職住切り替え自在、メゾネット・リノベーション|お宅拝見

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職住切り替え自在、メゾネット・リノベーション

目 次
  1. 1仕事と生活の切り替えができる100㎡超のメゾネット物件
  2. 2猫の脱走防止や空調効率もアップ。ガラスの建具で快適性を高める
  3. 3バルコニーやコンサバトリーなど異なる居心地で気分転換

40代のご夫婦と10歳の長女、猫2匹で暮らすYさん家族は、築20年の100㎡を優に超えるメゾネットのお部屋をリノベーション。奥さまは、設計者でもあり、パース作成、家具のコーディネートなどを請け負うインテリアのプロフェッショナル。抜群のセンスで、生活感を出さないシンプルですっきりとしたショールームのような空間へと仕上げたYさんご夫妻に、こだわりの住まいづくりについて聞きました。

仕事と生活の切り替えができる
100㎡超のメゾネット物件

――この物件を購入してリノベーションしようと思った経緯と、リノベーションで叶えたかった暮らしをお聞かせください。

ご主人 ここから徒歩10分ほどの距離にあるマンションを購入して住んでいたのですが、リモートワークが増えて自分のワークスペースが必要になったことで手狭に感じるようになり、面積が広いところへ住み替えたいと考えていました。この物件は100㎡超のメゾネットで日当たりや風通しも抜群に良かったので即決しました。千葉のベイエリアは、良い物件があればと、常にマンションを探している方が多く、メゾネット物件自体もとても人気があるのでスピード感をもって購入を決めました。自宅にワークスペースをつくるにあたって、上下階が別れていることは、仕事と生活の切り替えという意味でも大きなメリットだと感じています。

奥さま 実は、以前住んでいた家もとても気に入っていたので、そこは私のワークスペースとして使い続けることにしました。インテリアの仕事をしているため、家具もたくさん所有しており、倉庫と兼ねて使っています。以前の家は、私好みのインテリアでコーディネートしていたので、今回は夫の好みに合わせたリノベーションをしました。

――奥さまはお仕事柄、設計・施工会社とのお付き合いもあるかと思いますが、リビタにリノベーションの依頼を決めた理由やきっかけがあればお聞かせください。

奥さま 直接頼むこともできたのですが、好みを共有できる建築家さんと一緒に、きちんとリノベーションがしたいと思っていました。中立的な立場でトラブル時の対応などもサポートしてもらえることを期待して、仕事でお付き合いのあったリビタに依頼することにしました。仕事でお会いするリビタの皆さんは、とても誠実で素敵な方ばかりなので、リノベーションのパートナーとして、ぜひ一緒に住まいづくりをしたいと思ったのです。

猫の脱走防止や空調効率もアップ。
ガラスの建具で快適性を高める

――リノベーションの設計の打ち合わせでは、どのような意向をリクエストしましたか?

奥さま 生活感のない別荘のような非日常的な落ち着いた雰囲気で、色のトーンは明るめをイメージしていました。とくにLDKはできるだけシンプルにして、余分なものが目に入らないことと、せっかくの広さを活かした圧迫感のない開放的な空間にできればと考えていました。それから、私の仕事のための実験の場にもしたかったので、季節ごとにインテリアを変えたり、お客さまに合わせてディスプレイを飾ったりできるような、棚をつくって欲しいとリクエストしました。玄関の下足棚ニッチは、ディスプレイ棚としてそれが実現しています。それから、私はレコード収集が趣味で、LDKにプレイヤーとレコードを置くための棚をつくってほしいとお願いして、レコードのサイズに合わせたオープンな棚をつくってもらいました。今は、娘と私の本などを収納しており、仕事関係のお客さまがいらした際のディスプレイ用の棚としても使用しています。お客さまを招くときは、例えば北欧好きな方であれば、北欧のガラスのオブジェや器を飾ったりして、ゲストの好みに合わせておもてなししています。本当はコレクションのレコードを収納して、リビングで好きな音楽を楽しみたいのですが、それはまだ先になりそうです。

ご主人 インテリアのセレクトなどは、妻にお任せだったのですが、私のリクエストとしては、なるべく接着材を使わず、上質な珪藻土で壁を仕上げたいと希望しました。娘と私は喘息があり、できるだけ自然素材を使って、空気をキレイに保つことができるといいなと思っていました。ほとんどの壁・天井を珪藻土で仕上げてもらったことがよかったのか、体調や気持ちの面でも住み心地の良さを感じています。

奥さま 壁・天井を白の珪藻土にしたことで、光を美しく反射して、天気や時間帯によっても雰囲気が変わるため、飽きのこない空間になったことも良かった点ですね。

――猫2匹を飼っていらっしゃいますが、「愛猫との暮らし」という観点でリノベーションをするのに心掛けたことはありますか。

奥さま うちの猫たちはテリトリー意識が強いので、それぞれの居場所をつくってあげることを意識しました。まず、2階の夫のワークスペースにキャットステップ付きの猫スペースをつくりました。これはルーバータイプの建具付きのクローゼットのような空間で、猫が苦手なお客さまがきたときなど、出てきてほしくないときにはケージ代わりにもなります。1階のLDKのディスプレイ棚の下にも猫トイレを置くためのスペースをつくりました。両方とも換気扇をつけてもらい、匂いの問題も解決。猫たちも上下階に分かれて、自分の居場所を持つことができ、ケンカすることもなくなりました。

