オフィスを「住に」。暮らしを「自由に」。 新しい働き方をつくるシェアオフィス|シェアする暮らし

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オフィスを「住に」。暮らしを「自由に」。
新しい働き方をつくるシェアオフィス

目 次
  1. 1「働く」と「住む」を近づけるシェアオフィス
  2. 2『12』オフィスシリーズで生まれる豊かな時間
  3. 3オフィスではなく、何をしてもいい自由な場所
  4. 4シェアオフィスなのに「マガリ」ができる?
  5. 5シェアオフィスは、知らなかった価値観に触れる場所
  6. 6「働く」を軸に、さまざまな要素をプラスした物件を増やしたい
  7. 7あとがき

テレワークの普及で「住まいをオフィスに」する人は増えていますが、その逆「オフィスを住まいに」と聞くと、なんとなくイメージしづらいのでは? しかしこの発想、実に合理的でハートフル。オフィスに住まいの機能があるなら、本当の住まいはもっと自由でいい。オフィス内に設けられたLDKでは、さまざまな人とのコミュニケーションが育くまれていく。そんなユニークなコンセプトで『12』オフィスシリーズを展開するリビタ。今回インタビューしたのは、さまざまなシェアオフィスのプロジェクトを企画している井上聡子さん。「働く」に「住む」を入れるという新しいオフィスのカタチを提案し、自由な暮らし方へとつなげています。

「働く」と「住む」を近づけるシェアオフィス

ー「暮らしを自由にする」というコンセプトのシェアオフィス『12 (ジュウニ)』。先日9月1日には『12 SHINJUKU3CHOME』がオープンし、翌10月には『12 NISHISHINJUKU』のオープンも控えていますね。『12』オフィスシリーズはどういった経緯でスタートされたのでしょうか。

リビタはこれまで、シェアプレイス(シェア型賃貸住宅)や分譲住宅、シェアスペースなどを手掛けていましたが、シェアオフィスに特化した施設は2018年の『12 SHINJUKU』がはじまりです。きっかけは…私が他部署にいたときに手がけた原宿『THE SHARE』や神田『the C』の存在が大きいかもしれません。

原宿の『THE SHARE』

ー原宿の『THE SHARE』はショップ・オフィス・アパートメントの機能が一つになったシェアスペースですね。2011年のオープン当初はとても話題になりました。

はい。THE SHARE』を企画するときに「住む」に「働く」を組み合わせたらおもしろいのでは? と考えていたんです。実際に『THE SHARE』を運営してみたら、想像以上にシェアオフィスで働く方と、シェアプレイスに住む方の仲がよくて。私たち運営側もみなさんと仲良くさせていただいていました。

働いている方が住んでいる方に会いに行ったり、シェアオフィスで働いている方が住民みたいにくつろいでいたり。いつの間にかビジネスパートナーになっている方たちもいました。そういう様子を見ていて「オフィスと住まいは境界線がないほうがおもしろい」と感じるようになりました。

それでミヤコ新宿ビル(12 SHINJUKU』が入居するビル)再生のご依頼をいただいたとき「リビタがやるからには、ただ働くスペースではおもしろくない」と。シェアオフィスに住まいの機能の一部を持たせて「働く場所」が「住まい」に近づくと、今度は「住まい」に必要なものが変わってくる。みんなの暮らし方が自由になる。それはリビタのメイン事業にも影響してくるんじゃないかな、と思ったんです。

新しい働き方をつくるシェアオフィス

『12』オフィスシリーズで生まれる豊かな時間

ー他にはないリビタらしいシェアオフィスをつくろう、というお気持ちがあったんですね。12 SHINJUKU』はユーザーにどのようなメリットがありますか。

当時はすでに多拠点生活などが注目されていて、都心で働きながら郊外や地方で暮らしている方が多くいました。『12 SHINJUKU』は駅直結でバスタ新宿も隣接していることから、都心と郊外を行き来する多様な居住形態に対する受け皿となることを想定していたんです。

