大人のためのシェアスペースBUKATSUDO とは|まちとのつながり

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まちとのつながり

大人のためのシェアスペース
BUKATSUDO とは

目 次
  1. 1『BUKATSUDO』で人が集まる「場づくり」に挑戦
  2. 2イベントや講座を通じて、さまざまな「部活」が自然に生まれる
  3. 3「自分で何かをやってみたい」という人が集まってくる
  4. 4仕事も趣味もシェアすることで、広がっていく
  5. 5『BUKATSUDO』を通じて地域の力になれたら
  6. 6ほどよい距離感・学び・対話。部活みたいな居心地のよさ
  7. 7あとがき

「部活」という言葉を聞いて、「あの頃はたのしかった…」と遠くを見つめていませんか?
大人になっても、あの頃の「部活」のように参加できるコミュニティーを生み出しているのが、横浜・みなとみらいのシェアスペース『BUKATSUDO(ブカツドウ)』。仕事帰りでも、ショッピング中でも、趣味や仕事や勉強でも、集まることがきる場所です。ただのシェアスペースと違うのは、「会話が生まれる環境づくり」が行われていること。つかず離れずの大人っぽい距離感が心地よく、いつの間に知り合いが増えて、世界が広がって、自分がどんどん変わって行く。この気分は、あの頃の「部活」に似ているかも?
今回は『BUKATSUDO』マネージャーの川島史さんに、お話をお聞きしました。

『BUKATSUDO』で人が集まる「場づくり」に挑戦

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横浜・みなとみらいのドックヤードガーデンに『BUKATSUDO』があること、実は知らない方も多いのでは? 今年で8年目になるそうですが、スタートのきっかけを教えてください。

『BUKATSUDO』はランドマークの地下にあることもあり、利用者さんの「隠れ家的な場所」になっています。1993年にランドマークが完成して、もともとこちらには飲食店やゲームセンター、カラオケ店などが入っていました。その店舗が撤退し、横浜市芸術文化振興財団と三菱地所が「人が集まる場所」としてアート文脈も含めてランドマークのドックヤードガーデンの活用事業者を公募。リビタが提案した『BUKATSUDO』が採用され、2014年にオープンしました。

みなとみらいはオフィスや商業施設は多いけれど、「交流の場」が少ないんですよね。「仕事が終わったらちょっと寄れるサードプレイスがあったらいいんじゃないか」と考え出したのが「大人の部活が生まれる街のシェアスペース」というコンセプト。仕事帰りに好きなことや趣味を部活のように楽しむ人が増えれば、この街で働く人・住む人・遊びに来る人たちが共通の趣味でつながり、唯一無二の「場」が生まれるのではないかな、という発想です。横浜市からは、推進している「創造都市」施策の対象をより市民に広げていく一歩になるのでは、と共感をいただきました。

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『BUKATSUDO』を運営する中で、心がけていることはありますか?

常に変わり続けることでしょうか。シェアスペースに求められるものは、オープン当時から変わっています。とくにコロナ禍では、これまでと価値観が大きく変わってしまいました。空間や設備といった「ハード面」はそう簡単には変えられないけれど、接客やサービスなど「ソフト面」はどんどん変えられると思うんです。だからここは常に改善していかなければいけないな、と。

『BUKATSUDO』はリビタが直営しています。私はほとんど施設にいますし、スタッフも『BUKATSUDO』のコンセプトや活動に共感して働いてくれています。リビタが利用者さんに直に接するから、ニーズをキャッチしやすいんです。利用者さんの動きを見ていると「こうしたらもっと便利になるかも?」ということが見えてきます。そうしたニーズをキャッチして『BUKATSUDO』のあり方を進化させる努力を続けています。

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イベントや講座を通じて、さまざまな「部活」が自然に生まれる

『BUKATSUDO』には実際に「部活」があるそうですね。どのようにして誕生するのでしょう?

今は公式で15の部活があります(2021年8月現在)。リビタの役割は、積極的に「人が集まる機会」をつくり、部活につなげていくことです。たとえば「カメラ好きが集まったらいいな」「ビール好きが集まったらいいな」のように割と大らかな目的でイベントや講座を企画します。すると参加者の中から「カメラ部」「ビール部」などが生まれてきました。何度か受講して、参加者同士で親しくなって部活をはじめる方もいますし、年1回の文化祭に参加した方が「部活をつくりたい」と言ってくださることもありました。

リビタは「ムリやり部活をつくって盛り上げる」のではなく、「部活が生まれやすい環境をつくっている」というイメージです。型にはめるのではなく、イベントなどで同じような興味・関心を持った方が集まることで、それぞれの熱量が上がり、「部活をはじめたい!」と思う方が増えたらいいな、と。みなとみらい周辺にお住まいの方、お勤めの方はもちろんですが、都内からもたくさんの人が集まるような企画をいつも考えています。

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「自分で何かをやってみたい」という人が集まってくる

川島さんが利用者さんとお話しすることはありますか?

