菅野有希⼦さんインタビューVol.2エシカルのくらし|住まいのヒント

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住まいのヒント

菅野有希⼦さんインタビューVol.2
エシカルのくらし

目 次
  1. 1肉の量を減らす。ヴィンテージを選んでみる。
  2. 2菅野さんが取り入れている3つのエシカルなもの
  3. 3「古いものも良い」という価値観

リノベーションした住まいで暮らすテーブルコーディネーターの菅野有希⼦さん。2017年には、自宅リノベーションに込めた思いと暮らしぶりを語ってくれました。(お宅拝見記事はこちら)
今は、新型コロナウイルスの出現によって多くの人が住まいで過ごす時間が増え、食卓に注目が集まっているのを感じているそうです。今回は2回にわたって、菅野さん流の食卓アップデートとエシカルのくらしにフォーカスしています。2回目は菅野さんが最近意識して暮らしに取り入れているという『エシカルのくらし』について話を聞きました。

肉の量を減らす。ヴィンテージを選んでみる。

— 菅野さんが『エシカルのくらし』を意識するようになったきっかけは何ですか?

はっきりしたきっかけは無いんです。周りに環境への興味関心の高い友だちがいることや、以前であればパーティーにつきものだったプラスチックカップ・ストローが無くなり、ポツポツとエシカルを意識した言動が耳に入るようになって自分でも調べるようになりました。調べていくと地球の環境が大変だという状況が分かってきて、自分の中でエシカルへの興味が高まっていきました。

— 地球という大きな目線で見ると環境の課題は山積みです。菅野さんが特に課題に感じている分野はどこにありますか?

地球というと話が大きすぎて自分ができることはすごく限られていると感じることがありますが、私が取り組んでいるのは、まず食べるお肉の量を減らすこと。家畜の牛を育てるための環境負荷が大きいこと、飼育中の二酸化炭素排出量が多いことを知ってからは、おざなりに肉を食べるということをやめました。厳しく制限しているわけではないのでお肉自体は好きですし食べますが、お肉じゃなくてもいい時はソイミートに変えたり、外食をする時もベジの店を増やしたりしています。

テーブルコーディネートの仕事に関わる部分では、モノの寿命を伸ばすようにしています。私は器や家具・家など傷があってもそのもの自体に美しさや価値があると思っています。食器が割れても金継ぎをして使い続けよう……そんなふうに考える人が増えたら、結果的にゴミも減っていくのではないかと思っています。

例えば、ヴィンテージを買うのも『エシカルのくらし』の一つの選択肢です。ヴィンテージは手が出しづらいイメージがあるかもしれませんが、私は”お店に出会う”ことが大切だと思うんです。お店の人がものの背景や、当時どんなふうに使われていたのか説明してくれると買いやすくなります。自分のお気に入りのヴィンテージのショップを開拓していく過程も楽しみの一つと捉えてみてはどうでしょうか。あとは、大きな蚤の市に行ってみる。友だちとワイワイ言いながらヴィンテージに触れるのは初級編として良いと思います。状態の悪いものはお買い得価格で売ってくれたりするので、そういうものから買ってみるのも一案です。

— たしかに、金継ぎされた器やヴィンテージは新品にはない佇まいを持っていますね。菅野さんが企画に関わった『きほんのうつわ』にも金継ぎサービスがあります。

私は不器用で自分で金継ぎした器の仕上がりは汚くなってしまうのですが、金継ぎ自体が楽しいのでやっています。大事な器で金継ぎの仕上がりをきちんとしたいなら、プロの方におまかせしたほうが良い。金継ぎは自分に合うやり方をしたらいいと思うので、『きほんのうつわ』の一つのサービスとして金継ぎのメニューを用意しています。

— 実際に『エシカルのくらし』をSNSで発信されていますが、反響はありますか?

