【三鷹エリア】
通りぬける風と緑と文学のまち
味わう「大人ひとり時間」のくらし
三鷹エリアに住んでみる?
大人になるほど、まちに注文が多くなる。それはライフスタイルと自分の物差しが出来上がってくるから。
たとえば、休日はわざわざ電車に乗りたくない、でも閉じこもりたいわけじゃない。
自然豊かで、かつ便利な場所がいい。家でサクッとシェフのスペシャリテが食べたい。
週末のパーティは楽しいけど、主催するのは照れる。1人が好きだけど、孤独は感じたくない。
そんなグラデーションを行き来する、大人のひとり暮らしが似合うまちを探して、さあ、三鷹エリアへ。
「このまちのくらしを、探そう。」
そんな思いで歩いてみたら、見える景色も少し変わってくるかもしれません。
のくらしが、実際に三鷹エリアを歩いて見つけた「このまちのくらし」をご紹介します。
空の近くで、風と歩こう
「東京には空がない」なんて嘘だ。三鷹駅南口を出ると、広々した空間と青空が目に入る。
緑が濃くて、中央の大きな木がまるでシンボルツリーのようなロータリー。「さすがジブリのまち」と感心してしまう。駅ビルはもちろん、改札からアクセスしやすいスーパーやコンビニなど、仕事帰りのちょっとした買い物に困ることはなさそう。
スパイダーマンが飛んできそうなビルの間を、まっすぐな空が抜けていく。
少し歩いて、太宰治ゆかりの陸橋(跨線橋)へ。無機質だけど年輪を感じる鉄骨と、空の青とのマッチングが美しい。
昭和4年から三鷹を見つめてきた陸橋は、撤去の話が出ているらしい。今のうちによく見ておこう。
東西線と総武線が仲良く並んでいる。この景色を眺めながら、太宰は何を思ったんだろう。
ふと足元を見ると、宮崎駿デザインの三鷹のキャラクター、Pokiのマンホール。そこかしこに太宰の面影と、ジブリの気配。
暮らしと観光がおだやかに共存していて、「住んでよし訪れてよしのまち三鷹」のキャッチフレーズにも納得だ。
駅からすぐなのに、緑の匂いが濃いことに驚いた。
ここは「青葉のトンネルのよう」と太宰が書いた玉川上水沿い。規則正しく並んだ街灯と、のびのびワイルドな木々、どこまでも続く空の調和に心を奪われる。
「風の散歩道」の名の通り、まっすぐな道を風が吹き抜ける。歩くにも走るにも、サイクリングにも気持ちよさそう。
憧れのまちで暮らして
風の散歩道を歩いているうち、乾いた喉を潤したくなって『心泉茶苑』へ。
「台湾茶は初めて」と伝えると、店長・池田さんが丁寧に教えてくれた。お湯が沸く音と、柔らかく朗らかな声に癒される。
「台湾では、ご老人がお喋りしながら2時間くらいかけて飲んでいるそうです。お茶がコミュニケーションツールのひとつなんですね。どうぞ、ゆっくり楽しんでください」
池田さんに教わった通り、聞香杯で香りを味わう。喉を潤すだけではない、お茶の楽しみ方があるんだ。
細長いのが「聞香杯」。1回目、2回目、3回目……と、香りが変化していく。蒸れて味が出過ぎるのを防ぐため蓋はあけておく、などおいしく楽しむコツが色々。読書しながら、考えごとをしながら。お茶と一緒に、自分と向き合う時間がつくれる。
池田さんは、このお店に惚れこんで働き始めたという。
「15年くらい前、友人を訪ねて三鷹に来て。なんて素敵なお店だろう!もし住むなら三鷹だ!と思ったんですね。それで、5年前に地元・新潟から東京へ出てきて、オーナーに『ここで働かせてください!』って。それこそジブリのアニメみたいに(笑)」
「三鷹の印象は『イメージしてた東京と違う!』ですね(笑)。緑も多いし、静かで治安がいい。駅前はどんどん便利になって変化はあるけれど、この辺のおだやかな感じが変わらずに好きです。また、三鷹は、いい人に出会える確率が高いな、と思います。私にとってはここのオーナーもそうですし、お客さまもいい方ばかりなので」
「どんな人でも、食卓を囲むみんなで同じものを食べられたらいいな」という考えから、ランチはヴィーガン。若者が「野菜を食べたい!」と目がけて来ることもあるそう。
たまご色が印象的な建物は、地下や2階にもスペースがあり、多様な活動が行われている。
「曲線が多くて印象が優しいですよね。働きながら、毎日癒されています。ああ、今日もきれいだなあ、って」