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もちろんです。本当にいろんな方がいて、趣味の話をした時に普段とのギャップに驚かされます。たとえばプログラマーとして企業に勤めている方に、「今、私はキーボードをつくっているんですよ」とお聞きしてびっくりしたことも。そんな風に好きなことを話しているときは、みなさん目がキラキラしてとってもたのしそうなんですよね。お話を聞いていると、私の興味の世界もどんどん広がっていくことを感じます。

みなさんに共通しているのは、「自分で何かをやってみたい」という想いを心に秘めていること。今は趣味がない方でも、まわりのみんなに刺激をもらって、興味の対象が見つかるはずです。『BUKATSUDO』で好きなことを見つけて、それを発展させる「きっかけ」になることを、これからも発信していきたいです。

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川島さんは『BUKATSUDO』に関わって、どのくらいになりますか?

私がリビタに入社したのは2014年5月で、その翌月の6月『BUKATSUDO』オープンとともに配属されました。リビタとしては、それまでに手がけてきた「シェアハウスの共用スペースを街に取り出して展開する」という経緯はあるものの、施設を運営するのは初めてでした。新規事業でもあったので、「ゼロからみんなで創っていこう!」という手探りな部分もあったと思います。

リビタのシェアハウスの入居者さん達が『BUKATSUDO』という新しい場所に興味を持ってくださり、オープニングイベントで協力してくださいました。リビタのシェアハウスの入居者さん達には多趣味な方が多いんです。『BUKATSUDO』はリビタのこれまでの活動の延長線上にあったので、関わってくださった方々がおもしろがって参加してくれました。

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仕事も趣味もシェアすることで、広がっていく

川島さんにとっても『BUKATSUDO』は大切な場所だということがわかります。ご自身にとって、シェアスペースはどういう位置付けですか?

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「趣味や仕事が広がる場所」だと思います。

料理も仕事も、自分の家でできることです。でも『BUKATSUDO』に来てそれをやることで、もっとたのしくなる「可能性」があります。ひとりでやると限界があるけれど、まわりにシェアすることで広がって、意外な方へ展開していくかもしれません。

たとえば、普段は好きな作家の本ばかり読んでいても、誰かに「これもいいよ」と言われて読んだら、すごく気に入ることってありますよね。きっと仕事もそうで、まったく異業種の方に相談したら、思ってもなかったようなアイデアをもらえることがある。人とコミュニケーションをとることで、自分だけの枠を超えた新しい発見が生まれるのではないでしょうか。今は副業OKの会社も増えているのもあり、実際に趣味から副業につながっている方もいます。

『BUKATSUDO』は会社や学校のように「強制されて集う場所」ではなく、「好きなことのために集う場所」。いつでも誰でも自由に参加できるオープンな場所です。

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『BUKATSUDO』を通じて地域の力になれたら

『BUKATSUDO』を通じて、街の活性化に貢献できていると思いますか?

BUKATSUDO』としては「人が集まる場」を通じて、横浜市の目指す「創造都市」の実現に寄与できたらと考えています。また、横浜は『ヨコハマ トリエンナーレ』や『Dance Dance Dance @ YOKOHAMA』など市民参加型のイベントに力を入れていて、『BUKATSUDO』はプレイヤーとしても参加しているんです。横浜市を盛り上げることはもちろんですが、こうした経験をもっと広い範囲で活かすことができたらいいな、と。

たとえば、横浜市よりもずっと小さな街から「『BUKATSUDO』みたいな場所をつくってほしい」と言われることがあります。著名な方を招いたイベントを続けることはむずかしいけれど、参加者が主体となった「部活」であれば、街の規模に関わらずできるはすです。さまざまな「場づくり」に取り組んできたリビタとして、力になれることはたくさんあると感じています。

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ほどよい距離感・学び・対話。部活みたいな居心地のよさ

結局のところ、『BUKATSUDO』の個性はどこにあると感じていますか?

みなとみらいは横浜市の中心部「知らない方とはむやみに話さない」ような都会らしい空気が流れています。ローカルだと知り合いばかりで息がつまることがあるかもしれません。ここはその中間というか。程よい距離をキープしながら、顔を合わせれば名前を呼んで挨拶してくれたり、困った時は手を差し伸べてくれるような懐の深さがあります。

BUKATSUDO』に行けば自分の居場所があるし、やりたいことに没頭できる。まわりと話すうちに気づきがあったり、ステップアップしたりと、いつのまにか自分が成長する。

これって学生時代の部活に似ていると思いませんか?

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あとがき

心地よさをつくるのは「場所」と「人」。どちらも欠くことができません。たとえばお気に入りのカフェがいつもリラックスさせてくれるのは、素敵な空間はもちろん、マスターや常連さん達と心が通っているから。「受け入れられている」という実感があるから。

『BUKATSUDO』も同じで、いつでも誰でも受け入れてくれる寛容さがあります。だからリビタが注力しているのは、「場所」の提供だけではなく、人が集まるきっかけづくり。クールな関係が主の都会でも、ユニークな「人」が集まれば、『BUKATSUDO』のような心地よい空間が生まれます。人が集まることで、街が活性化していく。リビタは街づくりの一翼を担っているのです。

シェアすることが増えている今の世の中で、ここにあるのは「心」をシェアするという本質的なコミュニケーション。まわりの人に刺激をもらうことで、次のシェアへとつながるはず。今はまだシェアできるものがない方も、自分のテリトリーから飛びたす勇気がない方も、『BUKATSUDO』をのぞいてもみることからスタートしませんか。

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