「本当は郊外の広い家に住みたい」のに、職場の都合で都内に暮らしている方は多いですよね。でも都心にシェアオフィスがあれば、郊外や地方で暮らしていてもデメリットが少なくなるんじゃないかな、と。たとえば、シェアオフィスにシャワーやキッチン、ランドリーがあれば、毎日自宅に帰る必要はありません。移動時間がなくなれば、心のゆとりが生まれます。オフィスに住まいの機能があるから自宅は狭くてもいいし、仕事場だったスペースを趣味の空間にしてもいい。「暮らしがもっと豊かになる」と考えたんです。

オフィスではなく、何をしてもいい自由な場所

新しい働き方をつくるシェアオフィス

ーシェアオフィスで料理をしたり、洗濯をしたり…。「働く」と「住む」の境界線がない場所なんですね。

『12』オフィスシリーズはオフィスというカテゴリではなく、何をしてもいい場所です。働く人、家のようにくつろぐ人、どんな目的の人がいてもいい。もちろん「働く」と「住む」をはっきり分けたい人もいれば、曖昧な人もいます。1stPLACE(自宅)+2stPLACE(職場)=『12』としていますが、1stPLACE2stPLACEの距離は人それぞれ自由でいいんです。『12』オフィスシリーズはオフィスと表現しているけれど、本質的なコンセプトは「自由に過ごせる場所」です。

新しい働き方をつくるシェアオフィス

シェアオフィスを自由に使っていただけるよう、『12』オフィスシリーズには必ずLDKを設置しています。なかでもキッチンを重視しました。シェアオフィスもシェアプレイスと同じで、キッチンから会話が生まれます。誰かがおいしそうな料理をつくっていたら、知らない人でも声をかけたくなりますよね。「おいしそうですね」「何をつくってるんですか」とか、自然にちょっとした挨拶をするきっかけになります。実際に『12 SHINJUKU』のキッチンは日常的に使われているんですよ。誰でもお腹は空くし、キッチンはみんなにとって身近なものだから、自然にコミュニケーションが生まれています。

だから、あえてユーザーのターゲットは決めていません。いろんな人が働いているからおもしろい。これはシェアプレイスに近い発想かもしれません。違う業種の人だと働く時間も違うし、共用部分の使い方も違っています。暮らしの要素が入っているからこそ、お互いにたくさんの気づきがあると思うんです。シェアオフィス・シェアプレイスの枠ではなく、その人の考え方によってとらえ方が変わっていく。『12』オフィスシリーズそんな自由な場所にするのが理想です。

新しい働き方をつくるシェアオフィス
新しい働き方をつくるシェアオフィス
新しい働き方をつくるシェアオフィス

シェアオフィスなのに「マガリ」ができる?

ーとろこで『12』オフィスシリーズには「マガリ(間借り)」のシステムがあるそうですね。

そうなんです。ユーザーが使わない時は、会員登録している会社や個人に貸し出すことができます。アプリ登録で簡単に貸し出すことができ、貸し出した利用料が賃料から相殺される仕組みです。

新しい働き方をつくるシェアオフィス

ー間借りできるシェアオフィスは他にあまりないのでは。どうして導入することになったんですか?

シェアプレイスの入居者さんからの「旅行中に他の人に貸したいけれどダメですか?」という声が以前からありました。リビタ側には手間とリスクがあるけれど、ユーザーに還元できるメリットは大きいな…と思っていて。当然オフィスも同じ要望が出るだろうと思い、これまで仕組みづくりに向けて動くことにしたんです。試用期間を経て、利用者さんに満足いただけたことがわかったので、今回『12 SHINJUKU3CHOME』から本格的に導入することになりました。

シェアオフィスは、知らなかった価値観に触れる場所

ーたくさんのシェアプレイスやシェアオフィスを企画してきた井上さんにとって、「働く場所」とはどういうものですか?

新しい働き方をつくるシェアオフィス

コロナ禍で在宅勤務ができるようになったけれど、私自身は毎日家で仕事をするよりも、時々外に出て働くほうが好きです。恵比寿にある本社で働く時もあるし、『12 SHINJUKU』で作業をすることもあります。それぞれ、微妙に目的が違うんですよね。本社では他のメンバーと打ち合わせをするという目的があり、シェアオフィスで働くときは「仕事する&くつろぐ」ということが目的。身近なところに働く場所がいくつかあって、それらを目的によって使い分けています。

新しい働き方をつくるシェアオフィス

ー井上さんは、シェアオフィスをどのような場所だとお考えですか?

