6mの壁面収納をポイントに、多彩な色と素材でコーディネイトする壁
- 所在地:
- 東京都世田谷区
- 居住者構成:
- 夫婦+子ども1人
- 専有面積:
- 67㎡
- 間取り:
- 1LDK
- 既存建物竣工年:
- 1992年
- リノベーション竣工年:
- 2010年
―こちらに住む前は、どのような住居にお住まいでしたか?
Oさん:私が一人で住んでいた目黒区の賃貸マンションに、結婚後もそのまま二人で住んでいました。35m2の広めの1Kで、広いドライエリアがある面白い間取りの物件でしたが、子どもが生まれることが分かって、家族で暮らすには狭かったので、購入をするつもりですぐに探し始めました。
―家を購入しようと思ったきっかけは何ですか?
Oさん:自分自身が建築家であり、いずれは自分の家を自分で設計したいと思っているのですが、現時点ではエリアやどんな家をつくるかなどを決めきれないので、この先10〜15年くらい住むつもりでマンションを買おうと。時期的に買い時でもあったので、将来的には売ったり貸したりするつもりで、購入することを決めました。
―現在の住まいはどのように探したのですか?
Oさん:いろんな可能性を考えて、新築・中古マンション、コーポラティブハウスなどを検討しました。しかし新築は購入価格が高く、10年後売るときに下げ幅が大きくなるので難しい。コーポラは時間がかかるので、自分たちには向いていない。中古ならフルスケルトンにしてリノベーションすれば設計も自由にでき、自分の好きなスタイルで住める。それでも新築よりコストは抑えられると思ったので、早い段階から中古リノベを前提に、不動産会社からの紹介、ネットなどを中心に物件を探していました。
この物件に関しては、たまたまポスターを見て知ったんです。一棟丸ごとリノベーションという普通の中古とは異なるスタイルで、子育ての環境として魅力的なエリアだったので説明会に参加しました。
―中古を買うことに対する不安はありませんでしたか?
Oさん:一棟丸ごとリノベーションでは、躯体の試験結果などもしっかり公表されていたし、躯体以外の設備、配管などもすべて更新されるという説明を受け、不安は全くありませんでした。マンションは躯体よりも、水道管、ガス管、電気設備などの老朽化が先だと思うのですが、それらが専有部、共用部も含めて全部新しくなるということだったので。
―この住まいを選んだ決め手は?
Oさん:一棟丸ごとリノベーションは安心感があるし、希望に合わせてコースが選択でき、完全に自由設計にすることもできるから、自分にとってはいいことだらけ。大きな魅力を感じ、説明会の時点でほぼ購入を決め、現地での申込会で申込をしました。部屋は18戸あったのですが、子育て中の暮らしやすさを考え1階の部屋を希望。外部空間が暮らしにあることも重要だと考えていて、庭はぜひ欲しいと思っていたこともあります。庭が東側にあり駐車場に面して開けていて、開口部が明るく、庭に木蓮の木があったのも良かったです。
―プランのコンセプト、こだわりのポイントを教えてください。
◎水まわりのコアで切り分ける空間
Oさん:子どもが小さい間しか住まないので、今の段階では子ども部屋はいらないし、寝る場所も最小限でいいけど、リビングダイニングはできるだけ広く取り、若干の作業スペースも欲しいという条件で考えました。まず、水まわり、寝室など必要なものを効率的にコンパクトに収められる場所を検討し、水まわりは家の中央部分に箱として収め、これをプランのコアとして空間を切り分けています。寝室はベッドの長さに合わせてミニマムに設定。そうすると寝室の隣にかろうじてカウンターを設置して、ワークスペースがつくれます。ワークスペースは玄関の正面にくるので、玄関を入ったときに視線が抜けて、開放感をつくることもできる。さらに右方向には、玄関からリビング、開口、テラスへと気持ちの良い抜けを取ることもできました。
◎フラットにつながる壁と空間
Oさん:寝室、リビング、ワークスペースなど、空間は分かれているのですが、それぞれの個室にドアをつくらず、上吊り引戸で間仕切り、オープンにしたときに建具がすべて壁に収まるようになっています。普段は引戸を開けっ放しにして、寝室まで含めてひとつながりのワンルームとして使いたかったので、レールや建具を見せないことが重要でした。全体的な空間のつながりを出すために、壁や収納の扉にも境目をつくらず、できるだけフラットな面がきれいに見えるようにこだわっています。
◎リビングの6mの壁面収納
Oさん:なるべく広く取ったリビングの中でも、最も広く使える壁面は左右の長さが6mほどあります。この壁はラーチ合板を白で染色して木目を透かし、棚をつくり付けました。広い面を見せながら壁を強調するという狙いがあります。ただ壁にしておくと家具を置いて分断されてしまうけど、棚にして収納も兼ねれば、広い壁と面が活きてきて、空間を広く感じさせ、意匠としてもポイントになる。既成の空間構成のバランスを少し崩して、このように広めの壁を取るなどして、壁面の大きさを考えることで、色を塗ったり、素材を変えたりするのと同じような見た目のポイントをつくる効果があると思います。
◎ピンクの壁と躯体の梁でつくるコントラスト
Oさん:コアである水まわりの箱は、壁をピンク色に塗装しました。この箱はリビング、寝室、玄関など、どこからでも見ることができるので、シンボリックなものになればいいなと考え、浮き立つようなビビットな色を選んでいます。ベースとなるのは真っ白に塗装した壁、天井は少しトーンを落としアイボリーっぽい白にして白のボリュームを調整。そこにピンクの壁や躯体のコンクリートの色をそのまま活かした梁などを組み合わせ、空間に奥行きとコントラストを持たせることも考えました。
◎ファッション感覚で壁や床をコーディネイト
Oさん:寝室は雰囲気を変えるために、壁には光沢のある柄クロスを使い、フローリングの色も濃い目で幅の細いものを選び、メインの空間とは変化をつけています。壁や床などの素材は、色や質感など多種多様なものを使いたかったんです。子供が育っていく環境なので、いろいろなものを見たり、触ったりできたほうがいいなと。コストを調整していくという意味でも、高価な仕上げを使えるわけではないので、普通にやっていくとチープになってしまいます。いろいろ使って変化をつけることで、チープに見えないように考えながら、全体のバランスの中で色や素材を決めました。どういう素材感と色を配置していくかは、ファッションと同じ感覚ですね。
―これからやってみたいことは?
Oさん:子供室はすぐには必要ないと思っているので、最初からつくることはしませんでしたが、数年後に子供のためのスペースとして、リビングの一角にベッドが一つ置けるくらいの小部屋をつくりたいなと思っています。今は常時に引き戸をオープンにして、ワンルーム状態で暮らすのがとても快適。1歳の娘もリビングから寝室まで楽しそうに走り回っています。
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