フェイバリット・ビュー 私のくらし#17 工作時間|住まいのヒント

Housing Tips
暮らし再発見マガジン のくらし by ReBITA
住まいのヒント

フェイバリット・ビュー 私のくらし
#17 工作時間

目 次
  1. 1じっくり、ものづくり
  2. 2休日の過ごしかた
  3. 3材料集めは宝探し
  4. 41人の時間がほしくなったら
  5. 5自分の軸を、たしかめる時間

気づいたら集めているもの。見かけると、ついつい手が出てしまうもの。
どんなに忙しくても、大事にしたい時間。自分らしくいるために、欠かせない瞬間。
そんな、日々を彩る「もの」やホットな「こと」がつくりだす、お気にいりの景色=favorite view。
くらしにフェイバリット・ビューをもたらす「もの」や「こと」を、くらしをリノベーションする、リビタの社員がご紹介します。

じっくり、ものづくり

今回リビタ社員・金子がご紹介するのは「工作時間」です。

紙や布、リボンやビーズなどのパーツを使い、思うままに手を動かす、工作。
休日、映画を観たり本を読んだりして過ごすのも好きですが、じっくり手を動かす時間は特にお気に入りです。

子どものころから図画工作が好きで、ものづくりに触れながら育ちました。

大人になって、今のような工作を始めたのはコロナ禍のとき。初期は動画などを観て1人の時間を過ごしていたのですが、そのうち「受け身で楽しむよりも、自分の手で何か作りたい」と思うようになって。持っている画材を引っ張り出して、気の向くまま作り始めました。

作るのは実用品ではなく、抽象的な、壁に飾れるようなもの。「作品」というのはおこがましく感じるので、いうなれば「小物」でしょうか。

休日の過ごしかた

工作をするのは基本的に休日。昼食後、部屋着のまま、材料をテーブルに広げて作業開始。夕食の時間まで、何個も何個も作ります。だいたい半日で4、5個ほど。

イメージ通りにできなかったときは「少し違ったなあ」と思うのですが、誰かに評価されるためでなく、作りたくて作っているので、特に落ち込んだりはしません。

作る過程が好きで、飾るのにはあまり興味がなくて。他人に見せたい気持ちもないから、出来上がったものは全部、ボックスに入れて保管しています。

実のところ、もの自体よりも「作る時間」のほうが自分には大事です。手を動かすことが楽しくて、満たされる。材料と向き合って作業に没頭することで、心がすこやかでいられる。人によっては、凝ったお料理を作ることや、編み物がそうかもしれません。私の場合はそれが工作だったんです。

材料集めは宝探し

アイディアが浮かぶのは、InstagramやPinterestなどのSNSで誰かの作品を見たとき。
「写真に刺繍をすると面白そう」など、素材の組み合わせからインスピレーションをもらうことが多いですね。やってみたい、と思ったら画材屋さんに行って材料を集めます。

よく行くのは、学生時代から馴染みがある御茶ノ水の『レモン画翠』や大手の『ユザワヤ』。時間が許す限り、少なくても2時間は滞在します。
「この材料がほしい」と狙いを定めている日もあれば「これ、いいかも!」とその場で見つけることも。今はビーズやスパンコールを使った刺繍に興味があるので、気になったら片っ端から買ってしまいます。

思いもよらない素材に出会って「どう使おう?」と考えたり「これを使ったらもっと面白く表現できるかも!」とひらめいたり、アイディアが広がっていく時間が好きです。思い描いたイメージに、どうやって近づくかを考えるのが楽しくて。

1人の時間がほしくなったら

工作をしたくなるタイミングはまちまちですが、余裕があるときよりも、仕事などで慌ただしいときのほうが創作意欲がわきます。日常からの逃避とまではいかなくても、1人で過ごす時間が日々のストレス発散になるんです。

「この日に作ろう」と思ったら他の予定は入れず、作業時間を確保。その日、友だちから遊びに誘われても、断ってしまうなんてことも。工作の時間は譲れません。

編み物好きの母の影響で、編み物に挑戦したこともありますが、決まった手順を繰り返すのが苦手だと気づきました。自由自在に編めるようになればきっと楽しいと思うのですが、今の自分には、思うままに手を動かせる工作が合っているんでしょうね。
誰に合わせるでもなく、心の底から好きなこと、楽しいことを存分に突きつめる時間が、心身の健康を保つのに一役買っているように思います。

自分の軸を、たしかめる時間

今も覚えているのが、小学生のとき、父が連れていってくれた工作のワークショップ。「画用紙と木の小枝を組み合わせて作品にしよう」というテーマで、立体作品を作ったのが私だけだったんです。先生が「こんな風にできるんだね」と褒めてくれたのが、すごくうれしくて。そのころから漠然と「作ること」を仕事にしたい、と思っていました。

成長していくなかでグラフィックにも興味を持ちつつ、建築の面白さに魅かれて、現在に至ります。思えば、ずっと自分の軸にあるのは「作ること」でした。

材料を前にするとき、「なにか新しいものができそう」とワクワクします。直感で手を動かしているとき、心が満たされていきます。工作をしていると、自分の軸がどこにあるのか、あらためて感じられるんです。

誰の評価も気にせずに、自分が満足するまで手を動かすと、童心に帰れるというか、子どものころから変わらない部分が見えてくる。自分の原風景ともいえる、そんな景色を感じたくて、私は工作をするのかもしれません。

related SERVICE
関連のサービス
EVENT & NEWS
イベント&ニュース

ReBITA SERVICE
リビタのサービス

▲ フェイバリット・ビュー 私のくらし#17 工作時間|住まいのヒント