開放感と運河のパノラマ
- 所在地:
- 東京都品川区
- 居住者構成:
- 夫婦+子ども1人
- 専有面積:
- 120.37㎡
- 間取り:
- 2LDK
- 既存建物竣工年:
- 1992年
- リノベーション竣工年:
- 2016年
玄関を入るとすぐに右方向にLDKが広がる。玄関の土間とLDKを仕切るのは、プライバシーを守り、光や風を通すルーバー。左方向には通路があり、洗面・浴室、トイレ、子ども室、ウォークインクローゼット、寝室などが並ぶ。寝室の一角には書斎も設けられている。個室の扉は全て引戸で、開けておけば一体感のある空間を楽しむこともできる。
天王洲の湾岸エリアにある120㎡のマンションを購入し、リノベーションをしたNさんは、奥さまと1歳の娘さんとの3人家族。お仕事でよく利用される空港までの利便性に加え、運河を目前に見渡すパノラマの風景に魅了され、この物件を選んだといいます。10年後も違和感なく暮らせる家にするため、白やペールトーンをベースにシンプルにまとめた空間には、抜群の景観や開放的な雰囲気を活かすための工夫が随所に盛り込まれています。
築浅のマンションと同程度の予算で、
自分たちの好きな空間がつくれる
——2面が天王洲の運河に面していて、水辺がパノラマ状に広がる素晴らしい景観ですね。開放感にあふれていて心地いいです。
ご主人:この景観に魅了されて物件を決めました。以前は川を挟んだ向かいのマンションに住んでいたんです。そこは築年数も浅く、気に入っていたので、同じマンション内で広いところに住み替えようかなと考えていました。子どもが生まれて手狭になってきたので、広いところを探していたんです。この物件は候補には入っておらず、試しに見学だけさせてもらったのですが、この風景を見て一気に気持ちが動きました。
奥さま:窓がたくさんあって、海に浮かんでいるような居心地には特別なものを感じました。120㎡と広めだったことも良かったです。他の物件は、広くても90㎡くらいのところが多かったから。物件価格にフルリノベーションの費用を加えても、築浅のマンションと同じくらいの予算だったこともあり、自分たちの好きなプランや仕上げで、家を建てるように自由に空間をつくれることもいいなと思いました。
——ご主人は羽田空港に行かれることが多いとのことで、通勤にはとても便利な場所ですね。
ご主人:モノレールの駅までは雨が降っていても傘はいりません。空港まで雨にぬれずに行けるのでいいですね。どこに行くにも便利なエリアだし、周辺は飲食店も多くて何でも揃っています。
奥さま:家族で海外に行くことも多いのですが、真冬に常夏の国に行く場合でも、上着はなしで現地までアクセスできます。美味しいものが好きで都心住まいがライフスタイルに合っているので、娘が大人になるまではここで暮らしたいと思っています。今回の家づくりでは、主人の実家の近くで新築一戸建てを建てることも一瞬考えましたが、もっとずっと先でいいと思っています。将来的には鎌倉などの海の近くの家や別荘のような家もいいですね。でもこの住まいがとても気に入っているので、何年先でも人に貸したり売ったりすることはできないかもしれません(笑)。
ご主人:運河沿いのボードウォークは植栽が整備されていて、緑も豊かなんです。車も通らないので、家族で散歩をしたり、子どもを遊ばせる場所としても適していて、ファミリーにも住みやすい環境だと感じています。ボードウォークを自分の家の庭のように使えているので、とても恵まれていると思います。
絶景を眺めながら料理ができる
窓に面したキッチン
——リノベーションをするときに希望したことを教えてください。
奥さま:広さと景色を活かした開放的な空間にしたいと思いました。既存の間取りでは、ダイニングキッチンが独立して壁に囲まれていたので、その壁を取り払ってLDKを一体にしてほしいとリクエストしました。あとは既存の間取りを活かしていますね。キッチンの窓は一部が食器棚で塞がれていたのですが、これを撤去してキッチンは窓に面して配置してもらいました。せっかく自然光が入るのだから明るくしたかったし、湾岸の景色を眺めながら料理ができたら楽しいだろうなと思ったんです。この窓に面したキッチンは、とても気に入っているポイントです。
ご主人:リビタにリノベーションを依頼したいと思ったのは、自分たちに合った設計者さんを紹介してくれるところに魅力を感じたからです。私たちがお願いしたのはアトリエエツコさん。間接照明と薄いベージュなどの色味の使い方、清潔感のある空間がいいなと感じました。できるだけプロのセンスや提案を活かしたかったので、私たちの大まかな希望をお伝えして、ベースとなるプランを提案してもらい、それをもとにしてディテールを詰めていきました。
