広々LDKと愛用家具でつくるミニマルライフ
- マンション
- 所在地:
- 東京都江東区
- 居住者構成:
- 1人
- 専有面積:
- 54.60㎡
- 間取り:
- 1LDK
- 既存建物竣工年:
- 1981年
- リノベーション竣工年:
- 2023年
玄関を入ると廊下に沿って右側に約7.0帖の個室があり、寝室と洋服の収納場所として使用している。左側に洗面・浴室、トイレが並ぶ。廊下の先の引き戸を開けると約18.5帖のLDKが広がる。オープンな対面キッチンはペニンシュラ型で、窓からの景色を感じながら料理ができる。
エネルギーや水を扱う環境サービスを提供する会社に勤める30代シングルのMさん。お仕事ではサステナビリティ推進の担当をされていることもあり、省エネ住宅への関心が高く、当初は新築戸建てを検討していました。しかし、デザイン性、立地、コストのバランスから、リノベーション済みマンションという選択肢と出会い、思い描いていた通りの暮らしを実現。解体や新築にかかる環境リソースも考慮して、自分サイズのちょうどいい選択ができたというMさんにお話を聞きました。
デザイン、立地、予算のバランスがちょうどいい
リノベーション済みマンションを選択
――リビタのリノベーション済みマンションを新居として選んだ理由を教えてください。
Mさん 以前はワンルームの賃貸に住んでいたのですが、狭さを感じていて、もっと広い家に住みたいと思っていました。頭金などの予算の準備ができたこともあり、賃貸から卒業して住まいを購入することに。最初は新築の一戸建てに住みたいと思って探し始めたのですが、希望するエリアでは予算内で見つけることが難しいと分かりました。どうしようかと迷っていたときにリノベーションという方法があることを知り、改めて探しているなかでこの物件を見つけたのです。ウェブで内装の写真を見て、好きなテイストだと感じて「ここに住みたいな」と思い、見学して購入に至りました。
――具体的に惹かれたところや気に入ったポイントはどんなところですか?
Mさん 個室は寝室だけで、それ以外は全部ワンルームのようにつながっていて、LDKが広く取ってある間取りがいいなと思いました。一戸建てでもワンフロアはまるごとLDKで間仕切りがあまりない家にしたいと考えていたので、そのイメージにも近かったです。オークのフローリングも好きな素材感で、キッチンや壁・天井、ドアなどが白で統一されたニュートラルな感じもすごくよかったですね。自分で家を建てるならといろいろ想像していたときに、ブックマークしていた写真のイメージともとても似ていました。さらに、戸建てと比較すると、立地とデザインと価格のバランスが取れていて、納得感をもって購入できたというのも大きかったです。
――戸建てに住みたいという希望から、リノベーションマンションへと方向性を変えることに抵抗はなかったですか?
Mさん 新築で建てる場合は、耐震性や断熱性能などを現在の基準に合わせて、太陽光発電パネルも設置して、省エネ住宅にしたいと思っていました。環境サービス関連の仕事をしていることもあり、住宅性能に対する優先度は高かったと思います。とはいえそれは新築戸建てという前提で、マンションの場合は、建物内の温度差がそれほどないだろうと思っていました。さらに、リノベーションで室内側のすべての窓にインナーサッシが新設されていたことに加え、建物全体の大規模修繕で、屋外側のサッシもペアガラスに交換されるとのことだったので、窓の断熱性能は十分に期待できると判断しました。また、いろいろと探しているうちに、自分一人が暮らすために、古家を壊して新しい建材を使って建てるのは、プロセスや資源のリソースがかかりすぎるのではと疑問を感じ始めていました。そんなとき、リノベーション済みマンションを知ったことで、新築と比較すると社会や自然への負荷が小さい住宅の取得方法だと感じたことも決め手となりましたね。
真夏はベッドをLDKに移動させて快眠。
余白で暮らし方の自由度が広がる
――実際に暮らしてみて、暑さや寒さはどのように感じましたか?
