未来を描く余白が生む、“居心地のいいメディア”
「ちょっと先、のくらし」はじまります。
いつも『のくらし』を楽しんでいただいてありがとうございます。突然ですが、この度新しく「ちょっと先、のくらし」という対談連載をはじめます。それに伴い、のくらし編集長・株式会社リビタの石川唯さんにお話をお聞きしました。改めて「『のくらし』とは?運営しているリビタとは?」どんな思いで『のくらし』を運営・編集しているのか、そして新連載「ちょっと先、のくらし」を何故はじめるのかについてもお話していただきました。
それぞれの「豊かさ」を考え続けて
ー 改めて、このメディア『のくらし』を運営されている株式会社リビタとは、どんな会社なのでしょうか?
リビタは2005年に住宅領域のリノベーション事業からスタートしました。「次の不動産の常識をつくり続ける」という経営理念を掲げ、お客さまと未来の豊かさを刷新するために事業を進めています。
リビタの社名は、「Renovation〔刷新する〕 + Habitat〔住まい・くらし〕」から生まれたんです。“くらしや生活をリノベーションしたい”という思いが込められています。その思いに基づいて、暮らしや生活の豊かさってどういうことだろう?って考え続けた結果として、シェアハウスやリノベーションホテル、オフィスやコミュニティスペースの企画運営など、ライフスタイル全般にまつわる様々なリノベーション事業を手掛けるようになりました。
「豊かさ」って本来一人一人でイメージが違うものですよね。リビタ内でも明確な定義があるわけではないのですが、それぞれが「自分らしい暮らし方とは?」を考えること、そして考えるための時間とか心の余裕といった“余白”を持つことこそが豊かさなのかなって考えています。
リビタが生まれた頃の住宅業界・不動産業界って、お客さまより供給者側の論理でビジネスが進められていました。一人一人違うはずの「どういう暮らしが理想か?」「私の暮らしにとって本当に必要なものは何か?」という顧客の思いが蔑ろにされていたとも言えます。そんな業界の中で、多様性や自分らしさを持つことをリビタはずっと提案し続けてきました。
私たちらしさを伝えるためのメディア
ー 『のくらし』というメディアは、どういう目的で運営されているか、お聞きしてもよろしいですか?
『のくらし』は2017年にスタートしました。その頃はちょうどリビタが住宅領域を超えて、様々な事業領域を手掛けるようになった拡大期。急激に事業が多様化することで、お客さまからすると“結局何を専門にしている会社か”が分かりづらくなってしまったんですよね。
でも、リビタが手掛ける事業はどれも「くらしの豊かさ」というコンセプトから始まっています。分断して見える各事業でも根っこを紐解くとコンセプトや思いは同じものからスタートしています。その思いの部分から語ればリビタ全体のことをもう少し分かりやすく発信できるんじゃないかなと思って『のくらし』を立ち上げたんです。
ー 思いの部分が共通だからこそ、ひとつのメディアとして発信することができるということですね。のくらしのコンセプト「暮らしに再発見を」は、どういったことでしょうか?
リビタには「くらしのスタンダード‐ReBITA Sustainability Standard‐」という社会・お客様へ提供する価値づくりのための5つの規準を設けています。その中の1つ「Lifestyle Literacy くらしを楽しむ、学びがあること」という考え方に基づいて「暮らしに再発見を。」というコンセプトで編集・運営しています。毎日の暮らしの中から、もう一度「豊かさってなんだっけ?」と考えるきっかけになれたらいいなと思って編集しています。
ー 約5年『のくらし』を運営されて、どうでしたか?
数年前までは、「リビタらしい」というすごく抽象的なイメージで運営してきた部分もあるんですね。それを具体的に伝えるためにも、ここ1年は各事業をもっと知ってもらうための編集をしてきました。「リビタらしさ」を事業から丁寧に語ることで、私たちらしい空気を伝えることに繋がると思って。
ー 結果はいかがでしたか?
