幸せの黄色いレモンカレー
本記事は、BUKATSUDO “つきいちカレー部!”の講師もつとめるスパイス料理の伝道師 メタ・バラッツさんが教える、絶品スパイスカレーのレシピコラムです。読んで楽しむだけでなく、自分で作って味わえる、おいしいコラム。
爽やかな黄色い実がたわわとなったレモンの木を見ていると幸せな気持ちになる。
冬を乗り越えて、もうすぐ春が来ますよ〜と伝えてくれているような気もする。
日本では瀬戸内海がレモンの産地としては有名ですが、このレモン、実はインド生まれなのです。
北インド原産と言われているレモンは様々なインド料理に使用するし、カレーの仕上げにレモンをよく使う。路上にはレモンが山積みにされたレモンソーダ屋さんがたくさんある。
疲れたときにはレモンを絞った水を与えるのがインド式おもてなしでもある。
旅人にはレモンと青唐辛子を持たせ、疲れたらレモンを絞った水で英気を養い、道中蛇に噛まれたら青唐辛子をかじり、辛さを感じたら毒ヘビではないと安心していたそうである。今でも長距離トラックやタクシーなどのバックミラーには青唐辛子7本とレモンが1つ紐で繋がれ、かけられている。
家を建てるときはレモンの木を玄関に植え、悪い神様が来ないようにレモンと青唐辛子が玄関先に飾られている。
インドの料理にも生活にも欠かせない「レモン」
今回のカレーはそんなレモンを使用したレシピになっています。
青唐辛子の爽やかな辛さ、カシューナッツの香ばしさ、レモンの酸味が重なり癖になる味わいです。
鮮やかな出来上がりが、春を感じる。おもてなしの一品としても喜ばれると思います。
ぜひ作ってみてください。
レモンクリームのチキンカレー
[材料]
・鳥もも肉(一口大)…500g
・玉ねぎ(スライス)…1個
・おろしニンニク・生姜…各大さじ1
・青唐辛子(小口切り)…1本
・カシューナッツ(水につけておく)…1/2カップ(水200ml)
・水…200ml
・生クリーム…100ml
・レモン汁…大さじ1
・塩…小さじ1.5
ホールスパイス(A)
・フェンネル…小さじ1
・カルダモン…3、4粒
・コリアンダー…小さじ1
・ブラックペッパー…小さじ1
パウダースパイス(B)
・ターメリック…小さじ1
・レッドペッパー…小さじ1/2
・カルダモン…小さじ1/2
・ホワイトペッパー…小さじ1
・コリアンダー…小さじ3
[作り方]
⒈ カシューナッツをペーストにしていく
⒉ 温めたフライパンに油をいれホールスパイス、玉ねぎ、ニンニク、生姜、青唐辛子を炒める。
⒊ パウダースパイス、塩を加え混ぜ合わせ鶏肉を一緒に炒め合わせる。
⒋ カシューナッツペーストを加え炒め合わせ、水を少しずつ加えていく。
⒌ 仕上げに生クリーム、レモン汁を加え一煮立ちさせる。
1984年、鎌倉生まれ。南インド・ニルギリの高校GSIS(Good Shephered Int’l School)を卒業し、スイス・ジュネーブのCollege du Lemanにてケンブリッジ大学のA Levelを獲得。その後、スペインに留学して経営学と料理を学び、帰国。アナン㈱にて新商品開発やネーミング・新規事業の改革等に携わりながら、北インド・グジャラート出身である父アナン・メタの元で、アーユルヴェーダを基にした料理を実践している。旬の野菜をテーマにしたカフェ「移動チャイ屋」を立ち上げ、出張料理を精力的に展開中。また、2011年震災後より宮城県女川町に仲間たちと炊き出しに赴いたのをきっかけに現地の雇用、観光資源創出に向け「女川カレーProject」を仲間と共に始める。スパイスのオンラインストア「インターネットオブスパイス」を運営。