自由な住まい方を叶える、腰高の壁と回遊動線
- マンション
- 所在地:
- 東京都世田谷区
- 居住者構成:
- 2人
- 専有面積:
- 47.79㎡
- 間取り:
- 1LDK
- 既存建物竣工年:
- 1972年
- リノベーション竣工年:
- 2022年

玄関から続く通路の先にLDKがあり、寝室は腰高の壁でゆるやかにゾーニングされている。LDKは約14.8帖、寝室は約6.9帖。寝室の奥にはクローゼットがあり、浴室と洗面へとつながる。浴室と洗面の間の通路はクローゼットから玄関へ抜ける動線にもなっている。玄関正面には広めのシューズインクローゼットがあり、ロードバイクや猫のトイレを置く場所として活用している。
ブランディング会社を経営する30代のOさんは、一人暮らしのための住まいとしてリビタのリノベーション済みマンションを購入しました。その後、結婚して2人+猫1匹の暮らしへ。LDKと寝室・収納スペースが、腰高の壁でゆるやかに仕切られ、空間全体に連続性をもつ自由度の高い住まいに。ライフスタイルの変化にも柔軟に対応でき、現在は二人暮らしを満喫しています。そんなOさん夫妻の暮らしぶりについてお話を聞きました。

一人暮らしから二人暮らしへ。
変化に寄り添う、自由度の高い住まい
――このリビタのリノベーション済みマンションは、ご主人がご結婚前に一人暮らしを想定して購入されたそうですね。購入したきっかけや経緯などを教えてください。
夫 ちょうど独立するタイミングで、オフィスとしても使える広めの住まいを探していました。駅から近く、便利なエリアにあったことと、道路の向かいに低層住宅があり、都心の物件としてはめずらしく街と空が広く見える眺望に魅力を感じて、ほぼ迷わず即決でした。もともと壁のないワンルームのような住まいの方が、生活動線がシンプルで暮らしやすいとも感じていました。この住まいはLDKと寝室が腰高の壁でゆるく仕切られていて、空間としてゆるやかにつながっている感じがしっくりきましたね。使い方の自由度も高く、汎用性がある間取りだから、リセールバリューも高いと思います。ずっと住むつもりではなく「5年くらいは住むかな?」という気持ちで購入しました。あと、古い家具なども好きで、建物自体のヴィンテージ感もいいなと感じましたね。

――一人暮らし期間はどのくらいで、どんな風に暮らしていましたか?
夫 入居したのが約3年前で、最初の2年くらいは1人で暮らしていました。LDKにデスクを置いて、半分くらいはオフィスのように使っていましたね。DJ用のターンテーブルやオーディオ機器など、自分の趣味に関連するものも今よりも多く置かれていました。約1年前に妻と同居することになり、オフィスとして別の物件を借りることにしました。仕事関係のものに加え、オーディオ機器、デスクやソファなどいくつかの家具はオフィスの方へ移しました。
――2人で暮らすことになって、ものを減らすなどの工夫をされましたか?
妻 私も同居する前は、リノベーション済みマンションを購入して一人暮らしをしていて、お互いに好きな家具を揃えていました。家電も同じものを持っていたりして、全部を残すのは難しいから、一部はオフィスへ移したり売却したりして、厳選して組み合わせを考えました。好みが似ていたこともあり、それぞれが愛用していた家具を組み合わせると、自然とうまくまとまりました。ダイニングテーブルは、それぞれ一人暮らしで使っていたものを並べていて、形も高さも違うのですが、よい感じに収まっていてとても気に入っています。

腰高の壁で仕切った寝室と回遊動線。
開放的で快適に暮らせる間取り
――LDKと寝室は腰高の壁でゾーニングされていて、カーテンで仕切ることもできます。普段はカーテンを開けて過ごされていますか?
夫 風や光、視線の抜けが心地よく、開けていることが多いです。どちらかが先に寝ているときや起きるとき、1人になりたいときなどは閉めていることもあります。寝室というよりLDKの一部のような感覚ですね。寝室の壁は、モバイルプロジェクターで映画や動画を映すスクリーンとしても使っています。壁がないからダイニングテーブルから観ることもできるし、ベッドで寝転がって観ることも多いです。

