フェイバリット・ビュー 私のくらし
#5 多肉植物
気づいたら集めているもの。見かけると、ついつい手が出てしまうもの。
どんなに忙しくても、大事にしたい時間。自分らしくいるために、欠かせない瞬間。
そんな、日々を彩る「もの」やホットな「こと」がつくりだす、お気にいりの景色=favorite view。
くらしにフェイバリット・ビューをもたらす「もの」や「こと」を、のくらし編集部メンバーがご紹介します。
多肉植物のある生活
今回、のくらし編集部・鈴木がご紹介するのは「多肉植物」です。
生命力が高く、少量の水でも育つ多肉植物。気軽にグリーンを生活に取り入れたい方は、まず多肉植物から始めてはいかがでしょうか?
葉がプクプクしていたり、シャープに尖っていたり。多肉植物の個性的なルックスは、意外とどんな部屋にも馴染みます。たくさん水をあげる必要がないので、ビーカーや空き缶などを鉢替りにして、インテリアのポイントにしたりも。
掌サイズのものなら園芸店で300円程度と、リーズナブルにスタートできるのも多肉植物ライフの良いところ。私自身、知人からミニ鉢をいただいたのがきっかけでした。
増える楽しさ、育てるよろこび
ひとことで「多肉植物」といっても、その種類は実にさまざま。
ぷっくりしたバラのような形が特徴の「エケベリア属」、群生する姿が愛らしい「セダム」、透き通った葉の「ハオルチア属」、無骨で雄々しい「サボテン」や「ユーフォルビア」などなど。
園芸家による品種改良も盛んで、どんどん新種が現れます。
この奥深さが多肉植物の真髄。凝り性やコレクター気質の方なら、この魅力にハマってしまうはず。
1枚の葉から新芽と根が出る種類も多く、どんどん子株が増やせるのも特長です。増やす過程も楽しく、大きくなりすぎない点もコレクション向き。育ち、さらに増えていく様子を愛でられるのは、植物ならではですね。
いざ、植木市へ
主に園芸専門店やホームセンターで購入できますが、植木市を覗くのもおすすめ。
植木市は、生産者や園芸店が出展する即売会。フリーマーケットやファーマーズマーケットのようで、初心者でも気後れせずに楽しめます。生産者のみなさんも「多肉植物の愛好家を増やしたい」と思ってくださっているので、雰囲気があたたかいんです。育て方などを教えてくれる距離感の近さも心地よいです。
店主と話が盛り上がって「売るには小さすぎるから」と小さな苗をおまけしてもらったことも。いただいた苗で寄せ植えを作るのも、幸せなひとときです。
多肉にまつわるお気にいり
とにかく種類が多い多肉植物。全容を把握するのが大変だからこそ、図鑑や専門書をいくら眺めても飽きません。
育て方に迷ったとき、必ず開くのは『はじめての多肉植物 育て方&楽しみ』。
写真が充実していて、初心者がぶつかりやすい壁への対処法も丁寧。バイブルのような一冊です。
色々な園芸店に通うのも楽しみのひとつ。
特に好きなのは、『鶴仙園』さんや『オザキフラワーパーク』さん、『SOLSO PARK』さん。
素敵なお店の植物はどれも魅力的で、足を踏み入れたら手ぶらでは出てこれません。
しあわせな推し活
多肉植物と暮らして、季節や天気をより意識するようになりました。
温暖な地域の植物なので、日当たりが大事。晴れた日はベランダで日光浴をさせています。外出後、雨が降りそうだとハラハラするので、引っ越すときはベランダの軒が重要なポイントに。
病気や虫害など、トラブルが起きることも。手軽とはいえ、命あるもの。だからこそ、より愛着が深まるんですよね。
どんどん成長し、増えていく多肉植物は、応援しがいのある「推し」のような存在。初めはプクっとした葉の多肉植物らしいタイプがお気にいりでしたが、今ではどの種類も愛おしい。知れば知るほど魅力が増して、今は「箱推し」です。
理想は映画『風の谷のナウシカ』に出てくる秘密の温室。腐海の植物たちがすくすく育っている、あんな景色を作りたいと夢見ています。