大瀬良 亮さんインタビュー多様な価値観を多様なままに。 自分らしい「居場所」の選択肢。|シェアする暮らし

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大瀬良 亮さんインタビュー
多様な価値観を多様なままに。
自分らしい「居場所」の選択肢。

目 次
  1. 1世界を旅してさまざまな価値観を持つ人に会うべき
  2. 2自分で働く場所を選び、ワークスタイルをデザインできる世界を
  3. 3「定住」と「アドレスホッピング」の間に『HafH』がある
  4. 4リモートワークの普及で「近場で気分転換」が増えてきた
  5. 5利用するうちに「出会い」「学び」が多いことに気がついていく
  6. 6「ゲストじゃなくて仲間」。この線引きを超えることが使命だった
  7. 7仕事は生計と成長の手段であり、自分らしい生き方の表現
  8. 8豊かな暮らし=出会いのコレクション 
  9. 9あとがき

車、家電、服…身近なモノが共有されている今、その究極と言えるのが「住まい」の共有。あえて「所有する」のではなく「借りる」ことで、多様な価値観を持つ人々に会い、学び、仕事の幅を広げていく。世界を移動しながら、自身で仕事をクリエイションしていく。そんな暮らし方・働き方をできる世の中が、確実に目の前に広がっています。そこで注目されているのが定額制宿泊サービスであり旅のサブスク『HafH(ハフ)』。簡単にいうと利用者は世界36カ国 928拠点(2021年8月時点)の宿泊施設から、定額で宿を選べるというもの。気軽に旅やワーケーションができることで、今利用者が急増しているそうです。今回はサービスを提供する、株式会社KabuK Style社長の大瀬良 亮さんにインタビューしました。

世界を旅してさまざまな価値観を持つ人に会うべき

大瀬良 亮さんインタビュー 多様な価値観を多様なままに。 自分らしい「居場所」の選択肢。

ー『HafH(ハフ)』は毎月定額を支払えば、予算を気にせずに世界中の宿泊施設を利用できる。世界や日本中を旅しながら働くことができますね。

今はネットさえ繋がればどこにいても働ける時代です。だからこそいろんな場所に旅をして、さまざまな価値観を持つ人に会うべきだと思いました。「世界の人々が何を感じているのか、どんな文化があるのかを知るべきだ」と。

リビタさん・茨城県・茨城移住計画の官民連携のもとで行われた「if design project(*)」にプロジェクトメンバーとして参画したのもそのためです。茨城県が輝きだす未来のプロジェクトに向けて、価値観の異なる人たちが同じ想いでアイデアを出すという考えに共感しました。若手人口の流出は僕の地元の長崎も共通した課題ということもあり、ぜひ協力したいと思いました。

ーどういうきっかけでそのような考えになったのでしょうか。

大きなターニングポイントは政府への出向です。朝はフランス、夜ドイツ、翌日ベルギー、その次はロンドン…. ものすごいスピードで移動しながら働いていました。そのうちに気付いたのが「働く上で場所は意味を成さない」ということ。それに移動距離と比例するように、自分も急速に成長していったんです。

そのとき出会ったのは、魅力的な人ばかりでした。たとえば発展途上国にしても、僕と同年代の人たちがすごくわくわくしている感じがある。日本に憧れ、日本に行きたい、日本人みたいになりたい…というパッションに満ちあふれているんですよね。日本にいるとニュースで社会問題をたくさん目にするけれど、海外から見ると魅力にあふれているんです。

大瀬良 亮さんインタビュー 多様な価値観を多様なままに。 自分らしい「居場所」の選択肢。

*「if design project」とは

リビタ・茨城移住計画・茨城県の官民連携のもと、2018年にスタートしたプロジェクト。多様なフィールドで活躍する講師による講義、フィールドワーク、企画ワークショップなどを実施。受講生は茨城県の魅力を発掘し、地元企業に企画を提案する。提案力とともに仲間を見つけ、これからの自身の働き方・生き方を見つめ直すきっかけに。

自分で働く場所を選び、ワークスタイルをデザインできる世界を

ー大瀬良さんご自身、世界の人々の価値観に触れることで気づかされたことがあったんですね。

はい。彼らのパッションに触れるだけで、かなりの刺激になりました。今の日本は「働き方改革」が重視されているけれど、みんなが仕事をセーブしたいわけじゃない。もっと走って、もっと伸びたい人はたくさんいます。「働きたい人が、働かせてもらえない」こと問題だと思うんです。働きたいように働けない日本じゃ、いつ途上国のエネルギッシュな若者に追い越されてもおかしくない。

「日本がわくわくする場所であってほしい」と考えたとき、「自分で働く場所を選び、ワークスタイルをデザインできる世界を」と思いました。それで始めたのが『HafH』です。

大瀬良 亮さんインタビュー 多様な価値観を多様なままに。 自分らしい「居場所」の選択肢。

「定住」と「アドレスホッピング」の間に『HafH』がある

『HafH』は大瀬良さんの実体験をもとにはじめたサービスだったんですね。実際にどのような方が利用されていますか?