池田さんの笑顔に、働くひとが幸せなまちはいいまちだ、と確信が深まる。
◉心泉茶苑
東京都三鷹市下連雀 3-1-24 沙羅舎 1F
文学の薫り、急がない暮らし
心泉茶苑でゆったり時間を過ごしたあとは、「裏のお庭もかわいいんです。ぜひ!」と 池田さんがおすすめしてくれた三鷹市山本有三記念館に寄り道。
もともとは、実業家・清田龍之助の住宅として建てられた洋館。執筆に適した家を探していた山本有三が、三鷹の静かな環境を気に入って購入、1936年に家族とともに移り住んだそう。進駐軍の接収を受け、やむなく転居したあとも、山本有三は「三鷹は私にとって忘れがたい土地である」と話していたんだとか。
作家・山本有三をして「理想的な住まい」と言わしめた建物は、大正時代の最先端をゆく造り。設計者は不明らしいけれど、ピクチャレスク=絵のような、と呼ばれるスタイルは時代を経ても色褪せない。
掛け軸の「自然は急がない」という言葉に、自然豊かな三鷹を愛した山本有三らしさを感じる。
そういえば、三鷹に来てからずっと、いつもよりのんびり歩いている。「急がなくても大丈夫」そう思えるのは、三鷹の持つ雰囲気のおかげだろうか。
山本有三が『路傍の石』や『米百俵』を執筆し、蔵書を利用して「ミタカ少国民文庫」を開いたこの家では、今も子どものための「おはなし会」や、ミニコンサート、朗読会が行われている。散歩の途中にふらりと寄れる場所にこんな場所があったら、それだけで日々が豊かになるはず。
◉三鷹市山本有三記念館
東京都三鷹市下連雀2-12-27
ジブリのある毎日
トトロモチーフの案内板のおかげで、三鷹で迷子になるのは、むしろ難しいかもしれない。バス停も多いから「歩き疲れてもバスに乗ればいいや」と安心感がある。井の頭恩賜公園のテニスコートを横目に、まるで森のような舗道を進んでいこう。
三鷹の森ジブリ美術館は「どんどん緑が生い茂って、より森らしくなってますよ」と聞いていたけど、まさに!「森」の名にふさわしく、たまたま見つけた秘密の場所、といった風情がたまらない。
今日は外から眺めるだけだったけど、引っ越した暁には「三鷹市・近隣市民枠チケット」を利用してお得に楽しんでみたい。
日常にファンタジーのアクセント。なにはなくとも、歩き出せば緑とジブリに会えるまちなのだ。
三鷹を歩けば歴史と出会う
バス道からひとつ入った閑静な住宅街に、風の通る一本道を発見。どこまでも続くようなまっすぐさ、この抜け感が気持ちいい。ここなら、自転車生活もいいかもしれない、とふと思いつく。
みたか井心亭の百日紅は、太宰治の庭から移植したそう。よく見かけるピンクの花の名前を、やっと覚えることができそう。
「いやあ、世の中変わっちゃったねえ」
駅に向かって歩いていると、まるでジブリ映画のような自然さで話しかけられた。声の主は『寿司正』の大将。
大将曰く、このあたりは商店街で、多いときは6軒お寿司屋さんがあったそう。
「5軒なくなっちゃったの。うちも今は1ヶ月に一回くらい、知り合いが来るときだけ開けてるんだよ」
寿司を握って70年、三鷹に来て56年の大将は、御年87歳。
「吉祥寺の有名な俳優さんが家族で来てくれたり、寮があったからね、東大生もよく食べにきてたの」
「あのバス通りには川があったし、この細い道は幹線道路だったしね。三鷹駅にだって階段なかったんだからね。東京タワーのない時代があったの知ってる?」
ニコニコ笑う大将は、数年前に自動車運転免許を返納したそう。
「そこの通りからバスが出てるからね。バスでどこへでも行っちゃうよ。便利だねえ」
若い頃は、皇族にお寿司を握って緊張したり、美空ひばりに会ってドキドキしたり、テレビの生中継第一号を観るため駆けつけたり、そんな大将が言う「いやあ、世の中変わっちゃったねえ」は、重みが違う。
セレクト by 自分
家具や食器も、ふらっと歩いているときにこそ、出会いがある。カフェでひと休みするついでに寄ったショップで、一生の相棒が見つかる、なんてこともあるから、近所にいいお店があるとうれしい。
お皿1枚、椅子ひとつ。暮らしに加わる新メンバー選びは心躍るひととき。「これは来客用に必要だから……」なんて言い訳めいた理由を自分につぶやいて。