「自分にない価値観に触れる場所だと思います。

12 SHINJUKU』は、先ほどお話ししたように自然なカタチで、自分とまったく違う価値観を持つ人とのコミュニケーションが生まれやすい環境です。家族や会社といったコミュニティーだと、どうしても近い価値観の人が集まりますよね。でもシェアオフィスだと「こんな考えの人がいるんだ」からはじまって、全く自分が興味がなかったことに惹かれていく。自然なきっかけで情報が入っていく。コミュニケーションを押し付けるのではなく、自然に関係性が生まれておもしろい化学反応が起こる場所なんです。それはシェアオフィスだけじゃなく、リビタがやっている『BUKATSUDO』も同じです。

それにシェアオフィスは、外部からも人が集まりやすい場所だと思います。たとえば12 SHINJUKU』には、オフィスユーザーに「会いに来る」方が多いんです。仕事関係者も、友人も、ラウンジや打ち合わせスペースでお話しされていて。そういう様子を見て「働く場所ってみんなが行きやすいんだな」と。住宅はプライベート感が強いので、かなり親しくないと行きづらい。勤務先のオフィスも気軽に呼びづらい雰囲気があります。でもシェアオフィスは「いつでも遊びに来て」と言いやすいので、開かれた環境なんですよね。だからいろんな人が訪れて、いろんな価値観が集まってきやすいんです。

「働く」を軸に、さまざまな要素をプラスした物件を増やしたい

新しい働き方をつくるシェアオフィス

ー『12 SHINJUKU』『12 SHINJUKU3CHOME』と、近日オープンする『12 NISHISHINJUKU』を含めると、新宿に『12』オフィスシリーズが3拠点となりますね。これから『12』オフィスシリーズはどのようになっていくと思いますか?

『12』オフィスシリーズでやりたいことは、まだまだたくさんあります。『12 SHINJUKU3CHOME』は新しいチャレンジのひとつとして、オフィスごとに占有の「にわ」を設けています(一部除く)。こうした余白のスペースがより「働く」と「住む」を曖昧にしつつも、「働く」と「休む」にメリハリをもたらすと考えたからです。

新しい働き方をつくるシェアオフィス

「働く」をメインの軸としつつも、「住む」以外の要素…たとえば「旅する」「集う」「学ぶ」のような機能のある物件を増やしていきたいです。リビタのシェアプレイスやシェアホテル事業と組み合わせるのも、おもしろいと思います。まだ構想中で、そこで何が起こるかは予測できないけれど…その反応を、ユーザーやリビタのみんなで楽しみたいな、と。

「できない」という既成概念をなくしたときにこそ、おもしろいことが起こると確信しています。

新しい働き方をつくるシェアオフィス

あとがき

インタビュー中に「『12』オフィスシリーズはオフィスという表現が正しいのかわからない」とつぶやいた井上さん。オフィスだけどキッチンやダイニング、シャワーやランドリーがあり、ときどきクライアントや友人が訪ねてくる。家族が遊びに来ることだってある。仕事をする日もあるけれど、ただぼーっとしたり、ちょっとした知り合いと話して終わる日も。そんな「働く」以外のこともできる自由な場所があるだけで、心のゆとりが生まれます。

さらに『12』オフィスシリーズは、使う人の「暮らし方」まで変えてしまいます。オフィスには住居の設備があるから、自宅はずっとシンプルでいい。都心から離れていても、広くなくても、どんな家でも自由に選んでいい。「働く」と「暮らす」が交差するシェアオフィスが、住まいの選択肢をぐっと広げてくれるのです。

働く人も、働かない人も。人と関わりたい人も、そうじゃない人も。さまざまな価値観を持つ人が集まり、ほどよく交わり、自然に何かたのしいことが起こる。井上さんが目指すシェアオフィスは、「オフィス」というよりも「人がつながる」場所なのです。

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