Mさん ちょうど入居してから1年経ちましたが、想像していた通り、家の中の温度差は少なく、LDKにあるエアコン1台を暑い日や寒い日に使う程度で問題ありません。以前暮らしていた賃貸アパートでは、真冬に廊下やトイレ、浴室にいくのが苦痛だったり、朝起きるとき部屋が暖まるまでベッドから出たくないと感じたりすることもありました。この住まいではそのような寒さを感じることがなくなり、快適に暮らしています。玄関側の個室を寝室にしているのですが、そこにはエアコンをつけていないので、さすがに真夏は暑く感じたので、ベッドをLDKに移動させて寝ていました。
――LDKが広く余白となるスペースがあるからこそ、ベッドを移動させるなどフレキシブルな空間の使い方ができるのですね。
Mさん 快適な場所を探して、遊牧民みたいに季節ごとに寝る場所を変えられるのも一人暮らしだからできることで、この広いLDKがそんな自由な暮らし方を叶えてくれています。この余白はヨガなどの運動をする時にも便利。今はキッチンの前にデスクと棚を置いてワークスペースにしていますが、入居してしばらくはダイニングテーブルとワークスペースの位置を逆にしていました。暮らしてみて動線に不便さを感じたことと、L字型に棚とデスクを並べると圧迫感があったため、場所を入れ替えてみたらとてもしっくりきて、今のところはこのレイアウトで落ち着いています。
――窓辺のワークスペースは、明るくてとても快適そうに見えます。リモートワークも多いのですか?
Mさん 3分の1くらいはリモートワークです。オンライン会議も多いので、この配置だと背面が白い壁になるというメリットもありますね。このワークスペースは広い余白に面していて開放感もあるのですが、意外とこもり感もあって、集中できる空間となっています。一方でダイニングでは壁を背にして座ると、窓からの景色が開けて気持ちいいです。場所によって居心地や気分が随分変わりますね。
――ワンルーム状の広々とした空間は自由にできるからこそ家具の配置が難しい面もあると思いますが、必要最小限の家具で、ご自身の暮らし方にフィットするレイアウトに落とし込まれていますね。
Mさん 広い空間にはものを置かず、広いまま使いたいという思いもあり、家具は必要なものだけを厳選して、できるだけ余白が残るようにゾーンをゆるやかに仕切る感覚でレイアウトを考えました。こだわりとしては、視線を遮って抜け感がなくなってしまうのはもったいないから、なるべく腰の高さより高い家具は置かないことにしています。地震が起こったときにものが落下するリスクも減りますし、低めの位置に収納があると、片付けて整頓しておこうという気分にもなり、すっきりした空間をキープできるのです。
愛着のある家具やものを活かし、
工夫を重ねて快適な暮らしをつくる
――家具もとてもシンプルなものでまとめられていますが、どのようにセレクトしましたか?
Mさん ワークスペースのデスクと棚はIKEAのもので、前の家からそのまま使っています。ダイニングテーブルとチェアは無印良品のもので、両親から引っ越し祝いでもらったものです。テレビを置いている棚も無印良品で、祖母が使っていたものを譲り受けました。実は黄色のカーテンも祖母の家で使っていたものなのです。合わなければ購入しようと思っていたのですが、つけてみると意外と床の色とも馴染んでいていいなと感じています。
――ワークスペースのデスクライトも黄色で、カーテンとも合っているし、フローリングの木目や壁・天井の白色などシンプルな配色の空間のなかで差し色として効いていますね。
Mさん このデスクライトは小学生の頃から使っているものです。両親にインテリアショップに連れて行ってもらい、妹とお揃いで自分たちで選んだものなのですが、このデザインと色が好きでずっと愛用しています。気に入ったものは長く大切に使うタイプかもしれません。
――住み始めてから手を加えたところはありますか?
Mさん キッチンの床に、水や油が飛んでフローリングが汚れてしまうのが気になって、メンテナンスがしやすいようにグレーのフロアタイルを自分で敷きました。玄関横にある小さな収納スペースにも、支柱をつけて棚板を自分で設置して、ものをしまいやすくしています。洗面室にハンガーを掛けられるバーをつけたいと思っているのですが、現在は簡易的な突っ張り棒で使い方を模索中。どんなものがいいか、実際に試してみてから長く使えるものを設置したいと思っています。間取りや仕上げはとても気に入っているので、大きく変えたいところはなくて、普段の生活や家事で感じるストレスをなくして、より機能的に暮らしやすくしていくために手を加えていっているような感じです。
――この住まいで暮らし始めてからの感想、住まいを購入して感じたことなどを教えてください。
Mさん まだ1年しか経っていないのですが、ずっと昔から住んでいるような感じで違和感がなく、自分がイメージしていた理想通りの暮らし方ができています。自分でリノベをしたわけではなく、リノベーション済みの物件で、ここまで自分にぴったり合った住まいに出会えてよかったです。
完成しているものを見て決められたことは、リノベーション済み物件の大きなメリットであり、安心感がありました。私も最初は、リノベーション済みマンションという概念を知らなかったし、まだまだ当たり前ではないですよね。多くの人にとって時間的にも予算的にも省コストで理想の住まいを実現できる可能性が高い暮らし方だなと、実際に住んでみて感じているので、この選択肢が世の中に広まっていくといいなと思っています。