心地良い寝室づくりのコツとは。リノベーションで叶える憧れのくつろぎ空間|住まいのヒント

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住まいのヒント

心地良い寝室づくりのコツとは。
リノベーションで叶える憧れのくつろぎ空間

目 次
  1. 1入眠しやすく目覚めやすい、心地よい寝室とは?
  2. 2それぞれの心地よさを叶えた寝室リノベーション事例
  3. 3快適な寝室を実現するためのポイント
  4. 4こだわりを詰め込んだ理想の寝室へ

平日は仕事を終えてゆったりリラックス、休日はのんびりと過ごす。寝室とは、日々の疲れを癒やし、心地よい時間を過ごすための大切な空間です。プライベートな空間だからこそ、快適さやデザインにこだわりたいもの。
今回はリノベーションで叶えたこだわりの寝室に注目します。寝室リノベーションを成功させるためのポイントや、押さえておきたい注意点を詳しく解説しながら、魅力的な事例4つをご紹介します。

入眠しやすく目覚めやすい、心地よい寝室とは?

お宅拝見『リノベーションマンションで都心の一人暮らしを満喫』より

心地のよい寝室は、自然な入眠と目覚めをもたらします。ただ、ひと言で「心地よい寝室」と表現するのは簡単ですが、さまざまなポイントを考えなければならないのが難しいところ。主に“心地よさ”に関わるのは、光の入り方や防音性、室温の調整といった空間設計の観点、そして壁材や色合い、家具の配置といったインテリアデザインの観点です。
例えば、寝室には自然光を採り込むのがおすすめですが、同時に直射日光を避けることも大切です。快適な温度や湿度を保てるような工夫、静かさを確保することも必要でしょう。一方、ライフスタイルによっては、あえて住まいの真ん中に設置したり、空間を仕切る壁を設けなかったりする方が使い勝手が良いこともあります。住環境や生活動線を踏まえて、寝室の位置を決めるのが大切です。そのうえで、ベッドを中心とした家具・家電の配置やデザインを考えると良いでしょう。ほっと安心できるような壁材やカラーリング、間接照明を取り入れることもリラックス感を演出する要素として挙げられます。

それぞれの心地よさを叶えた寝室リノベーション事例

実際のリノベーション事例を4つご紹介します。それぞれのライフスタイルや理想を反映させた寝室のこだわりをご覧ください。

1:仕切り壁でゆるやかにつながる

62㎡の中古マンションをフルリノベーションしたご夫婦の事例です。長方形の空間の中央に斜めの壁が走り、LDKと水回り、寝室ゾーンに仕切られています。完全に閉じた部屋がないワンルームで、ふたりの気配をどことなく感じられる間取りです。

LDKとひと続きの寝室ゾーンは、モルタル塗装の壁がゆるく空間を切り分けています。抜け感が心地良く、部屋全体に心地良い自然光が行き渡るのが特徴です。開放感を保ちながら視線をシャットアウトするため、壁はユニークなサイズ感となりました。

枕元には読書灯にもなるヘッドライトのみ。ミニマルなデザインがインテリア要素としても映えます。オープンな収納として衣類をハンギングできるよう、ポールと棚を取り付けてあるのも特徴です。

寝室をはじめ、家全体でパブリックゾーンとプライベートゾーンを切り分けるのは明確な壁ではなく、デザイン的なディティールが織りなす世界観。壁材のモルタルのカラーリングを調整したり、使用するパーツをパブリックゾーンとプライベートゾーンで切り替えたりすることにより、視覚的な効果を狙っています。

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<リノベーションデータ>
所在地:東京都江東区
居住者構成:ご夫婦
専有面積:62.29㎡
間取り:ワンルーム
既存建物竣工年:1984年
リノベーション竣工年:2019年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/629
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2:室内窓で伸びやかな寝室へ

「たくさんの植物と暮らしたい」というコンセプトのもと、ワンルームにコの字型の壁を配したリノベーション事例です。

リノベーションをしたのは20代のご夫婦。これから家族が増えたり、ライフスタイルが変わったりする可能性を踏まえ、最小限の間仕切りで暮らしてみたいという考えのもと、この間取りに辿り着きました。

当初、寝室だけは個室にするという案があったものの、全体をゆるやかにつなぐことで空間の広さを感じやすくなりました。コの字の壁には半透明のポリカーボネートによる窓が2箇所あり、明るい印象に仕上げています。

リビング側はフィックス型にして、視線は通さず光だけを取り込むように。キッチン側は開閉できるようにすることで、視線や空気も抜けるよう設計しました。室内窓を上手に活用することで、採光と風通しの良さを叶えた事例です。

