リモートワークを支える可動式ベンチと庭
- 所在地:
- 東京都世田谷区
- 居住者構成:
- ご夫婦
- 専有面積:
- 63.85㎡
- 間取り:
- 2LDK
- 既存建物竣工年:
- 1998年
- リノベーション竣工年:
- 2020年
玄関側を入ると廊下があり、玄関側に2つの個室が並んでいる。玄関を背にして右側を寝室、左側をクローゼットとして使用。クローゼットのほうの廊下に面した壁は腰くらいまでの高さで、上半分が室内窓のように抜けている。廊下にはトイレ、洗面・浴室が並び、その先のドアの向こうに19帖以上のLDK。キッチンからクローゼットへ抜けることができ、廊下、LDKまで連続する回遊動線。リビングに面してテラスと庭があり、室内外を含めると100㎡近くの空間になる。
アパレル関係の仕事をしているNさんご夫妻は、渋谷からも徒歩圏内という都心に位置するリノベーション済みマンションを購入しました。思いかけずついてきた庭や、小上がりにもソファにもなる可動式の造作ベンチなど、リノベーション済みだったからこそ出会えた、内外の空間を自分たちらしく使いこなしています。暮らし上手なNさんご夫妻に、物件選びの経緯や入居後の住まい方などについて聞きました。
こだわりが強すぎるから選んだ
リノベーション済みマンション
――リビタの「リノベーション済みマンション」との出会いや購入に至った経緯を教えてください。
ご主人 利便性の良い都心エリアで、新築・中古、マンション・戸建などの広い選択肢を視野に探し、10軒ほど見学したのですが、決め手にかけていた状況でした。いろいろ見ていくうちに、中古のリノベーション済みマンションがいいという方向性が決まり、インターネットで検索しているうちに、この物件を見つけました。条件として、低層マンションの2〜3階がよかったので、1階の庭付きというのは想定外だったのですが、気になって一度見学することに。実際に見て「こんな家があるんだ」と。日当たりがよく、60㎡程度、駅近、資産価値が落ちにくいエリアにあり、外からの目線が気にならないといった私たちの求める条件を、ほぼ満たしていました。
奥さま 夫が「マイナスがない家だね」と言ったので、「ここがいいんじゃない?」と背中を押しました。思慮深い人なのでプッシュがないと決められないと思って(笑)。でも実際に見た中でも、私たちの条件を満たしている家は、ここしかなかったのです。1階だと外からの目線が気になるだろうと、候補から除外していたのですが、見学してみると南向きで光はふんだんに入るけど、高い壁で守られていて、通りからの視線はまったく気にならない。1階という理由だけで候補から外してしまうと、物件との出会いのチャンスを逃すことになると感じました。
ご主人 幅広くさまざまな物件を見てきたので、自由度が高すぎてなかなか決められなかったんです(笑)。思いかけず庭のある家に住めるとなると、すごくテンションが上がりました。実は庭への憧れが強かったみたいです。庭も含めて、この家全体の世界感を好きになりました。
――中古の物件を購入して、ゼロからリノベーションをしたいという希望もありましたか?
ご主人 二人ともこだわりが強く、細かいところまで気になるタイプ。時間がかかるし、思い悩んでしまいそうなのでゼロからつくるのは難しいと思っていました。リノベーション済みの物件で、ある程度自分たちが好きな空間であれば、工夫やアレンジをしながら、合わせて暮らしていくほうが、自分たちには向いています。
奥さま 私たちは転勤が多く、二人合わせると30回ほど引っ越しをしています。さまざまなタイプの家に住んできた経験から、家に合わせて空間をつくることにも馴染みが深く、慣れていました。この物件は、間取りやのデザインのセンスも私たちの好みに合っていて、立地や周辺環境など変えられないものが条件に当てはまっていましたから、良い出会いだったと思います。
――中古物件への不安などはありましたか?
ご主人 新築も検討した中で、エリアを重視するなら予算的には中古が妥当だと考えていました。中古でよかったかどうかは、20~30年暮らしてみないと結論は出せません。今考えても仕方がないと思っていますし、今のところ不満はないです。
奥さま 新耐震基準の物件であれば、それほど抵抗はなかったです。中古マンションは、修繕積立金の残高や管理状況がわかるメリットもあります。将来的に資産価値が大きく変わらないという予測も含めて、現在の市場では中古を選んで良かったと考えています。
造作の可動式小上がりベンチで、
リラックスしながらリモートワーク
――間取りやデザインのセンスが好みだったということですが、気に入ったポイントを教えてください。
奥さま 薄めの色でトーンがまとめられているのは、私たちの現在のトレンド。壁・天井は薄いグレー、床もメープルで薄めの木の色、腰壁のコルクなどナチュラルな素材が使われているのもいいなと思いました。
ご主人 デザインされすぎていないところがいいですね。造作や仕上げがシンプルで少なめの色で構成されているというのが、住む人のことを考えたデザインだと思います。
奥さま 間取りでいうと、回遊動線が気に入りました。過去に回遊動線のある家に住んだことがあって、その快適さを知っていたので、ポイントが高かった。キッチンから個室に抜けることができ、個室から廊下を通ってLDKへと抜けられるのは、とても便利。引き戸で閉めることもできるのですが、普段はほとんど開け放して、連続した空間を楽しんでいます。1階なので湿気が気になるところもあるのですが、開け放しておくことで湿気対策にも。玄関側にある2つの個室は、寝室とクローゼットとして使っていますが、クローゼットのほうは、廊下に面した壁の半分より上が空いていて、風通しが良いのもいいですね。
――可動式の小上がりのようなベンチが4台あり、自由に動かしてダイニングチェアやリビングソファとして使えます。この造作はどんな印象でしたか?