――住まいづくりを通して一番こだわったところをお聞かせください。

奥さま ダイニングテーブルを大きなサイズにすることと、LDKのダイニングとリビングの間をガラスの建具で仕切ったことですね。玄関にも同じデザインの建具を設置してもらいました。できるだけミニマルな空間にしたかったので、遮る建具はないほうが良かったのですが、猫の行動をストレスかけずに操作できたり、空調効率を上げられたりしたことからつくってよかったと感じています。娘がダイニングで勉強することも多いのですが、そのときにも建具で仕切ったほうが集中できるみたいです。建具がガラスなので閉じていても、リビングとダイニングの様子が互いに伝わり、ダイニングからテレビを観ることもできて快適です。

バルコニーやコンサバトリーなど
異なる居心地で気分転換

――リビタのリノサポに依頼して良かったことなどをお聞かせください。

奥さま 施主の私たちが気づかないようなところまで細かくチェックしてくれたり、「これは気になるけど細かすぎるからちょっと言いづらいな」と感じるようなことも先回りして確認を取ってくれたりしたので、そこまで丁寧に見てくれるのか、と任せられる安心感がありました。私たちにとって、とても楽しいリノベーションになりましたし、想像していた以上に依頼して良かったと感じています。

――建築家の「アトリエエツコ」と住まいづくりをしてみていかがでしたか。

ご主人 妻も私も建築家の「アトリエエツコ」のつくる住宅が大好きで、リビタを通して依頼ができたことはとても幸運でした。「アトリエエツコ」は、柔らかな空気感をもつ品のよい洗練された空間をつくる方々だと思いますが、頼もしさも感じさせる印象でした。メリットもデメリットも包み隠さず、できないことはできないと理路整然とはっきり断言してくれて、予算的なこともストレートに議論してくれたことが、予算担当の私としてはとても助かりました。

奥さま リビタに相談する前から、リノベーションをするなら、こんな雰囲気が出せる建築家に家をつくってほしいと思っていたのが「アトリエエツコ」でした。デザインだけではなく機能性や使い勝手の良さも大切に考えてくださる方で細かいところにも気を配ってくれました。浄水器をつけることを希望していたのですが、水栓が表に出るのが嫌だったので、そのことを話したら「表に出る水栓は一つにしてすべて浄水にするのはいかがですか?」とご提案いただき、固定概念を払拭するようなアイデアに目から鱗が落ちました。「アトリエエツコ」が手掛けた物件で導入事例があり、機能的にも問題ないということで採用させていただきましたが、キッチンの見た目もすっきりとして使いやすく、とても満足しています。

――ここからは担当コンサルタント(岩田智里)も交えてお話をお聞きします。今回のリノベーションをどんな風に感じていますか?

岩田 ご夫婦それぞれ大切にしたいところがはっきりされていて、それをお互いに尊重されている様子が印象的でした。必要な場面でお二人からしっかりとご意見をお伝えいただけたことで、建築家・工務店・リビタが迷うことなく、スムーズに動くことができたと思います。

――リノベーション後、暮らしに変化はありましたか?家での過ごし方などお聞かせください。

ご主人 ワークスペースで快適に仕事ができるようになりました。また、気分を変えてダイニングで仕事をしたり季節が良い時期はバルコニーに出たりして、家の中で気分転換ができるようになり作業効率もよくなったように感じています。

奥さま 私はウォルナットなどの暗めの木やダークな色のトーンが好みで、今回の明るい色のトーンを基調とする空間づくりは、新しい挑戦でした。実際に住んでみると清々しさがあり住みやすさを感じています。この明るさを活かして、カーテンはリネンを選び、磁石を使ってタッセルのつけ方にもこだわることで光の透け感を調整してみるなど、インテリアのコーディネートも今までにないアイデアを試せて、仕事の引き出しが増えました。夜は間接照明を使って暗めの空間を楽しむなど、家で過ごす時間が今までより味わい深くなっていると思います。

――今後、手を加えていきたいポイントがあればお聞かせください。

奥さま コンサバトリー※は、LDKと連続していますが、日当たりもよく居心地が異なり気分が変わる場所なので、コの字型のベンチソファを造作したいです。読書をしたりお茶を飲んだりして、ホッと一息つける空間にしていければと思っています。また、終の棲家とは考えておらず、10〜15年後にはもしかしたら郊外の戸建てなどに引っ越す可能性もあります。そのときのための実験の場という意味でも今後いろいろな家具のコーディネートを試していきたいですね。

※屋根や壁面が屋外に面したサンルーム

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文:村田保子/撮影:古末拓也(5枚目のみ 撮影:中村絵)
取材・撮影:2023年1月(5枚目のみ 2021年10月)
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