夫婦それぞれのワークスペースで幸せな住み分け|お宅拝見

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夫婦それぞれのワークスペースで幸せな住み分け

目 次
  1. 1桜のある庭とリビングをつなぐ、モザイクタイルと窓辺のベンチ
  2. 2LDKと廊下を仕切る引き戸の開閉で昼と夜の違いを楽しむ
  3. 3絶対にここに住みたいと思える、理想の住まいがすぐ手に入る

3歳の娘さんを育てるWさんご夫妻。メーカー勤務のご主人とデザイナーのマネジメント会社を経営する奥さまは、ともに仕事が忙しく、コロナ禍前は品川区の賃貸マンションで暮らし、慌ただしい日々を送っていました。コロナ禍でリモートワークが中心となり、娘さんが生まれたことで暮らしが一変。落ち着いて子育てができる住まいを求めて、代々木上原にあるリビタのリノベーション済マンションを購入。家族でゆったりと過ごすおうち時間を味わう暮らしについてお聞きしました。

桜のある庭とリビングをつなぐ、
モザイクタイルと窓辺のベンチ

――この物件を最初に見学したときに、一目で気に入ったとのことですが、購入の決め手となったポイントを教えてください。

ご主人 最初に見学に来たとき、庭に桜の木があって、窓が大きくて風の抜け方がとても気持ち良く感じたことが印象的でした。見学前は、1階であることと、築40年の旧耐震基準の物件だったことが気になっていましたが、実際に空間を体験したら居心地の良さが素晴らしくて、普段は場所見知りをする娘も楽しそうに回遊できる間取りを走り回っていて、ここに住めたらいいなと思いました。

奥さま 私は設計のコンセプトがいいなと思いました。フルリノベーションされていて内装は新しくなっているのですが、周辺環境やもともとあった空気感を活かすデザインとなっていて、とくに庭とリビング・ダイニングが一体になるような工夫をされているのが気に入りました。庭の一部にレンガが敷かれているのですが、そこから連続するようにリビング・ダイニングの窓に面した床は、レンガと同系色のモザイクタイルになっていて、インナーテラスのように使える空間に。落ち着いたように見えながら、陽の光を反射してキラキラと光るタイルにも惹かれました。腰窓の下につくられた収納もクラシックな雰囲気で、レンガ調のタイルと味わいのある木の扉が、庭の桜とコーディネートされているのを感じます。ベンチにもなるので人が来たときには座ってもらえますし、娘もいつもよじ登って遊んでいるお気に入りの場所です。
全体が白で統一されている中で、玄関の正面やキッチンなどアイキャッチとなる壁にはグレーやグリーンの差し色が使われていたり、オリジナルの照明がアクセントになっていたり、建築チームの皆さまが、この空間に愛情をもってデザインされているのが随所に感じられる住まいだなと思いました。いいなと思ったポイントは語り尽くせませんが、この住まいにほぼ一目ぼれしてしまったという感覚でしたね。

――築年数などの気になっていた点について、見学時や住み始めてから感じ方に変化はありましたか?

ご主人 実際に見学をして、低層のシンプルな形状で造りもしっかりしていたことと、ハザードマップでも安全性が高いエリアの立地だったことから、建物への不安はそれほど気にならないと感じました。築年数が経っていても、管理や修繕がしっかりされていたので安心感がありましたね。1階であることは、住み始めてみるとメリットが多いと感じています。自分が庭のある戸建ての家で育ったこともあり、マンションの一階でも生け垣があると、毎日緑が見えることが嬉しかったり、通りからの目線も意外と気になりませんでした。窓からの緑の景色と陽の光を遮るのがもったいないから今のところカーテンもつけていないくらいです。庭があり地面とつながっている暮らしは、戸建てに住んでいるような気分で快適だと実感しています。

奥さま 地に足をつけて街とつながりながら暮らしている、良い意味での生活感が、私はむしろ好きです。近所に個人経営のカフェやレストランなど、居心地の良いお店や公園がたくさんあって、自宅からすぐに外に出られることで、生活が街に広がっていくような感覚を感じます。実は学生時代にこのエリアに住んでいて、馴染み深い大好きなエリアでもあり、街に根ざして暮らせていることは安心感にもつながりますね。外が少し賑やかなくらいのほうが、閉塞感がなくて、心地良さを感じます。

LDKと廊下を仕切る引き戸の開閉で
昼と夜の違いを楽しむ

――Wさんご夫妻は、現在リモートワークが多いのでしょうか? 普段はどんな風にこの住まいを使っていますか?