私の発信を通してエシカルを意識するというよりは、みなさんコツコツと環境に良いことをやっていて「実は私もやっています」という声をいただくことがあります。「菅野さんもエシカルに興味があるのですね」というコミュニケーションが増えました。私がSNSで紹介したものを買ってみたと言ってくださる方もいますし、エシカルな商品といってもいろんな分野のものがあるので、私が詳しくない分野のことは教えてもらったりして交流が増えています。

菅野さんが取り入れている3つのエシカルなもの

— 実際に、『エシカルのくらし』を意識して暮らしに取り入れているものを教えてください。

まずはLOVEGのソイミートです。美味しいので毎日の料理に使っています。よくやるレシピはカレーやミートソース、麻婆豆腐です。これはそぼろですが、大きなサイズもあるのでそれは唐揚げにします。正直なところ、野菜だけの食事はもしゃもしゃして食べた気がしないのですが、ソイミートを使えばメインのおかずを作れて満足感が増します。味付けを濃くしたりスパイスを強めにすれば美味しくいただけます。

余談ですが、LOVEGのソイミートは保存期間が長いので非常食としても使えます。便利に使えて環境にも良いソイミートは、皆さんにもっと試してみて欲しいなと思っています。

LOVEGの大豆ミート ミンチタイプ

BambooRollという竹でつくったトイレットペーパーの定期便サービスを使っています。竹は成長速度が早いうえに多くの水や肥料を使わなくても育つので、通常のトイレットペーパーを作るよりも環境負荷が低いそうです。無漂白なので生産過程で水を汚していないし、過剰包装せず定期便で送ってくれるのも良いです。トイレットペーパーって何でもいいと言うか、そこそこ使い心地が良ければハイクオリティじゃなくても困りませんよね。BambooRollは定期便があるので、一度変えてしまえばずっと環境に優しい暮らしに変えられます。自分の生活を変えるってとても負荷がかかることですが、BambooRollはその点で取り入れやすいと思います。

紙・芯とも竹100%のトイレットペーパーBambooRoll

ecostoreの洗剤は、空容器を持っていくと店舗で詰め替えをしてくれるのが良いです。内容物が環境に優しい洗剤は他にもいろいろありますが、詰め替え用のパッケージを毎回買うとゴミが出てしまうので、私はecostoreにしています。こういう詰め替えサービスは他の商品でも増えたら良いなと思います。ゴミを小さくして減らすよりも、ゴミを出さないのが最も良いことですよね。

ecostore食器用洗剤・ハンドウォッシュ

「古いものも良い」という価値観

— エシカルなものは社会に浸透しきっていないので、価格が高いものも多いです。菅野さんは、エシカルへの意識と払える価格のバランスをどう考えていますか?

安いことが最も大事という価値観で考えると、どうしてもエシカルなものは選択肢に入ってこないと思います。でも長い目で見た時に、例えば最初に買った容器をずっと使えるというのは今の投資額として高くても、長く使えばトントンになると考えるようにしています。

私は金額もそうですが、使いづらくて断念したものもあります。食器洗いのスポンジをエシカルなものに変えたいのですが、ずっと使える布などは洗いづらくて諦めました。自分に合う使い心地の良いものを探すのは難しいです。でも「これはダメだったけど、次はあっちにしてみよう」など試すことも楽しさだと考えたらいいと思うんです。暮らしの中で新しいことをしてみようと考えて面白がればいいのかなと思っています。

— 『エシカルのくらし』で、菅野さんが今後取り組みたいこと・発信したいことは?

私の仕事にかかってくることだと、やはり食器にまつわることは大切にしたいです。古い食器も楽しむ・劣化しても長く楽しむという分野を私自身も開拓していきたいし、「古いものも良いね」という世界になってくれたらいいなと思います。

私はリノベーションをした家に住んでいますが、リノベーションって少し前までは珍しい選択だったと思います。新築が一番という世界から、普通にリノベーションが選択肢に入るようになったことを考えると、古いものへの考え方はこの数年でずいぶん変わったと感じます。私はもともと古いものが好きだから使っていて苦に感じませんが、「環境のためにゴミを減らそう」「環境のために古いものを使う生活をしよう」と行動制限をしてもきっと続きません。そもそも古いものや傷のあるものを美しいと捉える世界になれば、多くの人が無理なくいろんなものを認められるようになると思います。今後は、そんな価値観が浸透していくような発信をしていけたらいいなと思っています。

<前編>はこちら

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