住まいにカフェのような居心地を。 カフェ風リノベーション事例5選|住まいのヒント

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暮らし再発見マガジン のくらし by ReBITA
住まいのヒント

住まいにカフェのような居心地を。
カフェ風リノベーション事例5選

目 次
  1. 1カフェのような空間をつくる5つのポイント
  2. 2カフェスタイルを取り入れたリノベーション事例
  3. 3カフェらしさを、住まいに取り入れるために
  4. 4カフェのような居場所を、日常に

カフェの魅力は、肩の力を抜いて自由に過ごせる居心地のよさにあります。仕事をしたり、ひと息ついたり、誰かと話したり。決まった過ごし方を求められない、その柔軟さに惹かれる人も多いのではないでしょうか。最近ではライフスタイルの多様化に伴い、そんなカフェのような空間を、自分の住まいにも取り入れたいと考える人が増えてきています。今回は5つのリノベーション事例を通じて、カフェのようにくつろげる居場所 をつくるためのヒントをご紹介します。

カフェのような空間をつくる5つのポイント

カフェのような空間づくりというと、インテリアのテイストに目が向きがちですが、大切なのは見た目だけではありません。仕事やくつろぎ、ひとりの時間や誰かと過ごす時間。そうした日常のさまざまな場面を、無理なく受け止めてくれる「余白」や「ゆるやかさ」が、その心地よさを支えています。ここでは、カフェのような居心地を住まいに取り入れるためのポイントを、いくつかの視点から整理してみます。

・仕事と暮らしが、ゆるやかに溶け合う空間を

在宅で仕事をする時間が増えたことで、住まいのなかには「働く場所」と「くつろぐ場所」が同居するようになりました。オンとオフを柔軟に切り替えるために参考になるのが、居室や家具の役割を固定しすぎない、カフェのような「ゆるやかさ」のある空間です。たとえば、リビングの一角にワークスペースを設けたり、ダイニングテーブルをデスクとしても使えるように配置したり。仕切りすぎない空間設計が、暮らしと仕事をやわらかくつなぎ、それぞれのライフスタイルに寄り添う心地よさを生み出してくれます。

 

・照明や色味の工夫でつくる、心休まる雰囲気

カフェ特有の落ち着いた雰囲気を支えているのが、照明や色づかいです。天井からの明るすぎる光ではなく、ペンダントライトやスタンドライトで陰影をつくることで、空間にやわらかな奥行きが生まれます。色味は、ベージュやグレー、ブラウンといったアースカラーを基調にしながら、木の質感になじむニュートラルカラーを重ねていくのがおすすめです。そこにグリーンやネイビーなどをアクセントとして添えると、落ち着きのなかにもほどよい変化が生まれます。

・カウンターや段差で、自然と居場所が生まれる設計に

カフェには、さまざまな「居場所」が用意されています。窓際のカウンター席、ソファ席、二人がけのテーブル。住まいでも、カウンターや小上がりといった空間の変化を取り入れることで、自然と用途や気分に応じた居場所が生まれます。たとえば、キッチンに面したカウンターはひとりで集中したいときの特等席に。リビングの小上がりは、ごろんと横になれる場所に。壁で仕切らずとも、段差や高さの違いが心地よい「間」をつくってくれます。

・家具や愛用品を起点に、自分らしさを表現する

カフェの個性は、選ばれた家具や小物にも表れています。ヴィンテージの椅子、こだわりのカップ、本棚に並んだ雑誌。住まいでも同じように、お気に入りの家具や器、旅先で見つけた小物などをさりげなく配置してみましょう。無機質になりすぎない、生活感と個性のバランスが、空間に温かみと奥行きを与えてくれます。壁にファブリックをつるしたり、窓辺にグリーンを飾ったり。そうした積み重ねが、自分らしいカフェのような空間をつくっていきます。

・ひとりでも、誰かとでも心地よく過ごせる距離感

カフェには、適度な余白があります。隣の席との間に程よい距離感があり、ひとりでいても孤独ではなく、誰かといても窮屈ではない。住まいにもそんな「ちょうどいい距離感」を意識してみましょう。家具の配置や動線を工夫することで、家族それぞれが自分の時間を楽しみながらも、ゆるやかにつながっていられる空間が生まれます。ひとりの時間も、ふたりの時間も、みんなの時間も、等しく心地よく過ごせる。それがカフェのような住まいの魅力です。