実際に、『のくらし』読者の方にも「今は予定がないけど、いつかリノベーションするときはリビタにお願いしたい」とおっしゃっていただけたのはすごく嬉しかったです。少しずつですけど、『のくらし』を通して「リビタらしさ」が伝わっているのかなって実感しましたね。
居心地のいいメディアへ
ー 直近では、どのように考えて編集・運営されているんですか?
ここ数年…パンデミック以降で、お客さまのアンケートなどでも顕著なんですが、住む・暮らすということへの関心が高まっているんですよね。自宅で過ごす時間が増えたことで、居心地の良さにこだわったり、仕事のスタイルが変容したり、「自分らしい暮らし」をもう一度考える方が増えています。パンデミックはネガティブですが、もう一度それぞれが本質的な豊かさについて考えるきっかけになったことは、いいことでもあると思うんです。
そういう状況に合わせて『のくらし』は、もっと本質的な豊かさを考えるための「場」として機能するといいんじゃないかなって考えています。オンライン上ではあるんですけど、『のくらし』を読んだり写真を眺めたり、滞在していただいているときの「居心地」ってあると思うんです。なので、直近では、『のくらし』をもっと「居心地のいい場所」にしたいと思っています。
ー 「メディアの居心地」って確かにあるかもしれませんね。
はい。ありますね。滞在している間に感じられる情緒ですとか、私は「メディアの人格」って呼んでいるんですが、メディアが持っている固有のパーソナリティみたいなものってありますよね。そういうメディアの人格を表現する一つの手段として、私を含めた『のくらし』の編集メンバーも少しずつ発信していくことが必要だと考えています。
ー 確かに、なんとなく「どんな人がやってるの?」とか「なんのためにやってるの?」という、メディアとしても発信していかないと、一方的に情報を出すだけで終わってしまいますよね。
きちんと自分たちのスタンスを表明することは大事なことですよね。『のくらし』の編集に携わる私たちが個人が見える形で思いを伝えることは、信用にもつながりますし、結果としてメディアの人格みたいなものが滲んでくる。そういうメディアであれば、個人であっても企業であっても、共感をベースに繋がれるんじゃないかなって考えています。そういう思いがあって今回から「ちょっと先、のくらし」という対談コンテンツをスタートするんですよ。
「ちょっと先、のくらし」はじまります
ー 「ちょっと先、のくらし」は編集長の石川さんが毎回さまざまな人と対談されるコンテンツとお聞きしています。
はい。企業としても個人としても、未来を考え続けることって、もちろんすごく大事なんですけど、今回のパンデミックが誰にも予測できなかったように、5年10年先の未来ってなかなか予測できませんよね。でも、現在の暮らしから見える少しだけ先の未来、半歩先の未来については描けるかもしれない。そういったちょっとだけ未来の話を色々な業界の方とお話しできたらと思っています。
例えば、少しマニアックだったり、いますぐ必要がなさそうな情報であっても、未来に向かった話ができれば、それは未来を創るための大事な1つのピースですよね。『のくらし』の中で、そういう半歩先を考えるための余白を持つイメージなんです。先ほどもお話したように、余白を持つことは豊かさや情緒みたいなものに繋がります。それは、メディアであっても同じなんじゃないかな、と。
ー 「ちょっと先、のくらし」そのものが『のくらし』の余白としても機能する。結果的にメディアの人格が表現できるかもしれませんね。
そう考えています。余白があれば、色々な方が集まりやすいですからね。未来のヒントを集めることで、知の共有ができるメディアになったらいいなって思っています。いずれは「ちょっと先、のくらし」をきっかけにコラボレーションが生まれたり、リアルイベントにつなげていきたいと思っていますし、社内からの期待も高いんです。私自身が会いたい人に会いにいくためのきっかけになればいいと思いますし、『のくらし』をより濃いコミュニケーションが生まれる“居心地のいいメディア”にしていきたいですね。