ゲストルームと海外風の暮らし|お宅拝見

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ゲストルームと海外風の暮らし

目 次
  1. 1お手本にしたのは、海外生活での住まいリノベーションで再現した「100㎡」の活かし方。
  2. 2グレージュを基調に白を効かせた上品で落ち着いた空間
  3. 3今の自分たちが気に入ったもので、今後の20年間の暮らしを紡ぐ

50代のご夫婦と10代の娘さんの3人で暮らすAさんご家族は、竣工当時から20年間住んでいた分譲マンションからの住み替えを検討し、築14年、面積95㎡強の中古マンションをリノベーションすることにしました。新築マンションへの住み替えでは叶えることができなかったという、間取りや収納へのこだわり、センスが光る仕上げのセレクトなどについて、詳しくお聞きしました。

ゲストルームと海外風の暮らし

お手本にしたのは、海外生活での住まい
リノベーションで再現した「100㎡」の活かし方。

–玄関や水まわりなど、すべての場所がゆったりとしていて、スケール感が大きいですね。LDKは23畳以上。95㎡の面積を余すところなく使った空間だと思います。

ご主人:以前の家で手狭に感じていたのを解決したいというのが、住み替えの一番の目的だったので、100㎡前後の広めの住まいを求めていました。100㎡以上の物件はなかなかないので、いい物件が見つからず20軒くらい見学したんです。

–100㎡前後とは広めですね。広い空間でどんな暮らしをしたいと考えていましたか?

ご主人:仕事の都合で10年ほど前、海外に3年間住んでいたことがあります。その時の家は築50年以上のアパートだったのですが、面積が145㎡ほどでゲストルームのほかにゲスト用のバスルームやトイレもあり、とてもゆったりしていました。そのときの空間の使い方などが影響しているのかもしれません。

奥さま:海外に住んでいる間に娘には、世界中から来ている同世代の友人がたくさんできました。今後、海外の友人が日本の娘のところに遊びに来る機会もあると思います。そのときのためにゲストルームを用意したかったんです。子ども室と隣接するような形で、仕切って別々にしたりオープンにして広く使ったりできるような空間をイメージしていました。新築マンションだと100㎡前後というのは予算的にも厳しく、そのような特殊な間取りの希望を叶えるのは難しいですよね。だから、中古マンションのリノベーションに惹かれたんです。

——子ども部屋の隣にある、ソファベッドが置いてある空間がゲストルームですね。奥さまのイメージ通りの空間に仕上がっています。

奥さま:子どもの友人がある程度長く滞在しても快適に過ごせるような空間にしたいと思っていました。また、将来、子どもが家庭を持ったら家族を連れて帰って来ても泊まれるよう、普段は引戸を開けて、娘が広々と使うこともできます。でも実際はこもったほうが勉強などに集中できるみたいで、閉めていることも多いみたいです(笑)。

ゲストルームと海外風の暮らし
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手前の子ども部屋と奥のゲストルームがオープンにつながる。
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中央の引き戸を閉めると別々の空間に

——勉強の合間に、外の景色を見ながら休憩するなど、気分転換の場所にもいいですね。海外で暮らしたご経験から、広さ以外に住まいに対する価値観が変化したことはありますか?

ご主人:新しい建物をどんどんつくるのではなく、古い建物を大切に使っていく文化はリアルに感じました。友人の中には、郊外の一軒家で昔の厩舎をDIYで素敵なゲストハウスに改装している人なども。内装にこだわり、時間をかけて楽しみながら自分たちで手を加えていく人が多いんですね。アンティークなども上手く取り入れ、古さを上品に活かしているのを感じました。自分たちのこだわりを住まいに反映していきたいという気持ちは、以前より強くなったと思います。

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グレージュを基調に白を効かせた
上品で落ち着いた空間

——リノベーションの設計を進める上で、他にこだわったところはありますか?

奥さま:リビングダイニングを眺めながら料理ができる対面式のキッチンにすることです。LDKが一番長く過ごす場所なので、広くて快適な場所にしたいと思いました。キッチンはパナソニックのLシリーズという既製品をセレクトし、リビング側に手元が隠れる高さの収納を造作してもらいました。開放感をキープしつつ、シンクの周辺はリビングからは見えないようになっています。私は身長が高めなので、キッチンの高さも90cmにしてもらいました。

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ご主人:キッチンから洗面室へ抜けられる動線があり、回遊性があることも生活のしやすさにつながっています。子ども部屋も引戸を開ければ回遊できます。いろいろな場所で広さとゆとりを感じることができますね。

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奥さま:ものが多いので収納もしっかりつくってもらいました。収納量を確保するだけではなく、使いたい場所ごとに収納をつくり、取り出しやすさにも配慮してもらっています。窯元めぐりをするほど器が好きで、食器もたくさんありますし、趣味でカルトナージュやシュガークラフト、押し花などをやっていて、道具類もとても多いんです。シューズクローゼットやウォークインクローゼットも十分な面積を取ってもらいました。
ロボット掃除機を格納する場所として、洗面台の下を想定したので、きっちり収まるように床との間もジャストサイズで空けてもらったんです。配線などあまり見せたくないものが表に出ないように、収める場所を工夫してもらうこともできました。リノベーションで一から設計すると、自分たちの好きな空間をつくれるだけでなく、そういった細かいこだわりにも自在に対応してもらえるのが嬉しいですね。

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玄関から続くシューズクローゼットも大容量。スーツケースなど普段は使わないものなども収納。
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寝室の隣にはご夫婦の洋服を納めたウォークインクローゼット。奥さまの着物類なども整理されている。
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ロボット掃除機が入る高さに調整。掃除をしたらきちんと帰って来る