利用者の層は広いけれど、一定層ご利用いただいているのが前の僕と同じような境遇の方です。キャリアを積んできたけれど、居心地のよくない場所になっている。つまり「自分の理想の生き方と、現実に距離を感じている方」です。

『HafH』はそうした方に共感いただくことが魅力一つだと思っています。実際に「ワーケーションや多拠点生活はあきらめていたけれど、『HafH』を見たらできそうな気がした」といって利用する方は多いんです。

ーワーケーションや多拠点生活をやってみたいけれど勇気がなかったり、会社で許可が降りなかったり。まだまだ課題はありそうですね。

もちろん、これからワーケーションや多拠点生活、アドレスポッピング(定住せず、さまざまなエリアを転々としながら働くこと)が主流になるわけじゃないと思っています。あくまで選択肢のひとつになるだけで、「定住」と「アドレスホッピング」の間に『HafH』があるのかな、と。ネイバーHafH利用者。ご近所さんの意)は月に数泊という方が主流で、基本的には定住している方です。

いろんな価値観があって、いろんなライフスタイルがある。みんなが同じである必要はありません。定住もアドレスホッピングも月に数回のHafHも、すべて正解。そんな価値観が許容される世の中になってほしいです。

大瀬良 亮さんインタビュー 多様な価値観を多様なままに。 自分らしい「居場所」の選択肢。

リモートワークの普及で「近場で気分転換」が増えてきた

ーコロナ禍でリモートワークが一気に普及しましたね。『HafH』のネイバーにも変化はありましたか?

ものすごく変わりました。コロナ直後は会員数が一時的に下がりましたが、その後GO TOキャンペーンやワーケーション、リモートワークの普及で徐々に上がり、今年の7月は登録者が急増。1日に数千人もご登録いただいた日もありました。それまでのメイン層は20~30代だったけれど、最近では40代の登録も増えています。それにともなって会社員の方が過半数を超えました。

使い方でも変化があり、最近は「近場で気分転換」での利用が増えています。家でリモートワークするのではなく、箱根、鎌倉、葉山あたりの都心近郊エリア、またはオフィスや自宅近くの六本木のホテルなどで「サクッと使う」方が増えてきましたね。

今年の8月1日に『HafH』をリニューアルし、メッセージを「旅のサブスク」に変えました。ワーケーションやアドレスホッピングだけでなく、気軽に気分転換で使っていただけるようにサービスを向上させています。旅行のポータルサイトで宿を探すと時間がかかり、結局行かなかった経験ってありませんか? それくらい旅先を決めることは難しいんです。『HafH』なら費用が上がることを気にせず、シンプルに宿泊先だけで選ぶことができます。負担が少ないし、お得です。

大瀬良 亮さんインタビュー 多様な価値観を多様なままに。 自分らしい「居場所」の選択肢。

利用するうちに「出会い」「学び」が多いことに気がついていく

ー「住む」「働く」「休む」のニーズを『HafH』が全て受け入れるんですね。

はじめは「便利だ」「お得だ」という理由で使っていた方も、何度か使ううちに「出会い」「学び」が多いことに気が付くようです。これはネイバーから教えていただいたんですが、『HafH』を使う方は価値観が近いこともあり、出会いがそのまま成長につながると。そんな実感があるから、利用回数がどんどん増えていく。ネイバー同士で集まることもあるようです。

最近は子連れワーケーションの問い合わせも増えています。お子さんと一緒に移動となると、教育は大きなハードルになります。会社の活動とは別に、県外から訪れるお子さんも地域の学校に通学できる「デュアルスクール」的な制度を広げられないかを、サービスの拡大と同時に行政と議論を進めていかねばならないと感じています。

「ゲストじゃなくて仲間」。この線引きを超えることが使命だった

ー大瀬良さんのワーケーションの理想は、どのようなものですか

「ゲスト扱いされないこと」です。

僕は2歳から12歳までの10年間は毎年、長崎県の五島列島にある祖父母の家で約1ヶ月半を過ごしていました。すでにこの頃から多拠点生活をしていたんです。長崎市内に暮らしていた僕からすると、クラゲを素手でつかんだりできる五島列島の子はすごくカッコよく見えた。五島列島の友達と遊ぶことは、とにかく刺激的で楽しかったです。