奥さま:提案していただいたプランについて、玄関とLDKの間がオープンすぎて、来客の時などに丸見えになってしまわないか気になりましたが、壁にすると圧迫感が出てしまうとのことで、設計者さんから抜け感が出るルーバーを提案してもらいました。ルーバーの太さを調整することで、玄関からはリビングのソファの辺りが見えないようになっているので、安心感があります。壁をつくっていたら、もっと狭く感じる空間になっていたでしょうから、広がりをキープできるルーバーにしてよかったと思っています。
奥さま:そういった機能的な部分では、お風呂の窓も設置してよかったポイントです。お風呂に窓を設けたかったのですが、窓を設ける壁のLDK側にはつくり付けの食器棚にしたかったので、どちらを優先させるか迷って、結局どちらも採用しました。窓があることで換気はもちろんお風呂に自然光を取り込むことができ、加湿器代わりとしても居室の乾燥防止にもなります。普段は食器棚の扉を開けているので、湿気がこもることもありませんし、来客時などは扉を閉めればいい。とても合理的で使い勝手がいいですね。
ご主人:具体的に希望したのは、運河に面したインナーテラスと書斎ですね。書斎は以前住んでいたマンションの共有スペースだったスタディブースを模してつくってもらいました。コワーキングスペースのブースのような空間です。とても使いやすく気に入っていたので、今回のリノベーションでも再現したいと思ったんです。完成した書斎は、コンパクトな空間ですがL字のデスクは、大きな書類などもストレスなく広げることができます。寝室とつながっていて、壁で間仕切られています。寝室はとくにホテルライクな印象にしたいと思っていて、きちんと間仕切りたかったのですが、上部は開放されているため圧迫感はありません。
——インナーテラスにはテーブルとチェアが置いてありますね。この場所はどんな使い方をしていますか?
ご主人:子どもがよく遊んでいて、お絵描きをしていることが多いです。大人はお茶を飲んだり、お酒を飲んだりすることも。インナーテラスの部分だけ床を大理石風の塩ビタイルにして、居心地が異なる場所になっています。ここで過ごしていると、気分が切り替わるように思いますね。
今の自分たちの好みを入れすぎず、
10年後も好きでいられる空間に
——仕上げについては、どのように決めていったのですか?
奥さま:私たちが好きなインテリアの写真などをお見せして、テイストを共有させてもらいました。全体的には海外のホテルのようなイメージのキレイめの空間が希望でした。色は白をベースに、ペールトーンでまとめたいと思っていました。10年後も違和感なく好きでいられる空間にしたかったので、あまり現時点での自分たちの好みを入れすぎないようにしました。歳を経るごとに、好みや流行も変わるでしょうから。
ご主人:最初にLDKの壁の色を淡いブルーグレーに決めて、それに合わせてホワイトウォッシュ加工の無垢のフローリングを選択。白いドアと黒いスチールのノブ、モールディングの幅木などのディテールを決めていきました。床はキッチンとリビングの間に段差ができるので、その切り替えの目印としてリビングだけ斜めに張っています。
奥さま:リビングの壁の一面は、本当はタイル張りにしたかったのですが、それは諦めてタイルっぽい柄の壁紙をセレクトしました。アクセントになっていて気に入っています。寝室の壁は濃いグレー、床はカーペット敷きで、落ち着きのある空間になっています。子ども室の壁は一部に淡いピンクの壁紙を張って、遊びの要素を加えました。
——完成した空間で過ごしてみて感じていることを教えてください。
ご主人:これだけ開放感があって外の景色を楽しめる空間なのですが、外からの目線は全くと言っていいほど気になりません。静かだしプライベート感があって落ち着きますね。朝もリビング側から朝日が登るので、とても気持ちよく感じます。起床してカーテンを開けた後、テレビではなくて景色をしばらく眺めていたいくらいキレイです。
奥さま:目に入るものは全て好きなデザインや色味のものを選んでいるから、やはり居心地は格別ですね。以前はおしゃなカフェなどに行きたくなりましたが、今は行かなくても家でくつろいでいる時間が一番だと思うようになりました。
——リビタのリノサポを利用し、リノベーションをしてみていかがでしたか?
奥さま:迷った時にすぐにコンサルタントの斉藤さんに相談できることがとても心強かったです。自分たちだけだったら、どうしたらいいか分からないことだらけだったと思います。
ご主人:設計者さんとの間にリビタの斉藤さんが入ってくれたことで、率直な意見が出し合えたように思います。私たちも遠慮せずにリクエストを伝えることができたし、出来ないことは出来ないというフィードバックも迅速でした。やり取りや決定がスムーズで、ストレスなくリノベーションを進めることができたと思います。
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