奥さま 実は、最初は必要ないかもしれないと感じました。リビタの担当者の方が、あぐらをかいたり、寝転んだりできるように奥行きを深く取っているとか、ダイニングテーブルのチェアとしても使えるように座面はソファより高めに設定しているといった、サイズ感のこだわりを教えてくれて、残すことにしました。
ご主人 自分たちの好きなチェアを置きたいし、この家に合わせて家具を新調する際に、青に合うものを選ぶことになるという制限が出てしまうことが少し気になりました。でも、青はポイントカラーになっていて、少ない色数のデザインにおいて、リビタや設計者の数少ない主張だと思ったので、そのまま受け入れて使い始めました。服も同じなのですが、こだわりは一人ひとり違うので、難しいところですよね。色はともかくとして、暮らしはじめてから、このベンチがリモートワークの場としてぴったりで、寝転がったり、リラックスした姿勢でノートパソコンを見たりするのにすごくいい。やはり奥行きが深いことが使いやすさにつながっていますね。結果的にこのベンチを、僕の部屋のような感じで使っていて、とても気に入っています。
奥さま 座面の下は収納で、ものを隠してしまえるので助かっています。夫が趣味で集めているアンティークの雑貨や小物などを収納。LDKに飾るものを気分で入れ替えるので、この場所に隠せる収納があるのはありがたいです。もしこのベンチがなければ、棚などを用意することになったと思うので、最初からあってよかった。好きな場所に動かせることもポイントで、リビングのほうへ配置してアレンジもしてみましたが、今のところは、窓辺の居心地を活かせる現状の位置がベスト。このベンチの背もたれになるコルクの腰壁は、窓辺、リビング、個室の3カ所にあり、レイアウトのアイデアが湧いたら、臨機応変に移動させて上手く活用していきたいです。
花見や果実の恵みがある日常。
庭で見つけた新しい暮らし方
――これから手を加えていきたいところなどはありますか?
奥さま クローゼットとして使っている個室は、ほとんどが私の服を収納していて、ドレッサーなどもあり、実質私の部屋ですね。壁の一面には「モクタンカン」という収納パーツがセットされています。モデルルームのために使われていたものですが、デザインが気に入ってそのまま購入しました。収納量はたっぷりあるので、これを上手く使って、もう少し服の数を減らして通気性を確保しながら、レイアウトも工夫していきたいです。いつも掃除しながら良いレイアウトがないか検討しています。将来的には、ドレッサーを撤去して、ワークスペースにするなど、大きくアレンジする可能性もありますね。
ご主人 造り付けの収納はほとんどなく、自分たちの暮らしに合わせてつくれることもコンセプトの一つだと思いますが、家を購入するときや入居したばかりのときに、自分たちでゼロから収納を考える余裕はなかったので「モクタンカン」を採用してよかった。収納を考えるだけでもキャパオーバーになるくらいだから、僕たちにはリノベーションをゼロからやるのは難しかった(笑)。
――庭もこれから手を加えていく予定ですか?
ご主人 十分な広さがあるので野菜やハーブを育てる家庭菜園をやってみたいです。もともと植わっていた立派なサクラ、ユズ、アンズなどの樹木も十分に楽しめています。果実が収穫できるので、ユズはジャムにしたり、ユズ湯にしたり、落葉樹なので手入れは大変ですが、それも含めて庭のある生活を楽しんでいきたいです。
奥さま 庭にチェアとデスクを置いて、リモートワークの合間に外で休憩もできるのが嬉しいですね。最初の緊急事態宣言の直後に入居したので、外出もできない状況の中、庭があったことで気分転換ができて、助けられたと思います。お花見の季節でもあったので、春はサクラを見ながらお弁当を食べたり、コーヒーを飲んで一息ついたり、これまで想像もできなかった暮らし方に出会いました。
――リビタの印象やリノベーション済みマンションを購入して、感じたことを教えてください。
ご主人 リビタのことは、この物件を通して初めて知りましたが、担当の方が誠実に対応してくれて、気になるところを質問したときに、一般論ではなくご自身の言葉で話してくれたことが印象的でした。その場でわからないことは、調べてから丁寧に返答してくれるなど、信頼できる会社だなと感じましたね。