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<リノベーションデータ>
所在地:東京都足立区
居住者構成:ご夫婦
専有面積:75.45㎡
間取り:ワンルーム
既存建物竣工年:2009年
リノベーション竣工年:2018年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/1924
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3:二重窓で断熱性と防音性を解決

周辺の自然環境と建物の雰囲気を重視し、二子玉川にある築44年のヴィンテージマンションを購入したIさん。築年数は経過しているものの、予算や立地、さらには建物の面構えのかっこよさに惚れ込み購入を決意しました。

ただ、古い建物であるため窓の断熱性能が低いことや、寝室が道路に面しているため自動車の走行音が気になるのが懸念点でした。そこで導入したのが内窓。窓を二重サッシにすることで、暑さや寒さ、騒音問題もすべて解決したといいます。

本物件は玄関からLDKにつながる通路に加え、寝室とLDKをつなぐ動線があり、水回りを中心にぐるりと回遊できるオリジナリティ溢れる間取り。朝起きたらすべての窓を開けて掃除をするのがルーティーンのIさんは、左右どちら回りからでもスタートできる点が良いと話します。
ヴィンテージの玉すだれを吊し、クローゼットと寝室をゆるく空間を分けつつ、好きなものに囲まれる暮らしを実践しています。

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<リノベーションデータ>
所在地:東京都世田谷区
居住者構成:シングル
専有面積:56.67㎡
間取り:1LDK+S
既存建物竣工年:1977年
リノベーション竣工年:2021年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/13187
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4:小上がりに布団を敷くという選択肢

3人家族で安心して長く暮らせることを重視し、吉祥寺エリアにある築45年の中古マンションをリノベーションしたというKさんご夫婦。住まいの特徴は何といっても、LDKと併設している畳の小上がりです。

この小上がりは子どもの遊び場になっていたり、前面が大容量の床下収納になっていたり、使い勝手の良いマルチなスペースとなっています。さらに夜は布団を敷いて、家族全員の寝室に早変わり。

寝室を個室にしてしまうと、かなりのスペースを「寝るため」だけにしか使えなくなることがネックだったとKさん。さらに開放的な空間へと仕上げることで、家族の気配を感じながら過ごすことができ、安心感につながっているといいます。また間取りに余白を持たせることで、子どもの成長に合わせて変えていけるのも魅力です。

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<リノベーションデータ>
所在地:東京都武蔵野市
居住者構成:ご夫婦+子ども1人
専有面積:60.82㎡
間取り:1SLDK
既存建物竣工年:1972年
リノベーション竣工年:2015年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/2507
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快適な寝室を実現するためのポイント

個性豊かなこだわりのある寝室のリノベーション事例をご紹介しました。
ここで改めて、寝室づくりで踏まえておきたいポイントを振り返りましょう。

お宅拝見『好きなものに囲まれて、自分たちらしく緩やかに過ごす』より

①光について
心地良い目覚めのためにも日当たりの良さは大切です。ただ、直射日光が差し込む場合は窓の配置を工夫する、カーテンやブラインドを設置するなどの工夫を。窓がない、もしくは北向きの部屋なら、室内窓や一部が透明になった建具を導入するのもおすすめです。

②通気について
空気がこもりがちになるため、通気性の良さも重要です。梅雨や夏場のじめじめとした時期に備えて、空気中の水分量を調整する「調湿素材」を採用するのもよいでしょう。珪藻土の塗り壁や調湿タイルなどの種類があり、1年を通じて快適な湿度をキープしてくれます。

③温度、音について
快適な眠りには適温と静けさが欠かせません。方位や生活動線、住環境から、寝室の場所を設計することが大切です。また内窓を設置して二重窓にすることで、断熱性と防音性を向上させることも可能。

④インテリアについて
リラックスできるよう壁には淡いブルーやグリーン、グレーといったアースカラーや寒色系を取り入れましょう。
照明も「明るすぎず・暗すぎず」を意識し、白熱球のような優しい光で包み込むのがおすすめです。寝室の照明として向いているのは、調光機能付きの照明や間接照明など。就寝のみの用途なら間接照明のみでも構いませんが、読書など寝室内で作業をするのなら、ダウンライトやシーリングライトを組み合わせるとより快適でしょう。

⑤家具の配置について
寝室において最も大きい家具はベッドです。はじめにベッドの位置を定めて、詳細を取り決めるとスムーズでしょう。また、空気清浄機や暖房機材、加湿器など季節ものの家電も考慮し、配置やコンセントの計画を立てましょう。

こだわりを詰め込んだ理想の寝室へ

「ただ寝る場所」としてではなく、心身をリフレッシュする場所として生活に寄り添うのが本来の寝室の役割です。もちろんリビングやキッチンなど家族が集う場所も日々の暮らしに欠かせませんが、ゆったりと自分らしく過ごせる寝室のあり方をいま一度考えてみてはいかがでしょうか。

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