カフェスタイルを取り入れたリノベーション事例

住まいにカフェのような空間をつくるポイントを抑えたところで、次は実際のリノベーション事例を見ていきましょう。カフェの要素を上手に取り入れながら、どのように自分らしい暮らしのかたちを実現しているのか。ぜひ参考にしてみてください。

 

1:暮らしと仕事をつなぐ、カフェのようなワークスペース

コロナ禍でリモートワークが増えたことをきっかけに、自然豊かな郊外のリノベーション物件を新居として選んだTさんご家族。毎日自宅で仕事をするご主人のライフスタイルに合わせて、書斎をカフェのような空間に仕上げました。

壁一面に造作した本棚は、前の家から愛用していたカフェテーブルとソファを使うことを前提に設計。集成材にエイジングオイルを塗装し、テイストを合わせています。壁紙は黒板のような色味のダークグリーンを選び、落ち着いた雰囲気に。機能的なチェアで長時間作業するのではなく、リラックスしながら働ける場所を目指しました。

ここはワークスペースではあるものの、オフィスとは異なるサードプレイスのような空間です。奥様が勉強するスペースとしても使い、将来的には家族の図書室のように皆で共有する可能性もあると言います。用途を決めきらない余白が、暮らしの変化に寄り添ってくれているのです。

間取り図(before→after)

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<リノベーションデータ>
所在地:東京都武蔵野市
居住者構成:夫婦+子ども2人
専有面積:83.09㎡
間取り:3LDK
既存建物竣工年:1989年
リノベーション竣工年:2019年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/6070

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2:ランチタイムとバータイム、時間で変わる居心地

東京都多摩市の築9年という築浅マンションを部分リノベーションしたOさんご家族。料理人になるのが夢だったというご主人のこだわりを叶えた、キッチンが主役となる住まいを実現しました。

飲食店のような雰囲気にするため、キッチンは少し下がった位置に配置。同時にカウンターに段差をつくらないよう、床レベルを調整することで、使い勝手とこだわりを両立させました。その段差には間接照明を仕込み、小上がりはベンチのように腰掛けることもできる場所に。キッチンカウンターと連続するダイニングテーブルは床材もフロアタイルで切り替え、空間に変化を生んでいます。

「ランチタイムとバータイム」というコンセプトのもと、目指したのは時間帯によって使い方を切り替えられる空間です。昼は日当たりがいいので、家族が集うリラックスできるカフェのような居心地に。夜は調光できる黒いスチールのペンダントライトや間接照明の効果で、バーのような雰囲気に変わります。「家に居ながらにしてバーで飲んでいるかのような気分が味わえる」と、夫婦の晩酌を楽しんでいます。

間取り図(before→after)

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<リノベーションデータ>
所在地:東京都多摩市
居住者構成:夫婦+子ども2人
専有面積:72.50㎡
間取り:2LDK
既存建物竣工年:2013年
リノベーション竣工年:2022年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/15341

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3:躯体を活かしたインダストリアルな空間

映像関連のお仕事をされているご主人とジュエリーデザインをしていた奥様、そして息子さんの3人で暮らすLさんご家族。ご夫婦ともにイラストやアートワークが得意で、LDKをカフェのような雰囲気にしたいと考えました。

天井や壁をスケルトンにして、コンクリートの躯体を露出。コンクリートとの相性を考えて、床材やキッチンもセレクトしていきました。床は凹凸感のあるバーンオークというフローリングで、ナチュラルなエイジング加工が施され、経年したワイルドな風合いを出したもの。キッチンは、コンクリートとの相性を考えてオールステンレスに。業務用の作業台や吊戸棚も取り入れ、インダストリアルな雰囲気を演出しています。

ダイニングテーブルの上に吊された電球は、設置されたパイプにコードを巻き付けて長さを調整。大きさも高さもあえてランダムに、なんどもやり直しながらしっくりくるバランスを探っていったといいます。まるでファッションのコーディネイトのように、楽しみながらテイストづくりをした結果、誰かの真似ではない、自分たちらしいカフェのような空間が生まれました。

間取り図(before→after)

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<リノベーションデータ>
所在地:東京都大田区
居住者構成:夫婦+子ども1人
専有面積:72.82㎡
間取り:2SLDK
既存建物竣工年:1987年
リノベーション竣工年:2015年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/3399

 

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4:カフェで仕事をするように、非日常感とフレキシビリティを

都心のリノベーションで暮らす40代シングルのFさんは、入居6年目にして心機一転フルリノベーションを決意。なかでもリビングダイニングは、仕事もできるカフェのような空間を目指しました。

