暮らし手の個性が主役になる空間ミラノサローネで見つけた暮らしのヒント|住まいのヒント

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住まいのヒント

暮らし手の個性が主役になる空間
ミラノサローネで見つけた暮らしのヒント

目 次
  1. 1ベーシックな色と素材が、心地よさをつくる
  2. 2家具と照明が空間に余白をつくる
  3. 3「住まいは表現の場」という考え方
  4. 4まとめ――自分らしさを育てる空間へ

毎年4月にイタリア・ミラノで開催される、世界最大規模の家具見本市「ミラノサローネ国際家具見本市」。ミラノ市内でも、多くの企業やデザイナーによる展示が行われ「ミラノデザインウィーク」と呼ばれる世界的なデザインの祭典となっています。 数年ぶりに現地を訪れたリビタ社員の印象に残ったのは、空間を“つくり込みすぎない”という視点でした。
各ブランドの展示空間には、それぞれのコンセプトが表現されながらも、完成された世界観を押し出すのではなく、使い手の想像力を掻き立てるような空間づくりが多く見られました。住まい手がどのように暮らすかによって完成していく。そんな“余白”のある空間が豊かさにつながっているように感じられました。 その姿勢は、私たちリビタが日頃から大切にしている「住まい手の個性」や「物件の特性」に寄り添う考え方と通じるものがありました。 本記事では、「ミラノデザインウィーク2025」の視察を通して感じた、住まい手の個性が引き立つ空間づくりのヒントをご紹介します。

ベーシックな色と素材が、心地よさをつくる

今年の展示で特に目を引いたのが、クラフトマンシップによるディテールの美しさです。木、革、石などの経年変化を楽しめる本物の素材が使われ、手触りのよさなどを追求していることにこだわりを感じました。肌に触れてもストレスフリーで、滑らかな心地よさを感じさせるものが多かったです。

リサイクルも全体的に大きなテーマとなっていて、ソファやチェアなどの家具はファブリックだけを定期的に変更して、長年にわたって使えることを意識しているデザインが印象的でした。たとえば大理石を使っていても端材を組み合わせるなど、素材の使い方にも工夫が見られました。

ベースとしては、天然素材を中心としたアースカラーが主流で、そこにアクセントとしてビビッドなカラー、メタリックやグロッシーな素材などを組み合わせている例が多く見られました。個性の異なるものを組み合わせることで、お互いを引き立て合う緻密な表現がされていました。

たとえば、自宅のリビングなどでも、天然素材とグロッシーな素材を組み合わせたり、アースカラーにビビッドカラーのアクセントを加えてみたり、いろんな要素が混在しつつも調和した空間を意識して、インテリアを選んでみるのはいかがでしょうか?
色や素材の組み合わせ次第で、住まいにちょっとした個性を加えることは、すぐに真似できる工夫かもしれません。

家具と照明が空間に余白をつくる

家具を使って、ゆるやかに空間を分ける見せ方も多く見られました。壁で完全に仕切らず、奥行きとつながりを感じさせるような演出です。パーティションやルーバーなども空間をゾーニングするために効果的に使われていました。部屋の使い方をあらかじめ決めるのではなく、家具やパーティションの配置で、住む人が自由に暮らし方をつくっていけるような空間の使い方のヒントが会場のあちらこちらに散りばめられていました。

また、空間を仕切る目的で配置されていた家具は、表側だけでなく裏側から見ても美しくデザインされていたことも印象的でした。

今年のミラノサローネは、隔年開催の照明デザインの見本市「エウロルーチェ」と同時開催だったこともあり、照明のブランドを数多く見ることができました。各ブランドの照明は、圧倒的な技術力で、その場所ごとに最適な光を実現していると感じました。たとえば、とてもシャープなラインで光を表現したり、アートピースのような存在感を放つ照明もあり、デザインの多様さに驚きました。

単に明るさを確保するだけでなく、光源を見せずに気配や印象で光を感じさせるような見せ方が多く、生活空間に柔らかさをもたらす要素としても使われていると感じました。そして、照明が点灯していないときも美しく見えるようにデザインされています。ポータブルな照明やマグネットで設置できるものなど、住まい手が暮らしのシーンに合わせて、気軽に照明を置く場所や角度を変えたりできるものも多く、ニーズの高さが伺えました。

家具などでゆるやかにゾーニングする空間づくりや、柔らかさをもたらす照明の選び方は、これからの空間づくりの大きなヒントになりそうです。

「住まいは表現の場」という考え方

今回のミラノサローネで改めて感じたのは、住宅は完成品ではなく、住む人が育てていくものだということ。住む人が自由にアレンジして、多様な使い方ができる余白のある空間づくりをしていくことの大切さに気づかされました。そのためにも、本物の上質な素材を選び、肌触りをはじめとした五感に訴えかける要素に、徹底的にこだわるべきだと感じています。そうした住まいは、世代を超えて長く住んでもらえることにもつながります。

ブランドの価値観を表現しつつも、整え過ぎず、つくり込み過ぎない空間は、住む人が自分の好きなものを足したり、引いたりしながら、暮らし方を創造し、心地よさや愛着を育てていくことができる住まいになるはずです。そんなメッセージが会場やミラノの街中から感じられました。

私たちが展開している「R100 tokyo」をはじめとした住まいづくりでも、経年変化を楽しめる上質な素材を選び、住まい手が自分の感性で空間を編集していく空間づくりを大切にしています。 暮らしのスタイルが多様化する今、「こうあるべき」より、「こうありたい」を大切にした、長く住み継いでいける空間づくりが、これからさらに求められていくのではないでしょうか。

まとめ――自分らしさを育てる空間へ

住まいとは、毎日の積み重ねで少しずつ育っていくもの。 どこまで整え、どこをあえて残すか。その“余白”に、あなた自身の個性が育まれていきます。
今回のミラノサローネから感じ取った空間は、そんな「暮らしの余白」が丁寧に表現されていました。 私たちがこれから手がけていく住まいも、住む人の自由な感性が息づく、“しなやかな余白”を持った場所でありたい。そんな想いを新たにした視察となりました。

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