2023年に最もよく見られた
5つの「お宅拝見」
今年もたくさんのリノベーション事例をご紹介いたしました。コロナ禍で大きく変化した暮らしが落ち着き始め、出社勤務に戻った人がいるなかで、テレワークやハイブリットワークが日常化し、そうした暮らしに合わせた住まいを求める人も増えた2023年。今回もこの1年で最も見られた「お宅拝見」の記事を5つご紹介いたします。
面積以上の価値をシームレスに住みこなす
「賃貸の家賃がもったいない」という思いから、20代で住宅を購入したNさん。都心のコンパクトな住まい方と街を活用した暮らし方を提案する「mydot.」シリーズの価値観に共感し、リノベーション済みマンションを購入しました。
決め手は段差やカーテンで空間を緩やかに区切ることで、狭さを感じさせない開放的な空間設計と、使い方を選ばないニュートラルなデザイン。住みはじめてから、インスピレーションがどんどん湧いてきて、お気に入りのものを探すことが楽しくなったそう。
植物に囲まれた暮らしができるように、さまざまな工夫が盛り込まれていることも特徴です。日当たりが良好なことに加え、植物専用のLEDライトを設置。LDKの床は耐水性のある仕上げに、天井はステンレスの格子に植物をハンギングできるようにすることで植物を暮らしに自然と取り入れることができます。憧れだった、自分の身長よりも高い植物を部屋に置くことも叶い、視界に入るたびに癒されているのだとか。
また、照明計画にもこだわりが。洗面にはスマートライトの「Philips Hue」を設置し、平日の朝は集中モードの青い光、夕方は照度を落としてオレンジの光になるように設定。光が自分の暮らしに与える影響の大きさを実感しているといいます。
▶https://nokurashi.com/ownersvoice/12849
動線上に生活のパーツを散りばめて自分仕様に住む
コロナ禍以降ほぼリモートワークとなり、より良い住環境を求めてリノベーション済みマンションを購入したIさん。都内にありながら自然が豊かな環境や、3面採光で広いルーフバルコニーがあり、窓からは木々が見えることが大きな魅力だったそう。また、玄関からLDKにつながる通路に加え、寝室とLDKをつなぐ動線があり、水まわりを中心に回遊できる裏動線が特徴的な間取りも決め手でした。
たくさんの窓から入る自然光で明るい室内は全体的にフラットで、無駄のないすっきりしたデザイン。窓辺に造作した小上がりはチークで仕上げ、床に張ったオークと樹種を使い分けるなど、ひと手間かけたデザインもポイントです。愛用のビンテージ家具とも心地よく調和し、目にも心地よい空間に。入居後にはすべての窓に内窓を付けて二重サッシとすることで、寒さや音の問題を解消し、見た目だけでなく住み心地も高めています。
「家は職場でもあるので、労働意欲やインスピレーションや刺激を与えてくれる場所でもあって欲しい」という思いから、お気に入りの家具やアートを飾り、自分らしい空間にできることも、楽しみのひとつ。今後は広いルーフバルコニーを活かし、植物を増やしていきたいそうです。
▶https://nokurashi.com/ownersvoice/13187
職住切り替え自在、メゾネット・リノベーション
リモートワークが増え、自分のワークスペースが必要になったことで手狭に感じるようになり、面積が広いところへ住み替えを検討。築20年の100㎡超のメゾネットの物件を購入し、リノベーションしたYさん。上下階があることで、家を仕事場としながらもONとOFFを切り替えやすくなっています。
目指したのは、生活感のない、別荘のような非日常的な落ち着きのある空間。LDKはできるだけシンプルで開放的な空間に。インテリアのプロフェッショナルでもある奥さまが、仕事のために実験できる場としても活用できるように、玄関の下足棚ニッチやレコードのサイズに合わせたオープンな棚など、季節ごとにインテリアを変えたり、お客さまに合わせてディスプレイを飾ったりできる棚を設けました。親子の本を収納するスペースとしても、ゲストの好みに合わせておもてなしをするためのディスプレイ棚としても使用しているそう。また、ほとんどの壁・天井を珪藻土で仕上げるなどできるだけ自然素材を使うことで、美しさはもちろん、空気をキレイに保ちやすい空間を目指しています。
