好きを詰め込んだ、ガラス張りの浴室と衣装部屋
- マンション
- 所在地:
- 東京都新宿区
- 居住者構成:
- 2人
- 専有面積:
- 67.7㎡
- 間取り:
- 1LDK
- 既存建物竣工年:
- 1999年
- リノベーション竣工年:
- 2024年
玄関を入ると、右手にガラス張りの浴室、左手にオープンな洗面とトイレがあり、その奥にはアーチの間口を隔てた衣装部屋が続く。正面にはLDKが広がり、さらに奥にワークスペース兼寝室を配置。浴室は引き戸で隠すこともでき、LDKと玄関も引き戸で仕切ることができるため、フレキシブルに空間を使えるプランとなっている。
TさんとOさんはともに32歳で、同居して7年目になります。都心の便利な立地、広さと機能を重視した住まいを求めて、築25年、67.7㎡の中古マンションを購入し、リビタのコンサルティングサービスでリノベーションしました。ガラス張りの浴室、ショップのような衣装部屋など、自分たちの好みに振り切った、オリジナリティあふれる住まいづくりについてお話を聞きました。
都心で理想の住まいを叶えるために、
中古マンションリノベを選択
――住宅を購入しようと思ったきっかけを教えてください。
Tさん 以前は40㎡弱の賃貸マンションに住んでいて、回遊できる間取りやデザインが気に入っていたのですが、リモートワークが増えたことで、広い住まいを求めるようになりました。都心で広い賃貸を探すと家賃が高くなってしまい、住みたいと思える家がなかなか見つからない。そこで、中古マンションを購入してリノベーションをすることにしました。物件探しを進める中で、マンションのすべての壁が抜けるわけではないことや、水まわりの移動に制約があることなどを知り、理想のリノベーションを実現するには、リノベ向きの物件を選ぶことが大切だと実感しました。
――物件探しはどのように進めましたか?
Tさん 以前、リビタのシェアプレイスで暮らしていた経験があり、リビタがリノベーションを手がけていることを知っていたので、相談に行きました。そのときに、コンサルタントの飯田勇人さんから希望のエリアと予算に合う物件をくまなく紹介してもらい、一つひとつ丁寧に検討していきました。その中でピンときたのはこの物件だけでした。見学時に飯田さんに、どの壁を抜けるか、浴室を広げられるかなど細かい点を確認し、大まかな間取りのイメージをつかめたので、購入を決めました。
――リビタのコンサルティングサービスでリノベーションをすることにした理由を教えてください。
Tさん 最初の相談のときから、飯田さんが時間をかけてじっくり話を聞いてくれたことで、安心してお任せできると感じました。物件探しから購入、設計、施工、引き渡しまで、住まいづくりのプロセス全般をワンストップでお願いできる点もよかったです。私たちは毎週ショールームに通い、バスタブや水栓などの選定に集中できたので、楽しく住まいづくりを進められました。
Oさん 私たちの好みのテイストに合った設計者さんを紹介してくれるのも、よいサービスだと思いました。いくつか候補を挙げていただいた中から、フーニオデザインさんにお願いしたのですが、私たちのリクエストにプラスして、新しいアイデアや他の選択肢なども提案してくれて、そのバランス感がとてもよい感じでした。私たちとフーニオデザインさんが盛り上がり過ぎると、飯田さんが予算や施工条件を踏まえて、現実的な視点からアドバイスをくれて、信頼できるチームのように感じていました。
大切な場所にとことんこだわり、
豊かな時間を過ごす空間に
――リノベーションの設計ではどのようなことを希望されましたか?
