を活用して高さを意識して並べると整然とした印象に

▼引用元:
小物を上手に使って、自分らしい豊かな空間をつくる

 

・家具選びで全体のトーンを意識する知恵

小物と比較すると、スケールも価格もグッと上がる家具選びやレイアウトは、少し難易度が高いと感じるかもしれません。でも、小物と同じように自分らしい暮らしをつくっていくリテラシーを高めていければ、難しさは楽しさに変わっていきます。

リビタでインテリア計画を担当する木村文さん

「家具を壁や床に近いカラートーンで揃えて、空間をより広く開放的に見せる工夫を取り入れています。家具の色を壁の色に近づけることで家具の存在感が薄れて、広がりを感じやすくなるんです。この手法は、ソファのように大きな家具ほど効果的です。部屋を広く開放的に見せるためには、なるべく家具を空間に溶け込ませることをおすすめします」と話すのは、リビタでインテリア計画を担当する木村文さん。

グレーの壁紙にカラートーンを合わせたソファやラグで、空間を広く開放的に見せる

この基本を知っていれば、家具選びのハードルが格段に低くなりそうです。また、同じトーンで家具を揃えておけば、将来的に部屋のイメージを変えるときにも、他の色を加えるだけで印象が変化することもメリットだといいます。「最初から様々な色がある部屋よりも、簡単にイメージチェンジができるので、どんな色やテイストの空間にしたらよいか分からない場合は、まず手始めに同じトーンの家具を揃えておいて、徐々にその後の変化を楽しんでみると良いでしょう」(木村さん)

 

・住まい方の選択肢を広げる空間のつくり方

小物や家具と同じように、空間や住まいをつくるときも、一気に完成させるのではなく、足りないところに少しずつ手を加えていくことで、自分にとっての心地よさが見えてきます。
「家具のレイアウトにあたっては、モノを置かないスペースの存在も大切です。『何も無いと寂しいから』と、無理に家具を置いてスペースを埋める必要はないと思います。暮らしながら、じっくりと必要なものを見極めて、あえて家具を足していくためのスペースを残して、未来のインテリアを創造するのも楽しいですよ」と木村さん。何も置かないスペースは、未完成ではなく可能性の余白なのです。

余白には、小さめの家具、フラワーベース、壁にかけるアートなどを少しずつ足していく楽しみがある

▼引用元:
「シンプルで居心地のよい空間」を再考する家具選び・レイアウト目線から学ぶインテリア

リノベーションでは、最初に間取りを完璧につくるのではなく、調整できる余白を残し、家族構成やライフスタイルの変化に合わせて、フレキブルに手を加えていくという考え方が広まりつつあります。

一例としてご紹介したいのは、子育て中のリビタ社員へのヒアリングから抽出した「子育ての黄金プラン」。このプランでは、LDKと隣接する子ども部屋をつくっておいて、子どもが小さいうちはLDKの一部として広々と使うことをおすすめしています。また、子どもが小さいうちは、抱っこしながら移動するシーンが多いため、引き戸にしておけば開閉がしやすく、普段は開けっ放しにしておくこともできます。多目的に使えて、用途を自在に変更できる空間は、住まい方の選択肢の幅を大きく広げてくれることでしょう。

LDKに隣接する子ども部屋は、目も届きやすく安心

・暮らし方で考える収納、将来へのまなざし

住まいの快適さを大きく左右する収納のつくり方は、暮らしのリテラシーを発揮する絶好のチャンスです。一般的に部屋や場所ごとに収納を考えてしまいがちですが、やはりここでも固定概念にとらわれず、自分の暮らし方に合わせて収納をつくっていくことで、使いやすく片付けやすい住まいにすることができます。

生活動線、家事動線、時間帯による過ごし方など、家族構成やライフスタイルをセットで考えていくと、収納計画は一人ひとり変わってくるはず。
「子育ての黄金プラン」で導かれた、子育て世帯におすすめの収納は、家族全員で使えるファミリークローゼットが挙げられました。LDKや寝室、洗面室からアクセスがいい場所に配置すれば、生活動線もスムーズになり、洗濯ものをしまう場所も1カ所で済むため家事も軽減。寝室とクローゼットが分かれていれば、誰かが夜遅く帰宅したときにも寝ている家族を起こすことなく着替えられます。さらに、将来的には部屋として使うというオプションも。もちろん、これが唯一の正解ではありません。自分や家族の暮らし方や性格、将来への変化を見据えたまなざしをもって、本当に使いやすい収納を考えていくことが、リテラシーを活かして暮らしをつくっていく醍醐味だといえるでしょう。

家族全員で共有するファミリークローゼットは、暮らし方に柔軟に対応

▼引用元:
子育て中のリビタ社員の声から導いた、リノベーションでかなえる現代の「子育ての黄金プラン」

ひとりでも、みんなでも。体験をわかちあう暮らし

・ひとりだけど、ひとりじゃない暮らし

「コミュニティ」と聞くと、集団や所属をイメージする方も多いかもしれません。けれど、暮らしの中で感じるつながりは、もっとゆるやかで、個人的なものではないでしょうか。自分のペースや心地よさを大切にしながら、必要なときに誰かと時間や体験を分かち合う。そうした関わりの中で、暮らしで培ったリテラシーを共有し合うことで、お互いに学び合い、成長していく。そんな関係性は、日常の中で少しずつ自分の世界を広げてくれます。

持続可能な関係性には、何をどこまで共有するかという視点も大切です。コミュニティに属すること自体が目的ではなく、人や場所との距離感を、その時々で必要に合わせて選べる自由さも、暮らしの豊かさにつながっていくように感じます。
シェアハウス、シェアキッチン、共有菜園など、シェアを体験できる場所は、近年増え続けています。そうした機会を通して、自分にとって心地いい距離感を探り、身につけることができたなら、暮らしはもっと楽しくなっていくはずです。誰かと時間を分かち合う体験は、特別なものではなく、日常のすぐそばにあります。

