苦味と甘みとを閉じ込めた一品、春野菜のサンバル
1984年、鎌倉生まれ。南インド・ニルギリの高校GSIS(Good Shephered Int’l School)を卒業し、スイス・ジュネーブのCollege du Lemanにてケンブリッジ大学のA Levelを獲得。その後、スペインに留学して経営学と料理を学び、帰国。アナン㈱にて新商品開発やネーミング・新規事業の改革等に携わりながら、北インド・グジャラート出身である父アナン・メタの元で、アーユルヴェーダを基にした料理を実践している。旬の野菜をテーマにしたカフェ「移動チャイ屋」を立ち上げ、出張料理を精力的に展開中。また、2011年震災後より宮城県女川町に仲間たちと炊き出しに赴いたのをきっかけに現地の雇用、観光資源創出に向け「女川カレーProject」を仲間と共に始める。スパイスのオンラインストア「インターネットオブスパイス」を運営。
本記事は、BUKATSUDO“つきいちカレー部!”の講師もつとめるスパイス料理の伝道師 メタ・バラッツさんが教える、絶品スパイスカレーのレシピコラムです。読んで楽しむだけでなく、自分で作って味わえる、おいしいコラム。
そろそろ春ですよ。
何か新しいことを始めてみたくなりますね。
暖かく柔らかい日差しと、色とりどりの花たち、長い冬からようやく芽吹いた食材たち。
スパイスやカレーでより春を楽しみたいと思っていたところ考えついたレシピがあります。
大雑把につくり方を説明すると、あなたが入れたい「春」を入れてください。
トゥールダールという豆をまず軽く洗い水に浸けておいてください。2、30分ほどすると冷たい冬を体験した豆たちは大きくなります。
その豆と水とトマトを鍋に加えコトコトと煮込んでいきます。
スパイスで鮮やかさを加えます。ターメリックを少し多めに入れたほうがより春を感じられるような気がします。
新しいことというのは、どこか甘くて酸っぱいので「砂糖」と「タマリンド」も加えてみましょう。
甘くなりすぎると締まりがないのでそこは気をつけてください。
「刺激」という名の辛味もお忘れなく。
ここで、あなたが入れたい「春」を入れます。
菜の花、アスパラガス、キャベツやカブなどお好きな春をどっさりと入れてください。
さらにコトコト煮込んで最後に暖かい光を差し込めば出来上がりです。
スパイスの香りのなかに苦味と甘みとを閉じ込めた春の一品「春野菜のサンバル」。ぜひお家で試してみてください。
ポイントは鼻唄でも歌いながら作ることですかな。
もう春が来ましたね。
春野菜のサンバル
[材料]
・トゥールダール(洗って30分水に浸けておく)…200g
・トマト(さいの目切り)…1個
・タマリンド(ぬるま湯に浸けてタマリンド水にする)…15g
・砂糖…大さじ1
・春野菜(菜の花、かぶ、アスパラガスなど)…300g
・水…1,000ml
・塩…小さじ1と1/2
(テンパリング用材料)
・油…大さじ3
・ニンニク(みじん切り)…2片
・ホールスパイス
・マスタードシード…小さじ1
・カレーリーフ…15枚
・レッドペッパー…2本
・パウダースパイス
・ターメリック…小さじ1
・レッドペッパー…小さじ1/2
・コリアンダー…小さじ2
・クミン…小さじ1
・ブラックペッパー…小さじ1/2
[作り方]
1.鍋に水と水に浸けておいたトゥールダールを加え約30分〜1時間(豆が柔らかくなるまで)煮込んでいく。
2.トマト、タマリンド水を加え軽く煮込み、春野菜を加えて野菜に火が通るまで煮込む。
3.パウダースパイス、砂糖と塩を加える、必要であれば加水する。
4.別のフライパンに油を入れホールスパイス、ニンニクをテンパリングする。
5.油ごと鍋に加える。