玄関を入ってすぐにオールステンレスのキッチンがあり、角がアールになった五角形のダイニングテーブルの周囲を回遊できる動線に。テーブルの脚は黒皮鉄のガス管で、パイプスペースや冷蔵庫が収まっている柱のような壁を囲むようにつくられています。壁には棚も造作し、本やお酒のボトル、アクセサリーなどを並べて、空間を飾ることも楽しんでいます。

ローテーブルとして使っているのは、倉庫などで資材を保管するために使われるジュラルミンの箱。ガレージハウスでよく使われるもので、インダストリアルな雰囲気を演出しています。「家っぽさや生活感を感じさせない非日常感を大切にしたかった」というFさん。食事も仕事もできるフレキシブルさが、日常に旅をしているような気分をもたらしています。

間取り図(before→after)

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<リノベーションデータ>
所在地:東京都新宿区
居住者構成:シングル
専有面積:83.94㎡
間取り:1LDK
既存建物竣工年:1987年
リノベーション竣工年:2021年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/15938

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5:インナーバルコニーで、ワーケーション気分を

ご夫婦ともにメーカー勤務のIさんご夫妻。東京都渋谷区のリノベーション済みマンションを購入し、インナーバルコニーをカフェのような空間として活用しています。

インナーバルコニーは午前中の自然光がとても気持ちよく、ガラスの建具で仕切られた開放的な空間です。奥様が土日に仕事をする際には、この空間のテーブルで作業することが多いと言います。「少し仕事感が薄れるので、気分的に切り替えができて助かっています」と奥様。

普段は個室のワークスペースを利用しているご主人も、時折このインナーバルコニーで仕事をすることがあるのだとか。「午前中にここで作業をすると気分が切り替わり、ワーケーションのような感覚で集中できる」とその魅力を語ります。インナーバルコニーという「カフェのような場所」があることで、住まいの中に仕事と暮らしをゆるやかにつなぐ余白が生まれました。

間取り図(before→after)

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<リノベーションデータ>
所在地:東京都渋谷区
居住者構成:ご夫婦
専有面積:72.95㎡
間取り:2LDK
既存建物竣工年:1970年
リノベーション竣工年:2022年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/14142

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カフェらしさを、住まいに取り入れるために

さまざまな事例を通じて、カフェ風の住まいでの暮らしがイメージできたでしょうか?最後に、カフェの要素を意識しながらリノベーションを実践する際に、注意すべきポイントを整理していきます。

①住まい全体を「カフェ風」に統一しなくてもいい

カフェらしさを意識するあまり、住まいのすべてを同じテイストでまとめようとすると、かえって窮屈な印象になってしまうことも。大切なのは、メリハリをつけることです。LDKやワークスペースなど、家族が集う場所や自分が長く過ごす場所にカフェの要素を取り入れる一方で、寝室や水まわりは機能性を優先し、リラックスできるシンプルな空間に。そうすることで、より特別な居場所として際立ち、暮らし全体にもゆとりが生まれます。

②雰囲気づくりと、日々の使いやすさのバランスを考える

たとえば、間接照明で落ち着いた空間をつくりつつ、手元を照らす照明も確保する。見せる収納でおしゃれに演出しながら、生活感の出るものはしっかり隠せる収納も設ける。雰囲気と機能性、両方のバランスを意識することで、見た目だけでなく暮らしやすさも兼ね備えた空間が生まれます。

後段で雰囲気と使い勝手を両立させる工夫を列挙しているので、「両者は同じくらい重要」というロジックの導入としました

③用途を限定しすぎず、空間に「余白」を残す

カフェが心地よいのは、読書をする人、仕事をする人、会話を楽しむ人、それぞれの過ごし方を受け入れる懐の深さがあるからです。住まいも同じように、用途を限定しすぎず、空間に余白を残しておくことで、その時々の気分や家族の変化に柔軟に対応できます。ダイニングテーブルで食事も仕事もできるようにしたり、小上がりを多目的なスペースとして設えたり。余白のある空間が、暮らしに自由さとゆとりをもたらしてくれます。

カフェのような居場所を、日常に

照明や色味、家具の選び方、空間の使い方を工夫することで、自然と気持ちが落ち着く居心地のよさを住まいにも取り入れることができます。仕事と暮らしの境界をゆるやかにときほぐし、日常にゆとりをもたらす「余白」となる。そんな空間を住まいに取り入れたいという人にとって、リノベーションはひとつの選択肢になるはずです。お気に入りのカフェをお手本にしながら、自分らしい心地よさのかたちを、ぜひ探してみてください。

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