でも一方でどこかアウェイなんですよ。同じ長崎県だけど、五島列島の子たちからすると長崎市は都会です。幼馴染みがいたから仲間に入っていたけれど、やっぱりどこかでゲスト扱いされていました。五島列島の子たちに「亮は仲間なんだ。ゲストじゃなくて、僕らの仲間なんだ」と思ってほしい。この境界を超えることが幼い僕の使命だったなぁ、と最近感じます

大学時代に過ごしたカナダでも、旅先でも、ミッションはゲスト扱いされることではなく、彼らの日常にどれだけ入っていけるか。彼らの言葉を使い、文化に従い、彼らのホームとして一員として認められることが、僕の人生のミッション。これが今も続いていると感じています。

僕が思うワーケーションは、おもてなしされることではなく、地域の一員になること。『HafH』のネイバーもそうだと思うんですよね。地域の方と同じ目線で交流できる「きっかけ」を探していている。これを実現するのが、HafH』が目指しているワーケーションです。

大瀬良 亮さんインタビュー 多様な価値観を多様なままに。 自分らしい「居場所」の選択肢。

仕事は生計と成長の手段であり、自分らしい生き方の表現

ー大瀬良さんが幼い頃から無意識にやっている「越境」こそが、働き方の選択肢を広げていますね。仕事をどのように捉えているのでしょうか。

仕事は「自分らしい生き方の表現」だと思うんです。

仕事を通じて新しい人に出会い、新しい景色を見て、新しい価値観を作る。それによって自分の生計も成り立ち、自分の成長にもつながる。少なくとも僕は、「生計」も「成長」も手にしないと満足できません。

これから東京はローカルのひとつになると思います。わざわざ東京で働く必要がなくなる。働く場所は、福岡でもアジアでも、どこでもいいんです。そうしたボーダーレスな世界が広がっていくんじゃないかな、と。それと同時に、AI時代においてはさまざまな仕事が淘汰されていきます。だからこそ、自分で仕事をプロデュースする時代になっていく。ひとりひとりが与えられた仕事をこなすのではなく、仕事をつくり、仕事を求めて世界を渡り歩く。ある意味では狩猟採集時代に回帰するのではないでしょうか。

HafH』を使えば、そうしたことが現実味を帯びてきます。実際にネイバーの中には数種類の名刺を使って、広いフィールドで仕事をしている方も多くいます。

豊かな暮らし=出会いのコレクション 

ー大瀬良さんの思う「豊かな暮らし」とはどういうものでしょう。

自分にない価値観を持つたくさんの人に出会うことです。

やはり僕のアイデンティティに、五島列島で過ごした経験があります。日本の西の端の集落でゆっくりと過ごした幼少期から、政府の一員として世界中を移動した今まで、コミュニティの視点の幅を大切にしてきました。

政界や経済界のトップ同士の対話は、それほど難しいことではありません。普段使っている言語が同じだからです。でもたとえば、数学者と漁師のおじいさんが話すとしたらお互いにすごく疲れるし、噛み合わないことだってあると思うんです。だけど、そういう言語の違う人同士の対話から生まれるものこそ大切だったりします。僕はどんな言語や価値観を持つ人たちとも、同じ目線になって対話できる。昔からそれだけは自信がありました。

だから僕にとっての「豊かな暮らし」は、多様な価値観を持つ人との出会いをコレクションしていくことで、自分の中の多様性を広げていくこと。『HafH』を通じて、僕にとっての豊かな暮らしが実現できていて、今とても幸せです。

大瀬良 亮さんインタビュー 多様な価値観を多様なままに。 自分らしい「居場所」の選択肢。

あとがき

地方の小さな町を訪れた人は、そこでさまざまな価値観に出会います。牧歌的な景色、土の匂い、宿のスタッフや定食屋のおかみさんとの会話。心地よい刺激を受けながら、働くリズムや考え方が変わっていくことに気がつくでしょう。

一方で、受け入れた側にも変化があります。地方の小さな町で暮らす人々は、都心からやってきた人に同じく刺激をもらいます。都会の暮らし、働き方、価値観。それは、これまで聞いたことも考えたこともないものかもしれません。彼らの人生に何かしらのアクセントを与えるはずです。

つまり、『HafH』を使っていろんな場所を訪れることは、訪れた人・迎えた人のさまざまな価値観を変えていくこと。「これが正しい」「正しくない」のではなく、多様な考え、価値観を受け入れる寛容性のある社会を作っていくことにつながります。そのための社会的インフラが、大瀬良さんの目指すHafH』なのです。終始、素敵な笑顔でそれを語ってくれた。

はじめから「いろんな価値観に出会おう」と意気込むのではなく、まずは「ちょっと気分転換」のつもりでHafH』を利用してみてはいかがでしょう。自分の好きな場所で、自分の好きな人と働いたり、リラックスしたり。本当に価値ある出会いとは、そんな気負わないところから生まれるのではないでしょうか。

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