Tさん アプリを使ってベースとなる間取りを自分たちで考え、好きなテイストの写真を集めてフーニオデザインさんに伝えました。設計上の制約などは分からないので、感覚的に「こんな住まいにしたい」というイメージを託した感じです。そこから3パターンの間取りを提案してもらい、現在の間取りに近い案を選んで、細かいところを調整していきました。
Oさん 譲れないポイントとして、私たちは毎日朝晩お風呂に入る習慣があり、浴室はとても大切な場所なので、足を伸ばして入れる広々としたバスタブを選びたいと思っていました。また、私は洋服が好きで、衣装部屋をつくりたいということもマストでお願いしました。
――浴室と衣装部屋のこだわりポイントを教えてください。
Tさん 浴室は限界まで面積を広くしてもらい、オーダーメイドのように自由度の高いハーフユニットでつくりました。開放的な空間にするため、ガラス張りにし、床や壁の仕上げには大判のタイルを採用。バスタブは、世界中の製品を見尽くしたのではないかと思うほど念入りにリサーチし、カルデバイの鋼板ホーロー製を選びました。丸みを帯びたデザインと二人でもゆったりと入れる余裕のあるサイズ感が決め手です。鋼板ホーローのバスタブは、鋳物ホーローより重量が軽く、施工性がよいこともメリットでした。
Oさん 衣装部屋は、収納量が欲しくて、棚をたくさんつくりたいとイメージしていましたが、打ち合わせを重ねるうちに、棚が多いと生活感が出てしまいそうだと感じ、ステンレスのバーにハンガーを掛けて、見せる収納にすることにしました。収納量を確保するため、東側にあった窓を塞ぎ、その部分に棚を造作してTシャツなどを畳んで収納しています。もともと持っていたビンテージ家具も活用し、雑貨や小物をディスプレイしながら、ショップのような空間づくりを楽しんでいます。間口がアーチになっているのも気に入っているところ。日常的に目に入る衣装部屋が、気持ちよく整っているのがとてもいいなと感じています。
――衣装部屋は着替えや身支度などにも活用されていますか?
Oさん 2人とも毎日ここで着替えと身支度をします。小物やバッグなどもすべて衣装部屋に集約されているので、ここでコーディネートを考えるのがとても楽しいのです。10年以上着続けている洋服や、思い出が詰まった古着など、大切なアイテムが並んでいて、この空間で過ごす時間がとても好きですね。こんなに素敵な衣装部屋のある暮らしを体験したら、もうクローゼットだけの住まいには戻れません。
曲線的なデザインを取り入れて、
大切な場所を心地よく仕上げる
――ガラス張りの浴室はもちろんですが、キッチンや洗面もインテリアに溶け込み、上品で高級感のある雰囲気に仕上がっていますね。
Tさん キッチンはアイランドキッチンを希望していたのですが、空間のスケールや動線、デッドスペースの最小化などの観点で、フーニオデザインさんから壁付けを提案されました。結果的にLDKをより広く使えるようになり、正解だったと感じています。コスト、デザイン、メンテナンス性などを考慮して、クリナップのオールステンレスを選びましたが、収納の内側までステンレスで仕上げられ、とても使い勝手がよくて気に入っていますね。キッチンと浴室の壁を同じタイルで仕上げ、間接照明が1本のラインのように連続しているのも、空間をより広く見せる工夫になっていると思います。
Oさん 洗面はシンプルでスクエアなダブルボウルをおすすめされていたのですが、私がショールームで一目惚れした、曲線的なデザインのものにしたいと主張し、そちらを採用することになりました。ベースはクールでスタイリッシュな空間で、それはとても気に入っていますが、使用頻度の高い場所や、衣装部屋のようなこだわりの空間には、曲線のデザインを取り入れて、安心感やリラックス感のある雰囲気にしたいと思いました。それはアーチの間口やバスタブのフォルムにも共通して言えることですね。
――床にタイルを採用しているのも特徴的ですが、仕上げの素材はどのように決めていきましたか?
Oさん 仕上げにはあまりこだわりがなく、フーニオデザインさんにお任せして、ベージュかグレーがいいという提案があり、グレーを選んでベースカラーにしてもらいました。壁もグレーがいいかなと思ったのですが、白の方が広く感じるとお聞きし、アドバイス通りに白を選びました。壁もグレーにしていたら全体的に暗く重い印象になっていたと思うので、そのあたりのバランスはプロにお任せして正解だったと感じています。
――今後、この住まいに手を加えたいことや将来的な住み替えなど、計画していることなどはありますか?
Tさん 「家づくりは3回目で成功する」と言われていますから、人生においてあと2回くらいは家づくりをしてみたいと思っています。この住まいがとても気に入っていて、何の不満もなく、住み替えるイメージは今のところありません。でも、人生のライフステージが変わるときに、住まいについて考える機会はあると思うので、30代はこの家で暮らし、45歳とか60歳くらいのタイミングで、もしかすると住み替えを検討するかもしれません。今回のリノベーションでは、リセールのことは一切考えず、自分たちの好きなデザインの住まいをつくることに振り切りましたが、誰か一人でも気に入ってくれればいいことなので、リセールも問題なくできると考えています。
Oさん 今のところ考えていませんが、もし住み替えるとしたら、「この住まいをそのまま大きくしてください」というようなリクエストになると思います。それくらい暮らしやすく、私たちのライフスタイルに合った住まいがつくれたと感じています。