奥さま:玄関は、岩谷堂箪笥の民芸家具を置くために床を一段上げてもらいました。結婚祝いに母が買ってくれたもので、ずっと前から大切にしていたのですが、他のインテリアとテイストが違うのでどこに置けばいいかと思っていたんです。玄関に置くとテイストの違いが逆に活きて、ホテルのディスプレイのような雰囲気にまとまったと感じます。

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——仕上げについてもお聞かせください。全体的にペールトーンの優しい色合いで上品にまとめられていますね。

奥さま:落ち着いたモダンシックなテイストを目指しました。LDKの壁・天井などの壁紙は、ベースカラーとなるグレージュをセレクト。グレーっぽいトーンですが、少しベージュが入っているので暗くなりすぎないのがいいですね。子ども部屋は少し変化が欲しかったので、トーンを変えて青みのあるグレーにしました。床はうづくり加工を施したオークで、白色の天然塗料で染色されているものです。これは設計者のアトリエエツコの山田悦子さんが推薦してくれました。

最初は前の家で使っていたブラウン系の家具を、引き続き使おうと思っていたので、床の色もそれに合わせるつもりだったのですが、家具は新しいインテリアに合わせて新調することになり、床も造作家具などに合わせて選び直しました。実はまだ前の家具を使っていて、インテリアが合っていないところもあります。ダイニングテーブルやチェアなどはファブリックを使って、一時的に雰囲気を合わせています。暮らしながら空間に合った家具を探していこうと思っています。

ご主人:この床は山田さんからの提案がなければ、自分たちでは選ばなかったものかもしれませんが、仕上がった空間にはとても馴染んでいますし、なんとなく高揚感をもたらしてくれる気がして、とても気に入っています。

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奥さま:寝室の壁の一面にアクセントとして、ストライプの壁紙を採用しました。カーテンは「マナトレーディング」、寝室と子ども部屋の窓は「ノーマン」のハニカムスクリーンです。カーテンは最後に決めたので、ショールームに床材と壁紙のサンプルを持ち込んで、合わせながら選びました。

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仕上げの素材はほとんど私が選んだのですが、部分では好みや希望をお伝えできても、トータルの仕上がりがイメージできず、サンプルを複数提案してもらって、ショールームに足を運んで確認することを繰り返しました。キッチンや収納の扉の造作などは白で統一していますが、これは山田さんからの提案です。グレーやベージュを基調とした空間を、明るく引き立てるポイントとして上手くまとまっていると感じています。

また、キッチンのカウンター側の壁など光が当たるところには、天然石のタイルを使って、陰影を美しく強調しています。上からの間接照明が効いている洗面の壁にも、テクスチャーのあるタイルを張ってもらいました。

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今の自分たちが気に入ったもので、
今後の20年間の暮らしを紡ぐ

——Aさんご家族は、新築で購入した分譲マンションに長年住んでいらっしゃいました。今回、中古マンションを購入してリノベーションをされましたが、中古という点については不安や抵抗などはなかったのでしょうか?

ご主人:中古であることや築年数については、抵抗や不安はありませんでした。新耐震基準を満たしていれば、築30年オーバーでもよかったんです。実際に見学した中で築30年の物件を気に入って、かなり真剣に検討しました。ただ、物件を見ていくうちに、配管の都合でリノベーションをしても、段差が解消できないケースがあることも分かりました。そういった物件は候補から外すようにしていましたね。

奥さま:条件に合っていても、外観やエントランス、共用部の雰囲気が好みでないものは、気持ちが動きませんでした。暗い雰囲気だったり、ゴージャスすぎるものは避けていたように思います。

ご主人:実はこの物件は、2回見学しているんです。最初はすごく初期の頃に、同じ日に140㎡の物件を見学していたので面積が少し狭く感じて候補から外していました。20軒近く見学した後に、ご近所だしもう一度見るだけ見てみるかとリビタのコンサルタントの斉藤さんと再度この物件を見学にきました。実はあまり期待してなかったのですが、2回目の見学前に斉藤さんが先に下見をしていて、興奮気味にこれまで見た中でもナンバーワンですよとおっしゃるのです。

その頃までにはこちらも物件を見る目もすっかり鍛えられ、自分たちの希望や要望が整理されていました。確かに自分たちの求めるものを満たすとてもいい物件だということが分かり、とんとん拍子で決めることができました。最初の見学が冬だったのに対し、二度目は初夏で豊かな緑が実感できたことも大きな印象の違いをうみました。斉藤さんが一緒だったので、専門的かつ客観的な立場から、具体的にリノベーションをイメージしながら、気をつけるべきポイントをアドバイスしていただけて、自分たちだけで見学するよりもはるかに有意義でした。

奥さま:引っ越しは20mほどの距離でした。長年住んできたこのエリアが気に入っていたので、環境を変えずに理想的な空間に住み替えられることもメリットでした。駅までずっと低層の住宅街が続き、緑も多くとても静かで腰を落ち着けて暮らせる環境なんです。

ご主人:以前の家には20年間住み、そこで2回ほど小さなリフォームも経験し、とても気に入っていました。今回の住み替えをしたのは今後の20~30年先までを見据え、現在の自分たちが気に入った空間をもう一度つくって、そこでこれからの時間を過ごしていきたいという将来への希望も込めています。リビタのサービスを通し、物件、設計者など全ての要素が集まって、それを叶える満足度の高い家づくりができたと感じています。

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