 

・分かち合う喜びと、個の大切さ

コミュニティは、意図的につくられるものではなく、同じ感覚を共有する体験を重ねる中で、自然と育まれていくものなのかもしれません。目的がなくても成立する関係、ただ一緒にいられる関係。そこには、社会的なしがらみを超えた心地よさがあります。
住まいをシェアする場では、出会いや学びを通して関係性を深めていくような、人と人とのつながりが、日常的に育まれています。

リビタが運営するシェア型賃貸住宅「シェアプレイス」の入居者からは、「1人の時間も確保しながら、誰かと話せる余白があることにメリットを感じている」「無理に合わせるのではなく、必要なときに話し合ったり助け合ったりする関係性が自然に生まれる」「自分のペースで他者との距離感を選択しながら、ちょうどいい距離感が育まれる」といった声が多く寄せられています。

シェア型賃貸住宅「シェアプレイス」のラウンジ

「送別会や歓迎会をよく開いていましたし、一緒にキャンプに行ったりもしていました。特定の仲のいい人だけが集まるわけではなく、イベントをやるときは全員に声をかけて、そのときに集まりたい人が集まるっていう、自然な感じもよかった。それは普段ラウンジで集まるときも同じで、無理につきあう関係ではなく、自分の都合や気分で集まって、眠くなったらすぐに部屋へ戻れるというような、気楽な空気感が心地よかったです」と話すのは、2025年3月のクローズまで、約10年にわたり神田で運営されてきた「the C」に入居経験のあるしばさん。同じ時期に「the C」で暮らしていた仲間たちとは、10年以上を経た今でも交流があり、同じように心地よい関係性が継続しているといいます。その仲間の1人であるまっきーさんは「いろいろな人と出会えたこと、そしてその関係性が今も続いていることは、私の人生の大切なパーツだと感じています。大人になってからできる友達って少ないので、大切な人たちと出会えたことに感謝しています」と、「シェアプレイス」で得た、かけがえのない経験や人とのつながりを言葉にしてくれました。

10年以上経った現在でも定期的に集まるという「the C」卒業生のみなさん

▼引用元:
「シェアプレイスthe C」卒業生インタビュー価値観を共有する、一生ものの関係

 

・関わる人たちが、ともに育てるシェア文化

リビタの「シェアプレイス」を運営する側も、コミュニティを一方的につくるのではなく、住まい手の主体性を大切にした、場をつくることを模索しています。
リビタではこれまでシェアを、ものの共有から始まり、人や場、そして価値観へと広がってきたものとして捉えています。そしてコロナ禍を経た今、その先にある考え方として、住まい手と運営側がともに考え、実践し、新しいシェア文化を創り育て、「人と場」が再起する必要性が求められていると感じています。

敷地内にキッチンカーやコミュニティサイクルのポートを誘致したり、ライブラリーを新設したり、ワークスペース付きの「シェアプレイス」をつくるなど、時代のニーズを読み解き、住まい手の声を反映しながら、「シェアプレイス」を通して、今までにない新しい暮らしのかたちを提案することに挑戦しています。

リビタの「シェアプレイス」のマネージャー業務を担当する加藤陽介さん

「『シェアプレイス』は、運営会社が決めた制度や仕組みに依存せずに、入居者さんが自発的に生活するための受け皿でありたい。部屋をお貸しするだけではなく、新しい一歩を踏み出すようなお手伝いができたらいいなと考えています。 『シェアプレイス』をイベントやサークル運営の練習の場にしていただいてもいいですし、共同生活で価値観をぶつけ合いながら、学校や会社では教えてもらえない人との関わり方を学ぶのも、すごく意義があることだと思います」とは、リビタの「シェアプレイス」のマネージャー業務を担当する加藤陽介さん。場所や空間の共有に留まらず、価値観や経験、そしてリテラシーをシェアしながら、入居者同士、運営する側も含めた、関わる人たち全員で新しい価値を協創していく。そんなシェア文化の創造がここから始まっているようです。

「シェアプレイス」はもちろん、リビタが運営する大人のためのシェアスペース「BUKATSUDO」や、ローカルの魅力をシェアする「ザシェアホテルズ」など、シェアをテーマにしたサービスは、住まうこと、働くこと、遊ぶこと、泊まることを体験しながら、新たな発見に出会えるシェア文化を、さまざまな角度から味わえる場となっています。

「シェアプレイス調布多摩川」で開催されたまち開きイベント「いっぴんいち」

▼引用元:
シェアハウス運営の裏側と、コロナ禍で変化した「シェアする暮らし」の在り方

知ることや学ぶこと、それらを共有することの先に喜びがある

暮らしに関心を向けることは、日々の生活をより豊かにしていくための小さなきっかけになります。正解を探すためではなく、自分にとって心地いい選択肢を知り、試しながら学んでいく。その積み重ねが、あなたの暮らしのリテラシーを少しずつ磨いていくことでしょう。

そして、その学びや気づきを誰かと分かち合うことで、暮らしはさらに彩りを増していきます。無理をすることなく、自分の価値観を大切にしながら、必要なときに、ほどよい距離感で誰かとつながる方法は日常にあふれています。コミュニティの先にあるのは、心地よい人との関係性、暮らしの知恵や感覚を共有できる喜びです。
最近、胸が高鳴るような学びの体験や、誰かと喜びを分かち合った瞬間はありましたか? ぜひ暮らしの一瞬一瞬に目を向けながら、そんな時間を少しずつ増やしていっていただけたらと思います。

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