リノベーションで叶える快適な一人暮らし
こだわり空間を作る工夫とアイデア
働き方や家族のあり方など、多様な価値観が広がる中で、理想の住まいを模索している方も多いのではないでしょうか。今回は一人暮らしのリノベーションにスポットをあてて、理想の暮らしを叶えたこだわりのリノベーション事例を紹介します。
リノベーション物件で自分らしい暮らしを叶える
一人暮らしをしていると、いずれマイホームを手に入れたいと夢を描いている人も少なくないでしょう。単身で物件を購入することのメリットはさまざまありますが、ここでは3つの観点に絞って見ていきます。
・住まいの「ニーズ」を叶える
近年ではリモートワークや在宅勤務と出勤を組み合わせたハイブリッドワークなど、働き方のスタイルが多様化するなかで、住まいのニーズも変化してきています。例えば、プライベートとワークスペースを両立させた間取りや、趣味に没頭できるスペースを設けた個室など、より自分自身の生活にフィットした空間を実現することが可能です。
・住まいの「質」が上がる
賃貸物件よりも水回りや建具などの設備をアップグレードさせられることも魅力の1つです。設備の性能を上げることで、忙しい毎日の効率化につながるでしょう。また賃貸物件には必須となる原状回復を気にすることなく、持ち家だからこそ自由にDIYやカスタマイズができるのもメリットの1つ。手を加える楽しさから、より愛着のある住まいとなるでしょう。
・住まいの「コスト」が抑えられる
日々の生活を送りながら資産形成できる点もリノベーション物件を購入することのメリットです。住宅ローンを上手に活用することで、選ぶ物件によっては賃貸物件に住むよりも月々の固定費を抑えることが可能です。
自由設計とリノベーション済み物件購入の違いとポイント
リノベーション物件には大きく分けて、「自由設計によるリノベーション」と「リノベーション済み物件の購入」の2つの選択肢があります。
・自由設計によるリノベーション
こちらは中古物件を購入した後にリノベーションを行う方法です。部分的なリノベーションからフルリノベーションまで程度を自身で選ぶことができ、住まいづくりの過程も楽しむことが魅力です。
好きな空間の雰囲気や使いたい素材、具体的な用途など理想の暮らし方がある人におすすめの方法です。企画から施工、工事完了までの期間を含めると、少なくとも3カ月以上はかかりますが、結果的に納得のいく自分だけの住まいが仕上がることでしょう。
・リノベーション済み物件の購入
こちらはプロ(業者)が予めつくったリノベーション済み物件を購入する方法です。建具の収まりや素材のバランスの美しさ、効率的な間取りなどプロのデザインを感じられることが多く、既に完成された物件のため自由設計と比べてスピード感のある引っ越しが可能です。リノベーションされた空間に魅力を感じながらも、効率良く理想の暮らしに近づきたい人におすすめの方法といえます。
理想の暮らしを叶えた一人暮らしのリノベーション事例
2つの選択肢におけるポイントを踏まえた上で、実際に一人暮らしのリノベーション事例を見ていきましょう。自身でフルリノベーションをされた自由設計のケースと、リノベーション済み物件購入のケースをそれぞれご紹介します。
【自由設計】大きな本棚を設けて、自分の好きを最優先に
Kさん(30代)は在宅勤務が増えたことで、リノベーションによる住まいづくりを本格的に考えるようになりました。最優先したのは壁一面の大きな本棚。漫画が好きだというKさんの長年の夢を叶えるべく、中古マンションでのリノベーションを決意しました。
他にも旅行が趣味というKさんは、旅先で見つけた雑貨などを飾る棚も欲しいとリクエスト。本棚と飾り棚を軸に、キッチンとLDKに建具を設えないことでコストを調整しました。結果的に連続した空間となり、光を通す開放的な住まいを実現させています。
自身の「好き」を最優先に中古マンションのフルリノベーションを選択したKさんは、物件探しをはじめた当初、候補エリアで悩んだそうです。コンサルタントとのコミュニケーションを通じて、「自分自身の生活を見つめ直し、心から大切にしたいものに気付けた」と語ります。
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<リノベーションデータ>
所在地:東京都中野区
居住者構成:シングル
専有面積:43.71㎡
間取り:1LDK
既存建物竣工年:1977年
リノベーション竣工年:2021年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/14331
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【自由設計】空間にもライフスタイルにも余白を残す
都内勤めのKさん(30代)は、住宅ローンを上手く活用すれば、都心の賃貸マンションの家賃を払い続けるのとほぼ同額の予算でリノベーションができることを知り、中古マンションのフルリノベーションすることに決めました。
料理や友人を家に呼んでホームパーティーをするのが好きだというKさんは、開放的なキッチンを目指してLDKの中央に配置。アイランド型にしてキッチンを囲みながらコミュニケーションを楽しめる空間に仕上げました。3面に窓があり採光や風通しがよい物件の特徴を生かしたつくりとなっています。
今回のリノベーションでは「余白のある暮らし」をコンセプトに、できるだけものを少なくし、なるべく隠すことを意識しました。廊下の収納やトイレ、水回りの扉などもフラットな見た目になるようにデザインし、将来的なライフスタイルの変化にも対応できるようつくっています。
物件を検討する際に、新築と中古リノベーションどちらが最適かを悩んだと話すKさん。新築は予算から想定するにコンパクトな物件になってしまうことと、きらきらとした雰囲気に心が躍らなかった一方、中古リノベーションは1つひとつ違う手作り感に心惹かれ、住まいづくりをすることを決意しました。
設計者との打ち合わせには、自身のライフスタイルやニーズを伝えることに専念し、運命共同体のような関係性で、リノベーションという一大プロジェクトを達成できたそうです。