LDKと連続したコンサバトリーも特徴です。日当たりの良い場所で読書をしたり、お茶を飲んだりできるように、これからコの字型のベンチソファを造作する計画も。ホッと一息つける空間です。
▶https://nokurashi.com/ownersvoice/13796
リノベで叶えた、理想のエリアの戸建て暮らし
コロナ禍にリモートワークとなったAさん。当初は職場の近くに住み替えを検討していましたが、住み慣れた国立にエリアを絞り、中古物件を探してリノベーションをすることに。スケルトン状態の戸建てを購入し、さまざまな希望を盛り込みながらリノベーションしました。
1日の大半を過ごすワークスペースは、2階と地下1階の2ヶ所に設けました。地下のワークスペースは壁・天井を白、床はチャコールグレーのフロアタイルとし、照明は青みのある蛍光色にして、オフィスと近い環境にすることで緊張感をもって仕事ができるように。普段は居心地がよい2階で、ミーティング時や作業に集中したいときは地下と、気分や仕事の状況で使い分けできます。2階のワークスペースは、将来的に子ども部屋にすることも検討しているとのこと。
長期優良住宅の認定を受ける前提で計画された物件だったことも、安心感につながりました。リノベーションにより断熱性能を向上させているため、間仕切りの少ないオープンな空間でありながら、実際に住んでみても想像ほどは寒さを感じないそう。真冬の朝はガスファンヒーターを使うことがあるものの、日中はエアコン1台でまかなえるくらいで、窓の結露などもなく、快適に暮らせているそうです。
▶https://nokurashi.com/ownersvoice/14439
夫婦それぞれのワークスペースで幸せな住み分け
共働きであわただしい日々を過ごしていたWさんご夫妻。コロナ禍でリモートワークが中心となったこと、娘さんが生まれたことから、落ち着いて子育てができる住まいを求め、代々木上原にあるリビタのリノベーション済みマンションを購入しました。
物件の見学時に惹かれたのが、桜の木に面した大きな窓。風の抜け方がとても気持ちよく感じたそう。「普段は場所見知りをする娘が楽しそうに走り回っていた」という回遊できる間取りも魅力で、ほぼ一目ぼれだったと言います。
デザインは庭の緑も含めて計画され、庭とリビング・ダイニングが一体に感じられるように。リビング・ダイニングの窓に面した床は、庭の一部に敷かれたレンガと同系色のモザイクタイルを貼り、外と内が連続した空間を演出。インナーテラスやベンチのようにも使えて、来客時に座ってもらう場所として、子どもの遊び場として活躍するお気に入りの場所です。
LDKと個室側へ繋がる廊下との間にある引き戸は、日中は開けたままに、子どもを寝かした後は閉めて大人だけの時間に切り替え。引き戸の開閉で空間の使い分けができ、昼と夜で異なる空間として楽しめます。
▶https://nokurashi.com/ownersvoice/15061
5つのお宅拝見のまとめ
長く続いたコロナ禍が一段落した2023年。働き方が見えてきたことで、住まいに何を求めるのか、何を大事にしたいか見えてきた人が多いのではないでしょうか。家は寝るために帰る場所ではなく、仕事も、家事も、育児も、リラックスタイムも過ごす場所として、ONとOFFの切り替えや家事のしやすさ、住まいの性能を高めるためのリノベーションをおこなう人も目立ちました。
また、毎日通勤するスタイルから自宅で仕事をするようになった人も増え、住まいの周辺環境や物件自体のポテンシャルを、今まで以上に重視して選んだ人も多いようです。
2024年はどんなリノベーションされたお宅をご紹介できるのか、ぜひお楽しみに。