フェイバリット・ビュー 私のくらし#15 レコード|住まいのヒント

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住まいのヒント

フェイバリット・ビュー 私のくらし
#15 レコード

目 次
  1. 1「憧れ」が最初の一歩
  2. 2レコードがつくる時間
  3. 3耳も目も楽しく
  4. 4形ある「もの」が伝えること
  5. 5受け継ぐ思い、つづく景色

気づいたら集めているもの。見かけると、ついつい手が出てしまうもの。
どんなに忙しくても、大事にしたい時間。自分らしくいるために、欠かせない瞬間。
そんな、日々を彩る「もの」やホットな「こと」がつくりだす、お気にいりの景色=favorite view。
くらしにフェイバリット・ビューをもたらす「もの」や「こと」を、くらしをリノベーションする、リビタの社員がご紹介します。

「憧れ」が最初の一歩

今回リビタ社員・丸山がご紹介するのは「レコード」です。

中学生の頃、CDウォークマンを3歳上の姉から譲り受けて以来、音楽は生活に欠かせない存在。ライブやフェスなど非日常の空間で味わうのも好きですし、普段からサブスクを利用するなど形にこだわらず音楽を楽しんでいます。

レコードに惹かれたのは、大学3年生のとき。YouTubeで昭和の楽曲に触れ、昔の音楽に興味をもったのがきっかけです。
当時はコロナ禍。バイトで貯めたお金もあったし、一人暮らしで時間があって、何か新しいことを始めたかったんです。「レコードを聴くっておしゃれだな」と憧れもあり、レコードといえば下北だ、と下北沢のショップに向かいました。

最初に買ったのは、尾崎豊のレコード。動画でパフォーマンスを観て「かっこいい」と思っていたんです。ジャケットも渋くて、一目惚れでした。
その後、プレーヤーを購入。最初は針を落とす場所もわからず見様見真似でしたが、「ついにデビューした」とうれしかったのを覚えています。

レコードがつくる時間

自宅でレコードを聴くタイミングはさまざま。家事をしながら聴くこともあります。特に、洗濯機をまわす30分はレコードを聴くのにちょうど良いんです。

レコードが暮らしに加わって、時間の使い方が変わった気がします。テレビやYouTubeも好きなのですが、本心では時間がもったいないと思いつつ、ついついだらだらとを観てしまうことや、終わるタイミングがつかめないことも。そんなときレコードが目に入ると、「あれを聴きながら食器を洗おう」と切り替えるきっかけになります。

レコードはA面B面がそれぞれ20分くらい。アルバム1枚分流しきってしまえば終わりだし、もう一度聴きたかったら、またかければいい。終わりが決まっているところや、垂れ流しでなく自分でコントロールできる感覚が好きです。
自然と時間に区切りができて、有意義に、丁寧に過ごせる。暮らしが豊かだと感じられます。レコードがあるのとないのだと、自分の日々はだいぶ違うと思います。

耳も目も楽しく

一度針を落としたら、順番どおり最後まで流れるのが好きです。CDやサブスクのようにピッと飛ばして次の曲、とはいかないところが、レコードの制約であり、魅力だと思います。曲順どおりに聴くことで、作り手の意図を感じられたり、最初ピンとこなかった曲も、何度か流すうちに好きになったり。1曲1曲を大事に、アルバムの流れを大切にできるのはレコードならでは。

ジャケットや歌詞カードなど、目で楽しめる要素も魅力。奇抜なデザインに魅かれ、ジャケ買いしたことも。聴いてみると曲もかっこよくて、そういう出会いもうれしいですね。
制作秘話や写真が充実した歌詞カードが多いのも、面白さのひとつ。
あるアーティストのレコードに、制作に携わったミュージシャンとのエピソードが書かれていて。後に2人が結婚したことを思うと「これで親しくなったのかな?」と想像が膨らみます。80年代の伝説的アイドルの歌詞カードは、もはや写真集。10代なのに大人びた表情が印象的でした。

形ある「もの」が伝えること

形ある「もの」の魅力があるから、最近のアーティストもレコードをリリースするのかな、と思います。サブスクで気軽に音楽に触れられる時代に、世に遺す作品としてレコードを選択する。音楽リスナーとしても、気持ちがわかる気がします。
中古レコードを買うと、傷や汚れがあったり、名前が書かれていたり、前の所有者の思い出が垣間見えるときがあって。持ち主の生活が見えて、すごく興味深いんです。

最近、父の実家から何枚か譲ってもらったのですが、当時の学生にとって、レコードは安いものではなかったはず。やっと手にした1枚を大切にする姿を想像したら、グッときたりもして。
「古いレコードに手紙が入っていた」なんてエピソードにも憧れます。自分はまだ体験していないので、いつか巡り合えたらいいですね。

アーティストの思いや過去の持ち主の記憶が、レコードに宿る。レコードを通して、いろいろな景色を見ることができる。すごく素敵なことだと思います。

受け継ぐ思い、つづく景色

現在、部屋にあるレコードは150枚ほど。レコードを面で飾れる棚に収納し、そのときどきの気分で並べて眺めています。
音楽って、過去の作品からインスピレーションを受けて曲が作られ、また次の世代が影響を受けて、とつながっていて。だから、どの年代の音楽が特に好きというのはなくて、新旧どれも全部好きです。

レコードが好きなのは、過去から地続きの思いが見えてくるから。歴史を引き継いで、次につなげる。音楽自体がそうですし、だからこそ「もの」としても魅かれるのだと思います。
自分はリノベーション事業に携わっていますが、古いものを受け継ぎ、新しい景色を創り出していく仕事と、レコードを好むことは、実はリンクしているのかもしれません。

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