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<リノベーションデータ>
所在地:東京都目黒区
居住者構成:シングル
専有面積:60.24㎡
間取り:1LDK
既存建物竣工年:1982年
リノベーション竣工年:2021年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/11158
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【リノベ済み】自分では思いつかないセレクトを楽しむ
フルリノベーションを希望して物件探しをする中で、西荻窪のリノベーション済みマンションと出会ったTさん(40代)。
自然が好きだというTさんにとって、専用庭付きのリノベーション済み物件は理想的な住まいでした。リノベーション済み物件はデザイン的な観点でも新たな出会いをもたらしたそうです。
ダークブラウンの木やモルタルの左官仕上げの壁など、ダーク系の色合いで仕上げられていたこちらの物件。Tさんが自分でリノベーションをしていたら、また違ったテイストになっていたかもしれないとのことで、自分では思いつかなかったアイデアやセレクトに出会えることもリノベーション済み物件ならではの特徴といえるかもしれません。
植物を育てることも趣味だというTさんは、入居前に追加リノベーションを施しました。天井にバーを設置し、ハンギングで植物を飾れるようにしたことで、手入れを楽しんでいるのだとか。庭に面した窓側の床を一部フロアタイルにすることで、植物の手入れがしやすいのも嬉しいポイントだったそうです。
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<リノベーションデータ>
所在地:東京都杉並区
居住者構成:シングル
専有面積:37.23㎡
間取り:1LDK
既存建物竣工年:1979年
リノベーション竣工年:2022年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/16486
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【リノベ済み】自分に合った心地よい都心暮らし
リモートワークをきっかけに、より広い空間に住みたいと思うようになったというAさん(30代)は、賃貸に住み続けることに疑問を感じはじめ、思い切って家を購入することにしました。
購入したのは新宿区にあるリノベーション済みの中古マンションで、シックな色使いとシンプルなデザインに魅力を感じたそうです。
広い玄関土間と一体となったスペースや2面採光のあるLDK、明るく広々としたキッチンが特徴の間取りで、家具の配置も自由に変更できるなど、ライフスタイルの変化にも対応可能そうです。
東京で生まれ育ち、勤務先も渋谷のため都市部での生活を望みながら、華やかすぎず落ち着きのある暮らしを求めていたAさん。面積も40~50㎡を希望しており、どちらも譲れない条件でした。
そんな中、選んだのがリノベーション済みマンションでした。
プロが優良な物件を見極め、建築デザインや暮らしを想定した間取りになっているため、自分で探したり考えたりすることなく心地良い住まいを購入できることに魅力を感じたのだとか。
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<リノベーションデータ>
所在地:東京都新宿区
居住者構成:シングル
専有面積:45.86㎡
間取り:1LDK
既存建物竣工年:1985年
リノベーション竣工年:2021年
お宅拝見記事:https://nokurashi.com/ownersvoice/8753
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一人暮らしのリノベーションで考えるべきポイント
実際のリノベーション事例を通して、それぞれのライフスタイルへのこだわりと叶えたポイントを見てきました。ここでは、実際にリノベーション物件を検討する際に気をつけたいポイント4点をご紹介します。
1.内装について
ライフスタイルの変化に対応できるような余白を残しておきましょう。壁を設ければ個室がつくれるようなスペースを検討したり、照明やコンセントの配置にこだわったり、暮らしに合わせて変えていけるような柔軟な間取りを心がけると、永く暮らしを楽しむことに繋がります。
2.環境について
賃貸物件と比べると、持ち家は気軽な引っ越しが難しくなります。そのため、購入前にマンションの管理状態や隣人との関係性、周辺環境など、自身の意思で変えることができない部分へのリサーチは特に念入りに行いましょう。
3.金銭面について
物件を購入する際には、物件価格以外にもマンションの管理費や修繕積立金、固定資産税などのランニングコストが発生します。また修繕積立金の貯金や長期修繕計画など、管理状況はマンションごとに異なります。予め諸経費をよく計算し、資金繰りの検討やマンションの計画を調べておきましょう。
4.売却について
もし将来的に住み替えや売却を考えるのであれば、物件の資産価値にも着目してみましょう。立地や周辺相場の検索など、住環境も資産価値を左右する大きな要因です。また奇抜すぎる内装も避けるのが無難でしょう。売却時に価値が下回ってしまうとローン残債が発生する可能性もあるため注意が必要です。
住まいは自分への「投資」。
愛着のある空間で理想のライフスタイルを叶える
自由設計でリノベーションをすることや、リノベ-ション済み物件を購入すること。どちらも理想の暮らし実現への近道といえるでしょう。長期的な視点で考えると、好きやこだわりが反映された空間での暮らしは、自身の生活をアクティブにさせ、賢い選択といえるかもしれません。まずは、どんな空間が心地よいか、どんな暮らしがしたいのかを考え、住まいの理想に反映していくのが良さそうです。
ただ、将来のライフスタイルの変化にも対応できるよう柔軟な視点を持ちながら、物件や間取りを選ぶことが重要です。迷った際には住まいづくりのプロに相談するのもひとつの手。単身だからこそ、自分の好きを向き合って描いてみてはいかがでしょうか。