ご主人 特に私はほとんどリモートです。個室をワークスペースとして使えることも、この住まいを選んだ決め手の一つ。私のワークスペースは庭とは反対側の約6帖の個室なのですが、裏側にも共用部に植栽と空が見える空間があり、緑を眺めながら快適に仕事ができています。

奥さま 私はこの住まいに引っ越してきてから、自分で事業を始めました。最初は6帖のワークスペースにデスクを並べて夫と一緒に使おうと考えていたのですが、4.5帖のサービスルームに、ふと思い立ってデスクを入れてみたら、案外快適なワークスペースになり、自分専用のワークスペースとして使うことに。気に入った家具やアートピースを揃えていくうちに、いつかは、と思っていた起業を想定よりも早く始めてしまいました。早起きして娘が起きてくる前に仕事をすることもよくありますが、短時間で集中して仕事をするのに、コンパクトな個室はとてもよい環境だと感じています。娘といるときもワークスペースで一緒に過ごすことは多いです。私が仕事をしている隣で、娘がお絵描きをしたり、遊んだりしていることも。夫婦それぞれに専用のワークスペースがあることで幸せな住み分けができていると感じています。

――真ん中に玄関があって、左がLDK、右が個室や水まわりと、パブリックとプライベートがしっかり分かれている間取りについて、住み心地はいかがでしょうか?

奥さま 住み始めてから分かったことですが、プライベートな空間が分かれていることで、気軽に人を招くことができて、娘の友だち、ママ友・パパ友、昔からの友人、仕事関係の人まで、本当に幅広くたくさんの方を招くようになりました。よほどのことがない限り、まずは我が家にお招きするという感じです。子どもが小さいうちは、家がいちばん気楽に過ごせるので、広いリビングが大活躍してくれています。立地も便利なので、仕事仲間がふらっと立ち寄ってくれたりもします。仕事柄、デザイナーを招くこともあるのですが、空間のデザインやディテールなどのこだわりに気付いてくれる人も多いです。

ご主人 LDKと個室側へ繋がる廊下との間にある引き戸は、日中は開けていますが、娘を寝室で寝かしつけた後は閉めて、大人だけの時間に切り替えています。引き戸を閉めるとLDKの雰囲気が変わるんです。この引き戸を開閉することで、空間の使い分けができて便利だと感じています。

奥さま 生活者としての目線もしっかり考えられていて、寝室のクローゼットがオープンになっていて、好きな洋服を眺めながら眠れるところや、居住空間に段差が全くないところ、汚れやすい水場は床が掃除しやすい素材であるところなど、細やかな気配りが、暮らしやすさにつながっていると感じています。キッチンが回遊できる造りになっていて、行き止まりがなく走り回れるのも娘をはじめ友人の子どもたちにも好評で、我が家に来るとみんなイキイキと走り回って遊んでいます。

絶対にここに住みたいと思える、
理想の住まいがすぐ手に入る

――奥さまはお仕事柄デザインへの造詣も深く、中古物件を購入して自分たちでリノベーションをすることも難しくなかったのではと思いますが、リノベーション済の物件を購入して良かったと感じていることはありますか?

奥さま 新築のマンションを何件か見学して、夫も私もピンときておらず、なんとなく中古を買ってリノベーションをするしかないのかなと思っていて、友人のデザイナーに相談しながら考えていた時期もありました。ただ、現実的には子育てと仕事をしながら自分でやるとなるとそれなりに時間も労力もかかります。そんなことを考えているうちに、この物件に出会ってしまったので、こんなに素敵な住まいがいま手に入るなら、もう絶対にここに住みたいという気持ちになりました。娘が3歳になって、そろそろ記憶も残る時期だから、できるだけ早く、美しい風景を見ながら、また作り手の方々の愛情やこだわりを感じながら暮らせる住環境を整えてあげたいとも思っていましたから、探し始めてすぐに理想的なリノベーション済マンションと出会えたことは本当にラッキーでしたね。

――この住まいで暮らし始めて、変化したことなどはありますか?

ご主人 緑に囲まれているので季節の移ろいを色濃く感じるようになりました。庭の桜だけではなく、生け垣は金木犀で、他にもいろいろ季節ごとに敷地内の植栽の花を楽しめるのが豊かだなと感じます。

奥さま 娘も金木犀の花が咲いていた時期は、毎朝保育園に行くときに「いい匂いがする」と喜んでいて、都心に暮らしながら、そんな体験をさせてあげられて嬉しく思いました。

――これから住まいに手を加えたいことはありますか?

奥さま 子どもの身長をどこかに刻んでいきたいと思っているのですが、どこに刻もうかまだ迷っていて、どんどん大きくなっていくので、どうしようかなと。それから、私はグレーやグリーンの壁が気に入っていて、節目の年にちょっとずつ壁に色を足していくのもいいなとか、アイデアがいろいろ出てきますね。

ご主人 今は夫婦それぞれ専用のワークスペースを使えていますが、娘が大きくなったら子ども部屋が必要になるかもしれないし、家族が増えるかもしれない。今後は個室の使い方も変えていく必要があるかもしれないですね。

奥さま 今はリビングが100%子どものための空間になっていて、自由に走り回れるようにソファやチェアをあえて置いていません。娘がもう少し成長したら、少しずつ気に入ったデザインの家具を買い足していって、リビングを大人のための空間にしてくことを計画中です。家族とともに変化していく暮らしをこの住まいで楽しんでいきたいと思っています。

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文:村田保子/撮影:古末拓也
取材・撮影:2023年6月
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