ワンフロアをまるごとLDKにして、
もてなすことに振り切った空間に
――寝室からクローゼットへ、さらに洗面と浴室の間の通路を抜けると玄関へとつながる回遊動線になっていますが、実際に暮らしてみていかがですか?
妻 朝の支度のときなど、2人同時に洗面を使うことも多いのですが、両側から出入りできるからストレスなく使えています。朝起きて、寝室から洗面へ向かい、歯を磨いて、顔を洗って、クローゼットで服を選んでという動きもスムーズで無駄がなく、とても快適です。行き止まりがなく、ぐるぐる回れる動線は、猫も走り回ることができて、とても気に入っている様子。

――2人で暮らし始めるのと同時に、猫との生活もスタートしたのですね。
妻 猫は私がもともと飼っていて、一緒に引っ越してきました。キャットタワーは処分したのですが、寝室の腰高の壁やキッチンの棚など、上下運動できるところがたくさんあって、楽しそうに過ごしています。処分した家具も多いのですが、ソファは猫の爪が引っかかりづらいファブリックのものに新調しました。収納なども2人の暮らしに合わせて、買い足しています。

――収納などで工夫していることはありますか?
夫 洋服はクリーニングに出して、次のシーズンまで預かってもらうサービスを利用しています。マンションの倉庫も借りていて、キャンプ道具、スーツケース、車のタイヤなど、普段あまり使わないものはそこにしまっています。玄関の正面に広めのシューズインクローゼットがあり、ロードバイクを置けるのは便利ですね。猫のトイレもそこに置いているので、生活空間に匂いがこもることもなく快適です。


玄関脇まで続くタイルが引き立つ、
インテリアのように馴染むキッチン
――キッチンは幅が2400mmと広めで、壁には玄関脇までグリーンのタイルが張られ、棚を付けられるようにレールが設けられています。このキッチンの使い心地はいかがですか?
妻 キッチンは作業台が広くて使いやすいです。2人で料理をすることが多いから、後ろの空間に余裕がある壁付けのキッチンが、私たちのライフスタイルに合っていますね。玄関脇まで続くグリーンのタイルはデザインとしてとても気に入っています。生活感を感じさせず、キッチンもインテリアの一部として馴染んでいると感じています。

夫 キッチンの壁にもともと付いていた棚の位置を少しずらして、食器が取りやすいように調整しました。玄関側にはレールを活かして、ミラーを取り付けました。キッチンは今のところ収納量は足りているので、玄関側に生活感が出やすいものをまとめて、キッチンの前はすっきりと見せて、タイルのデザインを引き立てるようにしています。

――追加でリノベーションした部分や手を加えたところなどはありますか?
夫 窓は共用部になるので、勝手に交換ができないのですが、断熱性を高めるために、内側にサッシを設置して二重窓にする工事をしました。暮らし始めてしばらくしてから工事をしたのですが、二重窓にする前と後では、エアコンの効き方などに違いがあり、効果を感じています。前面道路の車通りが多いのですが、防音効果が高まり、とても静かになりました。窓際は日当たりがよく、室内の植物がよく育ちます。引っ越し前には元気がなかった植物も、新しい芽がどんどん生えてきます。日々目に見えて成長する植物をながめるのも楽しみの1つです。あとはバルコニーにウッドデッキを敷きました。広めのバルコニーを活かして、植物を少しずつ増やしていく予定です。

――今後、追加リノベーションや住み替えなどは検討していますか?
妻 二人暮らしで48㎡の面積は、十分に暮らせる広さだと思いますが、理想としては、あと1つ個室があるといいなと感じています。私たちは2人とも家具やインテリアが好きで、30代半ばになって自分たちの好きなテイストやデザインなども決まってきたので、スケルトンにしてゼロからリノベーションできたら、楽しいだろうなと想像しています。
夫 もともと一人暮らしのときから、住むとしても5年程度を想定していたので、それほど遠くない将来、住み替えをする可能性が高いです。私も次の住まいは、自分たちで物件を探して、フルリノベーションしてみたいと思っています。あと、長野県が実家で空き家があるのでそこをリノベーションして、2拠点生活をするのも面白そうだなと考えています。
