ワンルームと動くロフト
- 所在地:
- 東京都江東区
- 居住者構成:
- 夫婦+子ども2人
- 専有面積:
- 68.28㎡
- 間取り:
- 1ROOM
- 既存建物竣工年:
- 1987年
- リノベーション竣工年:
- 2013年
玄関側に大きめの土間があり、室内窓のある壁で土間と居室を切り分けている。壁はここだけで、可動式のロフトで空間を間仕切っている。浴室は玄関の脇にあり、トイレ、洗面、キッチンが壁に沿って並ぶ。バルコニー側にはリビングに面したシンクと一体型のダイニングテーブルがある。オープンでゆったりとしたキッチンは、家族が集う中心となる場所。バルコニー側の窓に面したご主人のワークスペースもある。
3歳ともうすぐ1歳になる娘さんたちのことを、最優先に考えたTさんご夫妻は、子どもたちが走り回って、すくすく育つ家をつくることに。ほぼワンルームの広い空間で、お姉ちゃんは元気に走ったり踊ったりと天真爛漫。もうすぐ姉妹2人の賑やかな追いかけっこが始まりそうだ。
ロフトを移動して、壁をつくれば、自由な間取りで個室を増やせる
——68㎡をほとんどワンルームとして使われていますね。とても広々とした印象です。南側にバルコニーが開け、高層階で眺望も素晴らしい。抜けが良くて、より広く感じます。
ご主人:子どもたちが走り回って、すくすくと育っていくような間取りにしたいということが一番の希望でしたからね。物件を選ぶときは、風通しや日当たりの良さも決め手となりました。
奥さま:まだ子どもが小さいので、日中は私と娘2人がいつも一緒に過ごしていて、しばらく個室は必要ないと考えています。部屋を細かく分けると狭く感じるし、余った空間に不要な物を置いてしまうと思うんです。物を増やさずすっきり暮らしたいということもあったので、ワンルーム的な空間が理想でした。
——ゆるく空間を間仕切っているのは、玄関側にあるロフトですね。周囲は黒板塗料で塗装され、上が畳のスペース、下が収納。このロフトがベッドスペースや水まわりへの動線の間仕切りになっているんですね?
ご主人:このロフト、実は動かすことができるんです! 今は玄関に近いところに設置していますが、将来的にはもっとバルコニー側に移動させて壁をつくって、子ども室を設けることも想定しています。
——そうなんですね! かなり大きなロフトですが、床に止めたビスを外すと動かすことができるとは!驚きました。お子さまの成長や生活の変化にあわせて、いろいろな間取りのバリエーションが考えられそうですね。
ご主人:暮らしてみないと分からないことも多いと思うので、あまり決め込まず、家具や物、間仕切りなどを必要最小限にしました。今は不必要なものがない状態。将来はいかようにでも変更することができ、マイナスではなくプラスにしていく家になっていると思います。
奥さま:子どもが何を言い出すか、成長してみないと分かりませんよね。両親がよく泊まりにくるので、ロフトの上の畳スペースは、今のところ客室として使っていますが、ここを子どもたちのベッドスペースにすることもできるし、娘2人なので完全な個室は必要ないかもしれません。
ご主人:10年後くらいに、そのときの状況に合わせて決められればいいですね。「個室が欲しい」と言い出して、壁をつくったとしても、娘たちが独立したらまた壁を撤去しようかなとか。将来動かせるロフトがあることで、気楽に考えることができますね。
ブラインドやカーテンで寝室や脱衣所を、ゆるやかにフレキシブルに間仕切る
——ロフトと壁の間にできた空間がご家族のベッドスペースになっています。さらにカーテンとブラインドを設置して、仕切ったりオープンにしたりできるようになっていますが、昼と夜で使い方を変えるイメージですか?
奥さま:昼間はオープンにして、広々と使っていますが、主人の帰宅が遅くなることが多いので、子どもたちが眠る時間には、カーテンとブラインドを閉めて、先に就寝しています。完全に閉めると、ほとんど光は入らず、音も気にならず、個室のような感じになります。
ご主人:遅い時刻に帰宅してから食事や入浴をしたり、深夜まで仕事をすることもあります。だからバルコニー側の窓に面した場所に、ワークスペースをつくってもらったんです。子どもたちが寝ている姿が見えると気を使いますが、ブラインドやカーテンが閉まっていると、起きているほうも気持ちが落ちつき、自分のペースで生活できます。
——ロフトの下の収納や水まわりにもカーテンが上手く活用されていますね。
奥さま:ベッドスペースの反対側は、水まわりや玄関へと続く動線となりますが、浴室の前は通路と脱衣所を兼ねています。だからカーテンで目隠しができるようにしました。カーテンは気軽に空間を仕切れるので、今後も間取りをアレンジするときに取り入れていきたいです。
壁と天井は自分たちで色を選んで塗装。たくさんのアイデアや遊び心を形に
——バルコニー側にはリビングに面したオープンキッチンがありますが、こちらは奥さまのご希望ですか?
奥さま:もともと持っていたソファに合わせて、シンクと一体となったダイニングテーブルをつくることを希望しました。家族が集うメインの場所です。将来的には娘たちと一緒に料理をすることもあると思うので、広々としたキッチンにしたかったんです。
——コンロがある壁側のカウンターの天板はモルタル、壁にはレンガ風のタイルが使われ、仕上げにもこだわられていますね。
奥さま:武骨でかっこいい感じが好きなのですが、設計者さんがその希望を汲み取って、いろいろな素材を提案してくれたので、想像していた以上に素敵な仕上がりとなりました。
——モルタルの天板に埋込まれたカラーバー(深夜放送休止時間に表示される映像)のアイデアはどこから出てきたのですか?
ご主人:私が映像関係の仕事をしているので、アイコンとしてどこかに埋込みたいと希望しました。いつも目に触れる位置に埋込むことができて嬉しかったです。
奥さま:浴室のタイルにも、数箇所にカエルのタイルを使って遊んでみました。
——床の素材は何ですか?
ご主人:杉の幅広のフローリングです。ワンルームで空間が広いので、幅広を選んで、ゆったりとした印象にしたかったんです。
——壁と天井は塗装ですが、うっすら色が付いていますよね?
奥さま:「ポーターズペイント」のベージュ系の色です。壁と天井、黒板塗料は自分たちで色を選び、すべて施主塗装しました。私と主人の両親にも参加してもらって、家族総出で2日間かかりましたね。適度に陰影が出て、味わいがあり気に入っています。
——ご家族にとっては良い思い出になりそうですね。お話をお聞きして、Tさんご夫妻のこだわり、たくさんのアイデアや遊び心が形になって、空間が仕上がっているのを感じました。
ご主人:設計者さんやリビタのコンサルタントさんからもいろいろとアイデアをもらいました。自分たちだけでは決められないことばかりでしたが、意見をもらって背中を押してもらって、アイデアが形になったと思います。
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