オーダーメイドと既製品|お宅拝見

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オーダーメイドと既製品

目 次
  1. 1自分たちにとって理想的な家の買い方が目の前に現れた
  2. 2toolboxの専用カタログから必要なものを選ぶワクワク感。
  3. 3予算は100万円にはこだわらない。でも、調整のためにDIYにも挑戦。
  4. 4家作りのプロセスで学んだことは、自分たちでできることがたくさんあるということ。

整えられたのは、無垢の床や合板の壁で構成されたハコと設備だけ。「西荻窪の家」は、内装に関わる素材やパーツ、職人サービスなどを集めたウェブショップtoolbox(ツールボックス)アイテムを使って、住む人自身が空間を編集していく一戸建てです。そのハコや家の買い方に共鳴し、見てすぐに購入を決めたというSさんご夫妻。「西荻窪の家」を担当したtoolboxマネージャーの一杉伊織さんにも加わっていただき、住み手が主体的に進めていく家づくりのプロセス、またそこに深く関わっていくことで感じた思いなどをお聞きしました。

オーダーメイドと既製品

自分たちにとって理想的な
家の買い方が目の前に現れた

——「西荻窪の家」は、木造2階建てのリノベーション済み一戸建てですが、販売時には上下階ともに仕切るものが何もないワンルーム状態のハコでした。その物件価格には、100万円分の内装費用が含まれ、toolboxのアイテムを使って、ご自身で壁や収納、パーツなどをセレクトできるという、ちょっと変わったシステムですよね。最初にこの家を見たときはどう思いましたか?

オーダーメイドと既製品
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▲当初は、何もない空間に階段、水まわりなどの設備だけがある状態だった。

奥さま:とても嬉しくて、夢が膨らむ感じでした。初めて見に来たその日に「買おう!」と思ったほど気に入ってしまったんです。西荻窪にエリアを絞り、中古の戸建てをリフォームしようと、物件を探していたのですが、壊したりつくり直したりする必要がなく、構造の安全性や環境機能が満たされたハコがすでに出来ていて欲しいものを付け足していけばいいだけという状態なので、楽しいところだけ考えられるというのがいいなと思いました。私たちにとっては理想的な家の買い方が、目の前に出現したような気持ちでしたね。

——「西荻窪の家」はインターネットで見つけられたんですよね?

ご主人:そうです。間取りの概念がないからか、間取りで検索したときには引っかからず、平米数で検索したときにたまたま出てきました。最初は間取りの概念がなくて、ちょっと変わった家だなと思ったのですが、気になってとりあえず見に行ってみることにしたんです。でも写真がいい感じだったので、「これは!」という直感はありましたね。

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——写真や実際の空間を見て、ハコとしても魅力を感じたということでしょうか?

奥さま:一般的な新築のツルッとした真新しさでは物足りなさを感じます。ここでは壁のほとんどが合板で仕上げられている荒々しい感じや、他にはない印象に惹かれました。でも、直接足に触れる床には無垢材が使われていて、水まわりの設備などはきちんと整えられているところもいいなと思いました。壁には何も仕上げがされていないけれど、塗りたくなったらいかようにでも塗っていいというような寛容さや、失敗しても受け入れてくれそうな「おおらかさ」にも魅力を感じました。

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toolboxの専用カタログから
必要なものを選ぶワクワク感。

——toolboxの存在はご存知でしたか?

ご主人:この家に出会ってから初めて知りましたが、すごく面白いなと感じました。toolboxのアイテムから、自分たちが必要なものを選んで空間を考えていくことができるというのも、夢が膨らんだ要素のひとつですね。

——toolboxのアイテムを使った内装づくり。実際にはどのように考えていったのでしょうか?

奥さま:まず「西荻窪の家」のためにつくられた専用カタログをいただいたのですが、そのカタログもとても素敵で、最初から参加している感じでワクワクしました。その中から必要なアイテムを選んでいくのですが、この空間を何の部屋にしようかと考え、その目的から必要な収納を検討して選んでいった感じです。前の家で使っていた収納を目安に、大きさなども考えていきました。リビタの担当だった水上さんから「まずは予算や制限を考えず、希望を盛り込んでください」と言われ、自分なりに図面を描いてイメージをお伝えしました。そこから予算に合わせて引き算していき、実現可能な計画に落とし込んでいきました。

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▲専用カタログを見ながら、奥さまが描いた図面

——ここからは、toolboxの一杉さんにもお聞きしたいのですが、専用カタログとはどのようなものなのですか?

