猫との暮らしとストレスフリーの回遊動線
- 所在地:
- 東京都渋谷区
- 居住者構成:
- シングル+猫4匹
- 専有面積:
- 117.06㎡
- 間取り:
- 2LDK
- 既存建物竣工年:
- 1984年
- リノベーション竣工年:
- 2017年
玄関から左右に分かれた振り分けタイプ。南側に50㎡前後のオープンなLDKがある。北側は寝室、ウォークインクローゼット、洗面室が平行に並ぶ。すべて動線を兼ねており、生活の動きに合わせて何通りにも回遊できる。玄関から続く通路に沿って納戸と書斎もある。真ん中にあるウォークインクローゼットには、廊下側と寝室側の2カ所に窓を設け、居室のような雰囲気に。猫たちもお気に入りの場所で、Tさんにとっても、たびたび猫とくつろぐ居場所になっている。
4匹の猫とともに暮らせる広い家を求め、新築で購入したマンションから、築34年のヴィンテージマンションへと住み替えたTさん。都内でも唯一無二の住環境を誇るヴィンテージマンションの100㎡超の物件を選び、振り分けタイプの間取りを上手く活かしながら、Tさんの暮らし方にフィットする広いLDKと回遊型の間取りにリノベーションしました。クリエイティブ系の仕事で多忙なTさんの暮らしを癒し、猫たちも快適に暮らす、工夫にあふれた空間づくりについて聞きました。
真南に向いた明るいLDKは
イエローの壁で光をより美しく
——玄関から左右に分かれ、LDKとプライベートな空間があります。LDKだけでも50 ㎡前後ありますね。100㎡以上の面積があるからこそできる、贅沢な間取りだと思います。
Tさん リビングダイニングは既存の間取りをほぼ踏襲しています。見学した時に光の入り方がとても美しくて、広々としたリビングをそのまま活かすイメージがわきました。キッチンだけは小さな個室になっていたので、壁を取り払いオープンな対面式に。料理が好きで人をもてなすことも多いので、使いやすい広めのキッチンにしたいと思っていたんです。キッチンが一体になったことで、とても開放的で明るいLDKになりました。
——LDKは真南に向いていて、バルコニーや窓から光が入り、とても明るい空間ですが、淡いイエローの壁に囲まれていることで、より柔らかく光がなじんでいるように感じます。
Tさん イエローの壁は、ちょっと変わったことをやりたくて、思いつきでリクエストしました。イギリスなどのヨーロッパのヴィンテージ家具に、アルフレックスのソファなど、モダンなデザインの家具をミックスした雰囲気が好きで、前の家から愛用しているものが多いのですが、それらの雰囲気にも合っていると思います。床のグレーのカーペットとの相性もいいですね。ディテールの仕上げは、インテリア雑誌などを参考に、モールディングや框戸のようなアンティークっぽいデザインを幅木やキッチンに取り入れ、好みのテイストに仕上げることにこだわりました。好きなイメージを集めた空間は、飽きない楽しさがあって、居心地の良さにつながっていると思います。
——設計は鹿内健さんがご担当されていますが、ご依頼された経緯を教えてください。
Tさん 物件を探していた時に、リビタの「R100 TOKYOサロン at 有栖川ホームズ」を見学しました。その内装を手掛けたのが鹿内さんです。とても素敵だったので、リノベーションをするなら同じ人にお願いしたいと、リビタのコンサルタントの方に相談し、希望をかなえてもらいました。鹿内さんは、とても機能的な発想をされる方で、住みやすい家をつくってくれそうだと期待がありました。
オン・オフを切り替える
ウォークインクローゼット
——北側は寝室、水まわり、ウォークインクローゼット、納戸、書斎などがありますが、こちらの間取りはどのように考えられたのですか?
