フェイバリット・ビュー 私のくらし#16 山歩き|住まいのヒント

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暮らし再発見マガジン のくらし by ReBITA
住まいのヒント

フェイバリット・ビュー 私のくらし
#16 山歩き

目 次
  1. 1あの朝をもう一度
  2. 2山でも、日々の暮らしでも
  3. 3「生きている」と感じられる場所
  4. 4日帰りもまた楽しい
  5. 5この瞬間にしかない景色と

気づいたら集めているもの。見かけると、ついつい手が出てしまうもの。
どんなに忙しくても、大事にしたい時間。自分らしくいるために、欠かせない瞬間。
そんな、日々を彩る「もの」やホットな「こと」がつくりだす、お気にいりの景色=favorite view。
くらしにフェイバリット・ビューをもたらす「もの」や「こと」を、くらしをリノベーションする、リビタの社員がご紹介します。

あの朝をもう一度

今回リビタ社員・竹之内がご紹介するのは「山歩き」です。

「山に登らない?」と同期に誘われ八ヶ岳連峰・赤岳に登ったのが、社会人2.3年目のころ。
父親の影響で幼少期から夏は登山、冬はスキーと山には馴染みがあったので、ブランクはあったものの「まあ大丈夫だろう」と思い山へ。ところが、同行者が険しいルートを選んだため、軽い気持ちで来たのを後悔することに…。

それでも「また登りたい!」と思えたのは、山で迎えた朝が、とても気持ちよかったから。
星が降るような夜空を見たり、谷間に朝陽が差し込んで、徐々に明るくなっていく時間をゆっくり過ごしたり。一晩明かさなければ体験できない景色に「この朝をもう一度味わいたい」と思いました。今ではすっかり山歩きに夢中です。

山でも、日々の暮らしでも

初めての山歩きなら、靴から揃えるのをおすすめします。まずはハイキング用・低山用を買って、続けられそうなら、本格的な登山靴を。低山用は普段でも履けるので、取り入れやすいはず。

山の天気は変わりやすいから、雨具も必需品。レインコートやポンチョは着用する間に雨に濡れてしまうこともあるので、サッと出せて日傘がわりにもなる、折りたたみ傘が案外便利です。

軽量化や耐久性を追求しているため、登山グッズは値が張るのも事実。その分、愛着が持てるものを、吟味して選んでいます。

きるだけ日常遣いしたくて、普段から登山用のシェラカップでお茶を飲んだり、ピクニックに寝袋用のマットを持っていき、レジャーシートの上に敷いてお尻が痛くないようにしたり。
いざ山に出発するとき荷造りが億劫にならないよう、しまい込まずに日々の暮らしでどんどん使っています。

「生きている」と感じられる場所

どこにでも水場や売店があるわけではないので、水や食糧についてはしっかり準備をします。

朝、持てる量の水(私の場合は1.5ℓ)を持って出発し、山中にある水場で補給します。やっとたどり着いた水場で飲む一杯の水は、まさに「生命の水」。

テントに寝袋、着替えや食糧で、65ℓのザックはいつもパンパン。水だけは減らせないので、衣服や食糧は少しでも軽いものを選びます。フリーズドライ食品は軽くて重宝です。

私が1日に歩ける限界は6時間から8時間で、「このペースだと目的地までに日が暮れてしまう」と焦ることもあります。単純に時間に追われるのではなく、日の出や入り、自分の体力を把握して、管理する。命を守るためには、計画が大切です。

自然が相手なので、どんなに準備して計画を立てても、予定外のことは起きてしまう。山ならではの面白さでもあるし、どう対応するのか、自分を試す感覚もあって。大袈裟かもしれませんが、山で過ごしていると、生きている実感を得られるんです。

日帰りもまた楽しい

子どもとの山歩きは、都内のハイキングコースから始めました。まだ歩けないので抱きかかえたり背負ったりですが、今後、子どもの成長に合わせて近場の低山を開拓するのが楽しみです。

都内近郊だと、高尾山や丹沢、奥多摩などは初めての方にもおすすめ。電車で行けるし、登山口まで出るバスの本数も多いので、家族連れや初心者でもトライしやすいと思います。

日帰りでも、楽しみはバーナーでお湯を沸かしてコーヒーを淹れたり、カップ麺を食べたりすること。ちょっとしたものも、山の上だとごちそうです。

おしゃれな山小屋にはケーキセットがあったり。自然のなか、コーヒーと甘いものを楽しむのは至福の時間です。お酒が飲める方はビールで乾杯もいいですね。

下山した後は、最寄りの温泉に入るまでがひとつのセット。ゆっくりお湯に浸かっていると、しみじみと「いい山歩きだったな」と思えます。山と温泉は、切り離せません。

この瞬間にしかない景色と

日帰りも楽しいけれど、やっぱり山で過ごす朝は格別。私はテント派ですが、ハードルが高いと感じる方には、ぜひ山小屋で朝を体験してほしい。山小屋ならではの雰囲気がありますから。

山歩きの何よりの魅力は、そこにしかない景色に出会えること。自分の目で見る風景は、写真とはスケールが全く違い、登った甲斐があった、報われた、と思えます。

現代はなんでも録画して再生できますが、山の景色には「もう一度」がありません。
たとえば、朝焼けで山肌が染まる「モルゲンロート」は空気が澄んでいる朝しか見られません。同じ山に連泊しても、昨日は見えても今日は曇って見えなかったり、必ず見られるわけではないんです。自分がどう感じるかも、その日、その瞬間にしかないので、同じ景色は二度とない。

一歩一歩、足を進めながら、風や、葉っぱの動きなどに心を動かされて「自分はこんなことに感動する人間だったんだ」と発見することができる。山歩きは、美しい景色とともに自分自身を眺めることができる、そんな時間なのです。

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