toolbox 一杉:toolboxはウェブショップとして内装に関わる素材やパーツ、工事サービスなどを提供していますが、扱っているアイテムが複合的で幅広いので、「西荻窪の家」のプロジェクトでは、このハコに対して必要になりそうなものを想定し、ある程度抽出した形でカタログをご用意しました。カタログでは、通常わかりづらい工事費を、それぞれのアイテムごとに明記。お施主様が足し算、引き算をすることで選択できます。ご自身でメニューを選びやすく、やりたいことを叶えるためのコストもスピーディーに判明するような形になっています。

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予算は100万円にはこだわらない。
でも、調整のためにDIYにも挑戦。

——実際に専用カタログから選んだ主なアイテムを教えてください。

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奥さま:1階の玄関側に壁を設けて寝室にして、木製フレームの室内窓をつくりました。(写真左が元の状態。右が壁を設けて寝室をつくった状態。)

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奥さま:玄関の土間には足場板とスチールの棚受けで下足棚をつくってもらっています。

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ご主人:土間から続くオープンなスペースの壁側にクローゼットを設けています。和室も欲しかったので、置き畳も敷きました。

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奥さま:2階は天井まで届く壁一面の本棚、ハンモック、キッチンの後ろにある食器棚などです。それから大きなものでは、外構のウッドフェンス。ここは結構こだわりました。

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——外構のウッドフェンスは、駐車場として想定されていたスペースに、あえて芝を植えてつくられた庭を囲うアイテムとして選ばれたものですね。将来的にも車は持たないというお考えですか?

ご主人:普段あまり使わないですし、必要なときはレンタカーで十分だと考えています。芝や樹木なども全部自分たちで植えました。土いじりや庭で過ごす時間など、戸建て暮らしならではの新しい楽しみも増えたと感じています。

——物件価格に含まれている内装費用の100万円というのは、どのように捉えていらっしゃいましたか?

ご主人:最初から100万円では収まらないだろうなと思っていたので、それほど意識せずに、希望を叶えるためにはどのくらいの予算が必要なんだろうと考え、準備できる予算に合わせて、アイテムの選び方を調整していった感じです。予算調整のため、床のオイル塗装やパーツの取り付けなど、自分たちでできる部分は、DIYでやることも決めました。ペーパーホルダーやタオル掛けなどは、住み始めると同時に自分たちで設置しましたが、真鍮の素材感がとても気に入っています。多分ずっと使い続けるでしょうし、家と一緒に育っていってくれそうな気がしています。

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家作りのプロセスで学んだことは、
自分たちでできることがたくさんあるということ。

——カタログからアイテムや工事を選んだら、その後はどのように進みましたか?

奥さま:toolboxのショールームに行って、一杉さんと打ち合わせをしました。選んだアイテムを実際に見たり、手で触ったりして確認し、色や素材などの細かいところを決めていきました。DIYで取り付けできそうかどうかなども、現物を見ながらなのでよく分かり、安心できましたし、道具は何が必要かなども理解できました。

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toolbox 一杉:実際の素材を見ていただきながら、その場で具体的な工事の内容などもご説明しました。より理想に近づけるためのプラスアルファとして、さらに盛り込めることなどもご提案し、微調整をしていきました。

奥さま:その後は、現場で打ち合せをしました。実際の空間を見ながら、クローゼットや本棚の高さや大きさなどを説明してもらい、スケール感を確認できました。部屋の広さがどのくらいになるかなど、図面では分らなかったことも現実感を持って理解できて、確かな納得感がありました。

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——今後、付け加えたいことややってみたいことはありますか?

奥さま:いろいろあるのですが、トイレと寝室の壁をペンキで塗りたいと思っています。玄関の周囲は、アーチのように壁がグレーで塗られているのですが、住んでみてその色がとても心地よく感じます。寝室のほうは玄関から延長するような感じで、同じ色で塗ろうかなと考えています。

——toolboxとのやり取りの経験があるから、住み始めてから何かをやりたいと思ったときもスムーズに進みそうですね。

奥さま:どんな塗料を使えばいいかなどの相談が、すぐにできるのはありがたいですね。

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奥さま:今回の家づくりを通して自分たちでできることがたくさんあることも分かったし、まず自分たちで「どうしようか?」と考えることが身に付いたように思います。自分たちで考えて、必要だと思ったものを選んでいくプロセスを経験したことで、家がちゃんと自分たちのものになっていっているという感覚がありますね。

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