Tさん 北側は鹿内さんからの提案で、私の生活動線に合わせ、必要な機能と空間を配置した、理想的な間取りになっています。北側から寝室、ウォークインクローゼット、洗面・風呂・トイレなどの水まわりの順番で並んでいるのですが、すべて東西に抜けられる動線にもなっていて、3本の動線を何通りにも回遊できるんです。玄関を入ると左側に続く西側の通路沿いには納戸と書斎もあります。大量に所有している本や和食器、絵画などのコレクションを収納するためにつくってもらいました。洋服なども多く、大量のものを機能的に収納できて、使いやすくすることがいちばんの希望でした。
——生活動線に合っている理想的な間取りということですが、どんな風に暮らしているか教えてください。
Tさん 毎朝、寝室で目覚め、洗面室で顔を洗ってメイクをしますが、寝室と洗面室、メイクコーナーが東側の通路でつながっていて、行き来がスムーズです。ウォークインクローゼットは、手持ちのワードローブに合わせ、下着、トップス、ボトムス、ジャケット・アウター、バッグの順番に収納できるように、棚をアレンジしてもらいました。着替えはウォークインクローゼットの中を、東から西へ進んでいけば完了。最後は建具のミラーでチェックして、玄関で靴を選んで出かけます。帰宅後はその逆。ウォークインクローゼットは、オン・オフを切り替える場所ですね。毎日仕事に追われ多忙なため、身支度などにストレスを感じない動線は、本当に助かっています。
——Tさんはこの家で4匹の猫と暮らしているんですよね。猫が自由に走り回れる余裕もたっぷりありますね。
Tさん 10年以上一緒に暮らしてきた2匹の猫に加え、新たに2匹の保護猫を迎えることになり、広い家を探していて、この物件に巡り合いました。行き止まりがない回遊型の間取りは、猫たちにとっても快適だと思いますね。猫のトイレは洗面台の下に収納できるようになっていて、お手入れの時以外は扉で隠せるようになっています。猫たちは側面に設けた入り口から、自由に出入りできるんです。臭いももれないし、猫たちは隠れた扉の中で落ち着いてトイレができる環境。これは後から知ったことですが、鹿内さんも猫を飼われていて、猫との生活をよく理解されていて、このような細かな配慮を提案してくれました
都心なのに森のような環境に建つ、
ヴィンテージマンションの豊かさ
——Tさんがリノベーションをした物件は、都内屈指のヴィンテージマンションといわれる「広尾ガーデンヒルズ」ですが、選んだ理由を教えてください。
Tさん 間取りと広さはもちろんですが、高級感のあるしっかりとした建物の造り、ゆったりとした敷地、利便性の高い立地などは、他にはない特別な魅力だと感じました。数年かけてリノベーションをするための物件を探し、この物件に出会うまで50軒以上見学しましたが、十分な面積を求めると、理想的な物件はありませんでしたね。予算的には想定より少しオーバーしていたのですが、この物件ならそれだけの価値があると判断しました。
——以前住んでいたのは、どのような家だったのですか?
Tさん 15年程前に新築で購入した分譲マンションで、そこも70㎡弱あったのですが、今の自分に合っていないような気がして、窮屈さを感じていました。前述の通り、猫が増えたこともあり、より広い家に住みたいと思うようになって、リノベーションを考えるようになったのです。
——新築への住み替えではなく、中古をリノベーションしようと思ったのはなぜですか?
Tさん 新築も検討しましたが、以前の家もとても造りが良く気に入っていたので、同じくらいの予算感で比較するとあまりピンとこなかったんです。15年前とは時代が変わっているように思います。一方で、東京には素敵な中古マンションがたくさんあることを知りました。良い時代に建てられたマンションをきちんとリノベーションすれば、さらに満足できる住環境が得られるのではないかと思ったんです。方向性が決まってからは、ヴィンテージマンションに絞って探しました。数あるヴィンテージマンションの中で、「広尾ガーデンヒルズ」は自然の豊かさも兼ね備えている希有な物件。長い年月を経て育ったケヤキ並木が続き、森のような敷地に建物がゆったりと建っている環境の良さは、都内随一だと思います。広尾駅すぐの都心の真ん中なのに、朝は鳥の鳴き声で目覚める日々です。
——リビタのリノサポのサービスを利用してみていかがでしたか?
Tさん リビタは「広尾ガーデンヒルズ」でいくつものリノベーション実績があったので、信頼感をもってお任せできると感じていました。「広尾ガーデンヒルズ」は管理もしっかりしていて、住人の意識がとても高く、リノベーションのルールや条件なども細かく設定されています。それが物件の価値を守ることにつながっているのですが、設計や施工には細やかな配慮が必要。コンサルタントの担当者さんがしっかり管理し、スムーズに進めてくれたので心強かったです。また、住宅ローンの手続き、全体予算のコントロールなども、親身になって相談に乗ってくれて、手際よくサポートしてくれました。すべてにおいて安心して楽しんで、リノベーションをすることができたと感じています。
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