◉デイリーズ
東京都三鷹市下連雀4-15-33 2F
あの道、この道、一本入れば発見がある。雑貨に文房具、本にレコード。こだわりの店が多いから散策しがいがあるし、波長の合うところに出会えたら、長いつきあいができそう。冒険とルーティンを行き来して、まちに自分セレクトのナイススポットを増やすよろこびを味わおう。
今夜は、おうち外食
「さて、晩ごはんどうしよう?」
外食か自炊の二択なんて、もう昔の話。いまは本格的な味をテイクアウトして、自宅でリラックスしながらいただける時代。いわゆる「おうち外食」を堪能すべく『街の惣菜や lojiura kitchen』を覗くと、ショーケースには20種類以上のお惣菜がズラリ。昼夜、イートイン、テイクアウトどちらも楽しめるうえ、季節のデリや月ごとのイベント、フェアなど、メニューも多彩。今日の気分に寄り添ってくれる、「近所にあったらいいな」なお店だ。
多彩なジャンルのシェフがいるから、毎日いろいろな味が登場する。月替りのキッシュだけでも常時3種類のラインアップ。お店でランチを食べたあと、夕飯用に惣菜を買って帰る人も多いそう。
生まれも育ちも三鷹、店長・増田慶太さんにお話をうかがった。
「お客さまは、三鷹に住んでたり、働いていたり、いわゆるローカルの方が多いですね。夕方に『ご飯は炊いてるんだけど、おかずがないの!』ってお惣菜を買いにいらしたり、みなさん、自分のタイミングで利用してくださっていますね。今年で1周年になりますが、リピーターのみなさんに支えられています」
増田さんによると、三鷹ローカルは、シャイな感じの方が多いそう。
「ずっと三鷹に住んでる人が多いんですよね。住みやすくて、利便性が高い。田舎でもあり都会でもある。通り一本入ると違う顔を見せる、エリアが変わると客層も変わって、ずっと飽きない街です」
夜のイートインにはパスタも。軽く一杯飲みたいときには『1ドリンク2デリセット』もおすすめ。
「銭湯帰りのおばちゃんが、ふらっと寄っていってくれたりするんです。そういうのも三鷹ならではって感じがしますよね」訪れたお客さまに「こんにちは」と挨拶する増田さん。「いらっしゃいませ」ではないところに、”街の惣菜や”らしい、あったかさがある。
◉街の惣菜や lojiura kitchen
東京都三鷹市下連雀3-33-17 1F
1人で、みんなで、くらすまち
夜の帳がおりてきた。駅前や大通りは人出も多く、明るくて安心だ。誰かの気配があるから、1人じゃないんだな、と思えて心強い。
lojiura kitchenの増田さんが「三鷹は、駅の北と南で表情が違うので、それもおもしろいですよ」と教えてくれたので、北口にも足を伸ばす。
三鷹、まだまだいろんな顔がありそうだ。仕事帰りにふらっと立ち寄れるような、気軽な行きつけを見つけに来たい。
スローライフほど落ち着きたくはないけれど、急かされるようなスピード感とは距離を取りたい。いい大人だからこそ、まちのリズムは気になるところ。「急がなくてもいい」雰囲気が漂う三鷹エリアなら、自分のテンポを大事にできる。
きっと、大人のひとり暮らしにうってつけなんじゃないだろうか。
このまちのくらし <休日・理想のスケジュール>
朝:キッチンからシェア畑に直行して野菜を収穫、充実のひとり時間モーニングを満喫する。これも広々したキッチンやラウンジを備えたシェアプレイス三鷹ならでは。
昼:お惣菜でデリランチ。こだわり家具のラウンジで食べるも良し、木漏れ日が気持ちいい庭に出るも良し、いつも迷ってしまう。
午後:引っ越してから購入した自転車でサイクリング。心泉茶苑で、台湾茶と読書のひととき。
夕方:サウナ好きのシェアメイトおすすめの銭湯に寄って、ほっと一息。帰り道に、晩ご飯をテイクアウトするのが定番コース。
夜:ラウンジで突然始まる、<ついつい買いすぎてしまう>仲間のお惣菜シェアパーティ。こんな夜のために、先週デイリーズで見かけたかわいいお皿、買っておけばよかったなあ。
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